アブリコのCinema散策

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ONCE ダブリンの街角で 2006年 アイルランド

2015-10-19 | ヒューマン・ドラマ
制作費1500万円の低予算で、興行成績はなんと日本円で20億という、世界中で大ヒットとなった本作。
口コミで人気が広がったというのもなるほどといった感じだが、そこまで人々を魅了したのはなんなのか観てみた。

ストリートミュージシャンの男に声をかける女。
「その歌詞は彼女にあてた言葉なの?」「その彼女はいまどうしてるの?」「なんで彼女と別れたの?」
矢継ぎ早に質問する女。
初対面でいきなりである。
やや引き気味・・・。
男の作る曲は確かにいい。
サントラも売れたというのだから納得。

男は元カノに逃げられた過去をもち、女は夫とうまくいかず別居状態。
故郷のチェコから、母、娘と共にここアイルランドで暮らしている。
女が音楽に精通していることから、男は作詞やピアノを彼女に依頼。
後にスタジオを借り、別のストリートミュージシャンたちを誘って、オリジナルのバンドを作り、CD制作までこぎつける。
「絶対にこれは売れる」と自他共に認める曲を収めたこのディスクを持って、ロンドンへ渡る決意をした男であった。

最後までプラトニックで終わる男と女。
男は控えめにモーションをかけてはいたが、女は友情を重んじ一線は越えなかった。
娘もいる。
夫ともう一度やり直す気持ちがあっての彼女の選択であった。

ロンドンへ発つ日、男は女にピアノを贈る。
思うにその代金は、曲が売れた後に払うと店側に交渉したのだろう。
それぞれの道がまた始まろうとしているエンディングであった。

気づけば、ここに出てくる人物たちのなんと協力的なことか。
楽器店の店員や、途中加わったミュージシャンたち。
中でも個人的に感心したのは男の父親である。
本当にいいお父さんなんである。
「お前はいい年をして何をやってるんだ」なんて言おうものなら、ハイ、それまでよだが、「頑張れ、死んだ母さんも喜んでいるぞ」なんて言ってくれたらねえ、涙、涙じゃないの。
音楽もだけど、むしろこの映画では、人々の温かさに泣かされそうな気がする。
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