アブリコのCinema散策

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マイ・ブルーベリー・ナイツ 2007年 香港・中国・フランス

2014-04-30 | ラブ・ストーリー
ウォン・カーウァイ監督の作品は、これまでにも何本か観てきた。
今回の作品を観て改めて確信したことがある。
それは、彼の作品の舞台は、「香港が似合う」ということ。
ニューヨークでもダラスでも、ベガスでもない。
カーウァイ監督の映画は、香港を舞台にして輝けるのだということ。
トラン・アン・ユン監督が、'10に『ノルウェイの森』を撮ったときと同じ感想だが、トラン監督もベトナムを舞台にしてこそ光るのであって、それぞれがその場所で確立し、いわば観ている側もその風景で免疫ができてしまうと、やたらな試みはむしろ残念な結果となってしまう。

偶然知り合った男女のうち、一方が惹かれていき、最終的に二人は結ばれる。
そんな月並みなラブストーリーをカーウァイ監督が撮ってしまったことにも驚く。
粋なやりとりもなく、愛の深みも感じられない。
やるせない感情のぶつけ合いも乏しく、監督が得意とする表現が見当たらないのである。
やたらと目につくのは、おなじみのスローモーション撮影。
今回はちょっと多用しすぎではないのか。
アクセントで使うというより、全編に近かったほどの多用ぶり。
最後のほうではさすがにイラつきました。

ノラ・ジョーンズの演技がどうのこうの言われたり、ジュード・ロウのカフェオーナー役がしっくりこなかったり、なによりこんな安直なラブストーリーでは、作品としてちょっとくやしいかな。

切ない夜には、クリームとバニラアイスをたっぷりと添えたブルーベリー・パイが食べたくなる・・・そんな気持ちになれなかったのはまことに残念。
どうしてもこの流れに共鳴できなかった。
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グランドホテル '32 アメリカ

2014-04-12 | クラシック
グレタ・ガルボは宝塚向きである。
もちろん男役で。
あくまでも〝向きである″ということ。
あの身長、あのハスキーボイス、あの美貌。
あのスレンダーさに、あの身のこなし。
どこをとっても宝塚の男役向きだろう。
同様に、マレーネ・ディートリッヒもそっち向きではないかと思うのだが。

旧ソビエトのプリマドンナ役という、実際の舞台でのシーンはなかったにせよ、ガルボの身長(170cmぐらい)では、この役は合わんのでは?
それに衣装を着けた彼女もまったく想像できない。
だって男役向きなんだし。

当時の売れっ子としてガルボとジョーン・クロフォードが共演したのはいいが、同じシーンで顔を合わすことは一度もなかった。
この頃二人はかなり険悪な状態だったらしい。
クロフォードは結構頑張り屋さんな女優だったけど、ガルボは英語も話せない、ヨーロッパの名もない女優で、運よくアメリカで見出されちゃって、トントン拍子で売れっ子女優になっちゃったから、クロフォードにとってはおもしろくないわな。
ガルボのスウェーデン訛りはアメリカでかなりウケたようで、当時のハリウッドでは、外国人女優のもつ独特な魅力に夢中だったそうである。

'05の『THE有頂天ホテル』のレビューで本作品については少し触れたが、〝グランドホテル形式″を生み出しただけでも、この映画は名作として今でも賛美されているが、見直してみると、ストーリー的にはどうであろうかと悩まされてしまうのが正直なところである。
ラストのあっけなさはどうであろうか。
名作ならではの余韻というものが、悲しいことに感じられないのだ。
有名ホテルといえども、「人々がやってきて、また去っていく。ただそれだけ」という日常が、あまりにもはかないということを謳いたかったのかもしれない。
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