アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

アンナとロッテ 2002年 オランダ・ルクセンブルク

2010-07-23 | ドラマ
姉のアンナと妹のロッテは大の仲良しで、いつも一緒だった。
だが両親の死によって、この双子の姉妹は、不幸にも引き裂かれてしまうこととなる。
二人にとって、それは非情な別れであった。

アンナはドイツ、バイエルン地方の貧しい農家に、一方結核にかかっていたロッテは、オランダの裕福な家庭へとそれぞれ養子として引取られる。
アンナは養父母から愛情のかけらも示されず、ひどい仕打ちを受けながらも気丈に生きる。
ロッテは温室育ち特有の娘に成長していく。
そんな中でも、二人はお互いのことを気にとめていた。

明暗を分けた姉妹の一生。
辛い中にも、一筋の光が射したときがアンナにはあった。
オーストリアから徴兵されてきたマルティンとの出会い。
やがて二人は結婚するのだが・・・。
ロッテも結婚を約束したダヴィッドと幸せのさなかにいたが、ユダヤ人であるダヴィッドは、ナチにより拘束されてしまう。

ロッテはアンナを許さなかった。
アンナがナチの将校と結婚したと思い込み、「ダヴィッドは“あなたたち”に殺された」と憤る。
二度と姉とは口を利かないと。
アンナが、「肉親はロッテしかいないの!」と叫んでも、彼女の怒りは収まらない。
ロッテは人の痛みもわからない、自分のことしか頭にない女性になってしまっていたのであった。

時は過ぎ、高齢になった二人は再会する。
アンナはどうしてもロッテの誤解を解きたいと、彼女の居場所を探したらしい。
ロッテはこの年になっても、頑固なばあさまでいた。

この映画を振り返ってみる。
中盤近くまで、二人のそれぞれの生き方が、緊迫した場面も含め、大河ドラマのような趣さえあったのに、終盤はどうもコメディー映画に出てくるようなばあさま二人という演出になってしまって、まったく感動できなった。
実にもったいないことである。
アカデミーの外国語映画賞を逃したのも、終盤の二人のやりとりが失敗だったのではなかろうか。

オーシャンズ13 2007年 アメリカ

2010-07-13 | アクション
これまで、シリーズものとして世に出た映画作品は数多くあるが、2作目で止めておいたほうがよかったのでは?と思わされてしまうものも結構あった。
柳の下のドジョウを狙おうとする気持ちはわからなくもないが、2作目もヒットしたからといって、はいはい3作目も・・・と予想通りにいくのはなかなか難しいだろう。(もちろん、前作をしのぐほど素晴らしいものもあるにはある。)
そういった意味では、TVシリーズのほうが面白いかも。

2作目も当たった!となれば、当然3作目が制作されてもおかしくはない。
しかし残念なことに、ここにきてなぜかコケてしまったものも少なからずあるのも事実。
個人的には、本作品もその中の一つだと考えてしまうのである。(興行的にはよかったのかもしれないけど。)

今回、アメリカでは人気の衰えないジュリア・ロバーツは出演せず、じゃあ誰が?というと、なんとエレン・バーキン。
こっち側ではなく、あっち側で。
ハリウッド女優ならではの完璧なプロポーションで、まだまだ現役よ!とばかり、なんとも意欲的な演技ではありましたが、あの程度の役柄で、どうも彼女にしてはもったいない感じがしたのである。
アル・パチーノも、なんだかかわいそうだったなぁ。

なんてったって、これはクルーニーとブラピの映画であるから、大御所でもなんでもさしおいて、彼らが光ってなけりゃ意味がないのだろう。
でもその二人も、今回は出番が少なくなかったか?

面白くないわけではないのだが、ほどほどに飽きてはくる。
それはどうしてか。
“仲間”が多すぎるからだ。
『ルパン』や『スパイ大作戦』とは違って人数が多いためか、それぞれの個性が散漫になってしまうのかもしれない。

「じゃあ、また」と言って、空港で別れる二人。
「また」ということは、次もある!?
オーシャンとその仲間たちが、某メンバーのようにどんどん増えていって、それこそ誰が誰だかわからなくなっていったら、それはもうギャグでしょう。