アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

バック・ビート ’94 イギリス

2006-03-31 | 伝記
〈もう一人のビートルズ〉といわれる者たちがいる。
彼らのマネージャーであったブライアン・エプスタイン。
それから、彼らがブレイクする前に、ドラムをクビになってしまったピート・ベスト。
そして、この映画の主人公、ジョン・レノンの親友で、当時ベースを担当していたスチュこと、スチュアート・サトクリフ。(この頃はなんと5人で演っていたんですね)

本作品では、ジョンとスチュ、スチュと恋人のアストリッドとの深い友情と絆、そして愛を中心に描かれている。

スチュを夢中にさせ、ビートルズの4人にも多大な影響を与えた、ドイツ人写真家のアストリッド・キルヒャー。
彼女の意見を参考に役作りをしたというシェリル・リー。
大ヒットしたTVドラマ『ツイン・ピークス』で有名な彼女。
ドイツ訛りの英語がお上手でした。

ビートルズの4人(ドラムはほぼピート)に扮した役者たちも似た感があって、なかなかでした。
特にジョン役のイアン・ハート。
リバプール訛りも生々しく、ヘンにつっぱってるとこなんかもよく研究していたと思う。
英映画にはよく出演しているようだが、めっきり髪が薄くなってしまって、本作に出ていた頃が懐かしい(笑)

母国はもちろんのこと、世代を越え、世界中で今もなお、絶大な人気を誇る彼らだが、有名になる前の若き彼らの頑張りと、誰もが抱く友への、そして愛する者への心情に共鳴しつつ、こうした時を経たからこそ’62のデビューへと繋がったのかと思うと、また違った感動が得られるはずである。

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他人のそら似 ’94 フランス

2006-03-26 | コメディ
世の中には、自分と似た者が3人いるといわれている。
何とも神秘的で聞こえはいいが、もし、自分とウリふたつな者がとんでもない奴だったら!?

実名で本人を演じたミシェル・ブラン。
彼はコメディ俳優ながら、’89の『仕立て屋の恋』で、ひたすら暗く、不幸な男を演じていた。
本作品では、監督・脚本も担っている。

同じく実名で登場した女優のキャロル・ブーケ。
大人の素敵な女性である。
彼女、本当に友人思いでいい人なんである。
ニセ者ミシェルを追うために奔走し、ストレスで仕事ができない彼を気遣い、自分の別荘を宛がう。(この別荘がまた素敵なんだなぁ)

偶然にもこの土地で、ミシェルになりすまして悪行を働いていたふとどき者パトリック(ミシェルが二役演じている)を見つけ、とっ捕まえようとする二人。
当の本人よりも、女性であるキャロルの方が、断然頼もしいのである(笑)
外見とは違って、かなりの男勝り。
カッコイイです。

そして遂に、自分を他人にのっとられてしまったミシェル。
憤慨した彼がとった行動とは!?

芸能界や社会でもある〈取って代わる〉現象。
よくよく考えれば、人生なんて皮肉なうえに、油断できないってことなんですね。
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靴に恋して 2002年 スペイン

2006-03-20 | ラブ・ストーリー
靴に気をつかう人は、かなりのオシャレさんだろう。
この映画、題名だけ聞くとヴィヴィッドで、いかにもオシャレな恋物語に思えてきそうなんだが・・・

スニーカーを履く女、アニータ。
小さな靴を履く女、イサベル。
偏平足な女、アデラ。
盗んだ靴を履く女、レイレ。
スリッパを履く女、マリカルメン。
本作品ではこの5人の女性たちを、ストーリーの中でうまく交錯させている。

彼女たちは皆、幸せを求めている。
求めながらも嘆き傷つき、苦しんでいる。
だが、なるようになるのが人生というもの。
彼女たちの強さと、生まれ変わろうとする決意には感服する。

直接〈靴〉に係わっていたのは、イサベルとレイレだろうか。
特にレイレ役の、ナイワ・ニムリがよかった。
’98の『アナとオットー』で、個人的に注目していた女優である。
彼女、黒髪のときよりも若く見えたかな。

友人に送ったレイレの手紙。
彼女自身の朗読が流れるラストシーンでは、傷心の彼女が過去をふっきり、幸せを求める微妙な心境が綴られていた。

だが最後まで腑に落ちないのが、彼女の恋人であったクンの言う別れの理由。
最終的に、レイレの靴のデザイナーになる夢を叶えさせてあげようと、身を引く素振りを見せてたけど、あれが男の優しさだなんていったらとんでもない。
だってレイレ、未練たらたらだし。
本当のコト言ってあげたほうが、相手のためってこともあるんだよ。
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ルームメイト ’92 アメリカ

2006-03-16 | ミステリー&サスペンス
近年、日本でも部屋をシェアしながら住む単身者は多い。
欧米では、同居人を募って住むケースは日常的だ。
家賃を少しでも安くあげるためなら、そういう方法もいいだろう。
だが一緒に住む以上、最低限、お互いの信用は必要である。

フリーのコンピューター・プログラマーのアリソン(アリー)は、新たなルームメイトを探していた。
募集をし、何人かと面談をする。
その中で、彼女はヒドラ(へディ)を選ぶ。
その時点で、へディの恐ろしい正体を誰が見抜けたというのか・・・

当初、へディをやや軽んじて見ていたアリーであったが、少しずつへディの変化に気づいていく。
彼女のクローゼットは自分と同じ服ばかり。
やがてアリーの前に、自分とそっくりな姿をしたへディが現れて・・・

観る者を震撼させたへディを演じた、ジェニファー・ジェイソン・リー。
TVドラマ『コンバット』で名高い、ビック・モローの娘である。
彼女は親の七光りではなく、自力で演技を開拓してきたエライ女優である。

一方、アリー役のブリジット・フォンダは、フォンダ家のお嬢様。
まだまだ叔母であるジェーンを超えることはできなそうだ。
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オーロラの彼方へ 2000年 アメリカ

2006-03-12 | ドラマ
この映画や、’85の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観ると、安易に過去は変えるものではないのだなぁ、と思ってしまう。
もちろん、変えることは出来ない。
だから、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていただろう」なんて言えるんだし(笑)

30年前に殉職した父と、無線機で交信する息子。
オーロラの出現する夜に起きた不思議な出来事。
この瞬間は、ちょっと感動モノである。
’89の『フィールド・オブ・ドリームス』に似た感触。
1969年と1999年の同時刻が、並行して進行していくのが面白い。

30年後の息子の警告によって助けられた父は、その時点から、大変な苦労をさせられる。
1999年現在に起きている未解決事件(息子は刑事だ)の捜査を手伝わされるのである。
本当は天国でゆっくりと楽しんで(?)いたはずが、刑事でもない彼が奔走することになってしまうのだ。
もうお父さん大変です!

たった一つの過去を塗りかえただけで、連鎖的に変化していってしまう様は怖い。
だから過去は変えてはいけないのである。
いや、だからこそ変えられないんだけど。

終盤は、感動よりも驚きのほうが強かったかな。

大切な人をもし亡くしていたら、これほど夢のようなエンディングはないでしょう。

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パリ、テキサス ’84 フランス・(旧)西ドイツ

2006-03-06 | ヒューマン・ドラマ
個人的にロードムービーは好きだ。
どこか退廃的なのがいい。
ロードムービーに絡む人間模様も、実に様々だ。
またこうした作品は、必ずといって切ない余韻が残る。
その哀しさもいい。

本作品は、ヴィム・ヴェンダース監督の代表的な作品である。
この映画でカンヌ映画祭のグランプリをとり、彼の名が一躍有名となったのにも納得がいく。

題名の『パリ、テキサス』
ロードムービーだから、パリ―テキサス間の話か?と思うかもしれないが、これはテキサス州の中にある〈パリ〉という地名なんである。

Paris.Texas
素敵ではないか。

くたびれた男が、8才になる息子と共に、かつて家族を捨てて出て行った妻を捜しに行く。
過去の深い傷を心にすえながらも、妻と再会を果たす。
だが男は、息子を妻に託し、自分はまた旅に出る。
これでいいのさ、と心の中でつぶやいてでもいるかのように。

孤独を愛する男を絵に描いたようなエンディングであったが、〈後は野となれ山となれ〉的な男の身勝手さと取るか、自虐的な男の性格を憐れむか・・・

それぞれの道が続いていく。 
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