アブリコのCinema散策

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フィッシャー・キング ’91 アメリカ

2008-03-26 | ヒューマン・ドラマ
〈口は禍のもと〉と念頭において喋る人は、まずいないだろう。
本人は意識せずに言ったことでも、聞く人によっては心を傷つけられるほどの痛手を受けることだってある。
「失言だった、撤回する」と言ったって、すでに出てしまった言葉を消すことはできない。
時に「言葉」は、凶器となることだってある。

人気DJだったジャック・ルーカスの発した言葉によって、不幸にも大惨事が起きてしまう。
ラジオと“お友だち”だったあるリスナーは、過激なジャックのトークを鵜呑みにし、行きつけのバーで猟銃を放ち、7人もの犠牲者を出すほどの暴虐事件を起こす。
3年後、仕事も辞め、名誉も失ったジャックは、妙なホームレス、バリーと出会う。
その後ジャックは、バリーの妻が、3年前のあの事件で犠牲となったことを知り、彼のために力を貸そうと奔走する。

“オレ様”だったジャックが、人の力になろうと、人間らしさと真の男らしさを取り戻していく。
そのひねくれ者ジャックを支える、肝っ玉恋人アンとの関係がいい。
恋することにためらう大人たちに、勇気を与えてくれそうだ。

一方で、海の向こうの話と考えられていた事件が、21世紀となった日本でも起こってしまっているという現実が、恐ろしく残念であるとともに、言葉を発信するメディアは一層、言葉選びの慎重さを持さなければならないのかもしれないなどと、この作品を観ながら考えてしまった。
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バーバー 2001年 アメリカ

2008-03-18 | ミステリー&サスペンス
“カンヌを震撼させた、超一級クライム・サスペンス”という触れ込みで期待してみたのだが、とりたてて語ることがない、というのが本音である。
観ていくうちに、どんどんと興味をそがれていってしまったのは残念であった。
大方先が読めてしまうのは仕方がないとしても、〈クライム・サスペンス〉とするなら、もう少し踏み込んだ練り方をしてほしかった。

ベートーベンの『ピアノ・ソナタ』や『月光』が美しく響くほど、全編、静寂に包まれている。
よって、モノクロ撮影にしたのは正解だった。

主人公の寡黙な床屋を演じたビリー・ボブ・ソーントンのなりきり演技はすごかった。
台詞が少ないああいう役は、とても難しいと聞く。
カメレオン俳優なら、そんな心配もないのかもしれない。

もう一人、非常に気になったのが、スカーレット・ヨハンソン。
ピアノを弾く、純真な女子学生の役であったが、まさかそれで終わらないだろうと踏んでいたら、案の定、それで終わらなかった(笑)
今や、ハリウッドのマンイーターNo.1のスカーレットであるからして、やはり彼女はこうでないと、観る側も安心できないというのもとても妙な話である(笑)
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永遠(とわ)の語らい 2003年 ポルトガル・フランス

2008-03-12 | ヒューマン・ドラマ
古代文明・遺跡を巡る母娘二人の船旅。
パイロットである父親が、インドのボンベイで降り立つということで、そこで家族三人は落ち合う予定であった。
歴史学教授である母親は、わが娘に生きた世界の歴史を見せようと、各地で寄港できるよう飛行機ではなく、あえて船を使うことにしたのだった。

リスボンを出航して、フランスのマルセイユに。
それからイタリアのナポリへ。
カステル・デローヴォやポンペイ遺跡を見学し、ギリシャへ移ってはアクロポリスの美しさを堪能する。
かつてのコンスタンティノープル(現イスタンブール)では、イスラム寺院を巡り、イスラム文化の奥深さを知り感慨に耽る。
エジプトのカイロに渡っては、古代エジプト王などの墓である壮大なピラミッドを前に、母は娘に世界最古の文明であることを説く。

だが、これまでの平穏さが一転してしまう。
予想だにしなかっただけに、ラストはかなりの衝撃である。
映像には無いが、船長の慟哭を思い、以後、彼は十字架を背負って生きてゆくのだろう。
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赤毛のアン ’88 カナダ・アメリカ

2008-03-07 | 文芸
原作本を先に読むか、それとも映画化したものを先に観るか。
かつては前者であったが、その後映画を観るとあまりにもカット部分が多く、原作と異なる点もありすぎるため(定められた時間内で収めるにも無理があるのは承知だが)、今では映画が面白かったら原作本を読むようにしている。
そのほうがおさらい気分で映像を回想できるし、更に本では細かく描写されているので、映像自体のイメージダウンもあまりない。
(映画版では、原作とあえて変えるという趣向もみられるが。)

ルーシー・モンゴメリ作『赤毛のアン』は、一時とても好きで、常に前向きであるアンから元気がもらえた気がしたものだ。
プリンス・エドワード島の写真集や、19世紀当時の生活様式の本を見ては、アンの世界に思いを馳せてみたりしたものだ。
思うに、昔TVでやっていたアニメ版は、非常に原作に忠実であったと記憶している。

今回の〈完全版〉は、だいぶ後になってから観たものだったが、やはり本を先に読んでしまうと、やや物足りなさを感じてしまう。
“ファンは必見”とよく書かれているけど、個人的には、この映画を観て、興味がもてたら是非原作本を、と言いたい。

「アンの部屋のベッドの位置が違う」「マシューがアンにプレゼントした、パフスリープのドレスはそんな色じゃなかった」とか、あれこれツッコミを入れたくなりながらも(笑)、本場プリンス・エドワード島の四季の美しさを体感できることに、この作品の価値はあると思います。
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