アブリコのCinema散策

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アナとオットー ’98 スペイン

2013-07-26 | ラブ・ストーリー
運命に導かれ、出逢うべくして出逢ったふたり――アナとオットー。
初めてふたりが出逢ったのは森の中。
後に同じ小学校だということに気づく。
このときすでにふたりは確信していた。
運命の相手であることを。

アナの母親とオットーの父親が再婚することとなる。
アナとオットーは兄妹になった。
しかしふたりはきょうだいなどとは思っていない。
ふたりは成長とともに愛し合うようになる。

実母と一緒に暮らしていたオットーだったが、アナと離れて暮らすことに我慢できず家をとび出す。
突然訪れたオットーに父は驚く。
「今日は水曜日じゃあないぞ」
こっちで暮らすことを話すと父は、「母さんに言ってきたのか?」
首を振るオットー。
電話をかけ、母に伝える。
父と別れてから、母は悲観的になり、唯一の心のよりどころが一人息子のオットーであった。
オットーは、母よりもアナを選んだ。
母は電話のむこうで泣いていた。

改めて“家族”として生活を始めたオットー。
仲むつまじい家族の写真もそこにある。
アナとの関係もゆるぎない。
そんな中、久し振りに訪れた実家で、彼は母の死を知ることとなる。
その死をきっかけに、ふたりの運命の歯車が狂いだしてゆく。

母がこうなったのは父のせいだとわめく。
だがオットーは言う。
一番悪いのは自分なのだと。
行き先も告げず、オットーは家を出る。
しかも父の金をすべて持って。
その後、アナも母親と一緒に家を出た。
すれ違いが続くふたり。
どこでなにをしているのか。
それもお互いわからない。
でもふたりは偶然を信じ、直感を信じていた。
その思いが通じてか、ふたりの距離は着実にせばまっていく。
もうすぐそこに、きっと、驚き、喜び合うふたりの表情が見えるはず・・・。

これはラブストーリーなのだろう。
しかしそれだけではないような気がする。
アナの瞳に映るオットーの姿。
アナを抱きしめる女性。
その女性の顔は見えない。
個人的な考えでは、それはオットーの亡き母なのではないか。
オットーは誰のものでもない。
オットーは永遠にわたしのもの。
だから、あきらめて。
そんな思いが伝わってくるような気がしてならない。

フィンランドの“真夜中の太陽”に心をうばわれる。
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ダブルフェイス 秘めた女 2009年 フランス

2013-07-03 | ミステリー&サスペンス
何かが違う。
いつもと同じ日常のはずが、どうも少しずつ違う。
部屋が、家具の位置が、微妙にずれている。
そして、夫が、子どもたちが他人のように感じる。
わけもなく涙があふれてくる。
一体わたしはどうしたのだろう。
鏡に映る自分の顔さえも、違って見えるのだ。

この主人公はうつなのか、それとも二重人格者なのか。
観始めていくうちに、そんな視点でストーリーを追っていくことになるのだが、そうした憶測もラストへ向かって覆されていく。

8才より前の記憶を失っているジャンヌ。
自身の過去を取り戻す行動を起こし、やがて事実を知ることに。
そして本来の自分に戻り、生活をやり直していく。
”ジャンヌとして”ずっと生きてきた彼女である。
これからも“ジャンヌ”は彼女と共にあり続けるのだろう。

「ソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチ共演」という、なかなかお目にかかれなさそうな作品であるが、これがなぜか日本では未公開だったのが不思議である。
ストーリー的には、じりじりと引っぱっていきながら、後の展開を期待させる見せ方はよかったように思うが、どうも無駄な場面が多かったことは否めない。
ジャンヌの顔が徐々に変化していくさまや、体型が極端に変形するところなど、デビッド・リンチ監督が描く異物たちのようである。(ちょっとホラー的というか。)
グロテスクとまではいえないかもしれないが、ああいった演出は必要なのかどうか疑問である。
 
「過去を振り返らないで」という原題に反して、ジャンヌはあえてその真実に立ち向かう。
それは彼女にとって、大きな悲しみを知ることである。
だが、いわゆる呪縛から解き放たれたような彼女の安堵した表情を見れば、過去に立ち返ってむしろよかったのだと思いたくもなった。
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