「親になる」とはどういうことか。
子どもが生まれれば、必然的に親にはなる。
しかし、尋常ではない出来事が多い昨今、懸命に育てることで、初めて親になれるのではないか。
ブリュノは20才、妻のソニアは18才。
その日暮らしのふたり。
ブリュノはチンピラ稼業でどうにか日々をしのいでいた。
そんな中、ふたりに初めての子が生まれたのである。
ソニアは大事に我が子を抱き、愛しそうに息子の顔を見つめる。
対して夫は、特別関心がなさそうな感じ。
我が子よりも、金を稼ぐことしかいまは頭にない様子。
ソニアは言う、「定職に就いて」
だがブリュノは決断してしまう。
金を得るために、我が子を売ることを。
大金は入った。
ソニアはその事実をしるやいなや、その場に倒れこんでしまう。
動かないソニア。
ブリュノはここで、初めて子どもの大切さに気づくこととなる。
〈オレは子どもを売ってしまった。 だからソニアは悲しみのあまり倒れてしまった。 だから子どもは大切なんだ。〉
おそらくこんな感じで、彼なりの思いが頭の中で駆けめぐっていたに違いない。
このブリュノという青年。
本物のワルにはなりきれていない。
自分の仲間(子分)は小学生くらいの子どもたちだ。
ブリュノは、彼らにも正当な分け前を渡してやる。
子どもだからといって見捨てるようなこともしない。
なにより彼は、ソニアを愛している。
ふざけ合う二人は本当に若い。
まるで高校生のようだ。
それがラストでは、互いの額をつけ合い、手を握りしめ、むせび泣くのである。
なぜこの映画がカンヌでパルムドールを受賞し、日本では文科省特別選定されたのか。
それは映画の後半で、十分に証明されているように思う。
子どもが生まれれば、必然的に親にはなる。
しかし、尋常ではない出来事が多い昨今、懸命に育てることで、初めて親になれるのではないか。
ブリュノは20才、妻のソニアは18才。
その日暮らしのふたり。
ブリュノはチンピラ稼業でどうにか日々をしのいでいた。
そんな中、ふたりに初めての子が生まれたのである。
ソニアは大事に我が子を抱き、愛しそうに息子の顔を見つめる。
対して夫は、特別関心がなさそうな感じ。
我が子よりも、金を稼ぐことしかいまは頭にない様子。
ソニアは言う、「定職に就いて」
だがブリュノは決断してしまう。
金を得るために、我が子を売ることを。
大金は入った。
ソニアはその事実をしるやいなや、その場に倒れこんでしまう。
動かないソニア。
ブリュノはここで、初めて子どもの大切さに気づくこととなる。
〈オレは子どもを売ってしまった。 だからソニアは悲しみのあまり倒れてしまった。 だから子どもは大切なんだ。〉
おそらくこんな感じで、彼なりの思いが頭の中で駆けめぐっていたに違いない。
このブリュノという青年。
本物のワルにはなりきれていない。
自分の仲間(子分)は小学生くらいの子どもたちだ。
ブリュノは、彼らにも正当な分け前を渡してやる。
子どもだからといって見捨てるようなこともしない。
なにより彼は、ソニアを愛している。
ふざけ合う二人は本当に若い。
まるで高校生のようだ。
それがラストでは、互いの額をつけ合い、手を握りしめ、むせび泣くのである。
なぜこの映画がカンヌでパルムドールを受賞し、日本では文科省特別選定されたのか。
それは映画の後半で、十分に証明されているように思う。