アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

トラ トラ トラ! ’70 アメリカ

2009-10-28 | アクション
1941年12月8日(現地時間7日の朝)、日本軍は真珠湾を奇襲攻撃した。
これにより、米側の戦艦アリゾナをはじめ、多くの軍艦が撃沈、破壊した。
これが太平洋戦争の、悲劇の始まりとなってしまったのである。

「ニイタカヤマノボレ」
戦闘開始の合図で、日本海軍の空母からは、真珠湾を目指す機体がいっせいに飛び立つ。
現地では日曜の朝を迎えようとしていた。
とりたてて、人々は慌てる様子もない・・・

連合艦隊司令長官山本五十六は、対米戦争回避論者で、太平洋戦争の開戦には反対していた人物であった。
だが、東条英機をはじめとする軍部の意見には逆らえない。

「トラ トラ トラ」
攻撃成功!の声に、日本軍は歓喜にどよめく。
そんな中、五十六は沈痛な面持ちであった。
宣戦布告の通達が、アメリカ側に届く55分前に攻撃を始めてしまっていたことを知り、これからの長い苦しみを予見していたからである。

かつて冷戦時代における、米・旧ソ連の対立。
すんでのことで、第三次大戦勃発となるかと恐れられていたところ、故ケネディ元大統領の手腕で、見事回避できたのであった。
戦争前の日米交渉が決裂寸前だったとはいえ、軍部の意固地さには嘆かわしいとしか言いようがない。
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昔みたいに ’80 アメリカ

2009-10-19 | コメディ
元夫を弁護することになったグレンダ。
夫であったニックは無実であるのだが、とんだことでトラブルに巻き込まれ、全州で指名手配となってしまっていた。

現夫であるアイラは、堅物の検事。
弁護士と検事。
好敵手であるふたりも、互いに尊敬し合うよき夫婦であった。
そこへ、まさかのニックが、グレンダに助けを求めに来たのである。
「世界中で、君しか頼れる人がいない」

何故ふたりが別れたかはわからないが、いろいろあったのだろう。
でも、憎み合って別れたのではないことは判る。
ニックは今でもグレンダを愛しているし、グレンダも懸命にニックの力になろうとしていた。
ニックはといえば、あわよくばグレンダとまた・・・と思っていたようだが、彼女は、「今はアイラなの」と、きっぱりと道理のある言葉を返す。

ラストシーンでのグレンダのホッとした笑顔は、彼女の本心を上手くとらえたところだろうが、“腐れ縁”の余韻を残すようでもあって、ちょっぴりいたずら的な幕切れであった。
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200本のたばこ ’99 アメリカ

2009-10-08 | ラブ・ストーリー
「タバコは他人に対するバリア」なんだと。
「煙幕を張って、対人関係をゴマかしている」そうな。
なるほど。

ニューヨークの大晦日。
独り身で年を越すのはツラすぎるとばかりに、お相手探しにみんな必死。
誰でもいいみたいな、かつての日本のクリスマス・イブみたいではないの。
本作品は80年代の初めという設定なんだが、21世紀となった今では家族愛が重視され、いわゆる〈特別な日〉は、恋人や友人よりも家族と過ごすという人が、洋の東西を問わず多くなったのだとか。

対人関係でストレスを感じるのは、人間である以上仕方のないこととはいえ、それを無視して世の中を渡っていくのは不可能に近い。
日本人は、気遣いという美徳を持ち合わせる国民性であるがゆえ、これが結構な疲労感を伴うことにもなる。
なので、欧米人にはそういう気苦労がないのではないかと考えがちだが、いやいやそれはとんだ思い違いなんである。
人間関係の悩みでセラピーに通う人は、意外なほどに多いのだ。

大晦日のパーティで、あっちでもこっちでもカップルが出来上がっちゃうというのは、裏を返せば、それだけ淋しさも多いということでしょう。
そしてまた、くっついたり離れたり。
部屋の中は、タバコの煙でモクモク?

百害あって一利なし。
タバコを止めれば、視界もハッキリするかもしれない。
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桜桃の味 ’97 イラン

2009-10-01 | ヒューマン・ドラマ
人生に悲観した男は、今夜、自ら命を絶とうと決めていた。
これ以上生きる理由がない ―― 男はハンドルをとりながら、「誰か」を探し求めていた。

まだ兵役中の若者、友人を訪ねてきたというアフガン人の神学生。
彼らは男の頼みを断った。
「わたしは今夜、この穴に横たわり、睡眠薬を飲む。 明朝ここへ来て、“バディさん”と声をかけてくれ。 もし返事がなければ、スコップで20杯、土をかけてほしい。 報酬は、十分にある」

まともな若者なら断るのは当然だろう。
誰が自殺の手伝いなど喜んで引き受けるだろうか。
だが、男は真剣であった。
なんとしても今夜だと決めていたから。
自分の墓穴まで準備したのだから。

やがて初老の男と出会う。
初老の男は用件をのんだが、何故そこまで思いつめるのかと、悩みがあるなら話してみなさいと問うのだが、男は口を閉ざす。

悩みのない人間などいない。
しかし、何かをきっかけに、考えが変わることだってある。
初老の男は、自分の経験を交え、男に話し続けた。
美しい夕陽を、また見たいと思わないか?

『オリーブの林をぬけて』から3年、“ジグザグ道三部作”は終わったが、本作品での“曲がりくねった道”は、キアロスタミ監督ならではの“人生”を掲げた表現法だろう。
実に深みがある。
彼の作品は、人間の深い感情を際限なく映し出していて、彼らの心情が、スーッと入ってくる不思議な感覚にいつも出会う。

初老の男の言葉に、今まで見えてなかった風景が、男の瞳に映る。
こんなにも空は美しかったのだろうか・・・
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