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クイーン 2006年 イギリス・フランス・イタリア

2011-09-12 | ドラマ
ダイアナ元妃が、不幸にもパリで事故死したのをきっかけに、イギリス王室は変わろうとしていた。

彼女の葬儀は密葬でよい、と女王はいう。
しかし当時就任したばかりのブレア首相は、“国民のプリンセス”であったダイアナは、国葬にすべきでは?と異論を唱える。

かつて、陛下とダイアナの確執は周知の事実であった。
彼女はもう王室の人間ではないのだから、民間のやり方でよいではないの、とは女王の言い分。
しかし声明も半旗も出されていないことに国民は、王室に不満をつのらせていく。
「国民の考えは私が一番わかっているのよ。 私はこの国の君主なのだから」
そう、いきり立つ陛下。
だが王政を廃止するべきなどという意見も出だしたことから、女王の思いは揺らぎ始める。

絶対主義の頃のヨーロッパをみても、波乱に満ちた歴史の様子がうかがえる。
君主が国民の意見に屈するなどとんでもない、そういう時代であった。
しかし現在(いま)は違う。
時代の流れ。
時代は確かに変わってきている。
ブレア首相の度重なる説得に、女王の考えも動かされつつあった。

ヨーロッパ王室のお妃選びが近年、自由な風潮になっているのには好感がもててよい、と思う人が多いようだ。
イギリスでは4月にウイリアム王子がキャサリン妃と。
7月にはモナコのアルベール2世がシャルレーヌ妃と、盛大に華麗な結婚式を執り行った。
新しくお妃になられた二人も民間の出である。
特に階級社会が根強く残るイギリスで、王子の結婚を認めた女王はなんと偉大なことか!

そういえば、王子の結婚式にブレア氏の姿はなかったようにみえたが・・・。