アブリコのCinema散策

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ある公爵夫人の生涯 2008年 イギリス・フランス・イタリア

2010-05-31 | 伝記
故ダイアナ元皇太子妃の祖先として注目されたこの映画。
18世紀の時の人ジョージアナ・スペンサーとダイアナは、共に不幸な結婚生活をおくったという共通点があった。

個人的には、それほど注目に値するほどでもなかったように思ったが。
当時の貴族社会では、こうした状況は日常茶飯事であっただろうし、特別視されることでもなかろう。
公爵の愛人(そうなる前は、夫人の親友だった女性)との奇妙な生活には首をひねるが、たまたま200年以上もの時の中で、同じ系図の中に似た二人がいたという事実が、ドラマチックに映ったのでしょうね。

「世継ぎを!」の重圧がのしかかる。
ジョージアナは、二人の女の子を産んだ。
我が子は愛しい。
だが、公爵は子に向き合おうとはしなかった。
いつの世も、お産は命がけである。
確かに、男児を授かることが最優先のお務めであろうが、妻としては、非常に苦しい心境であっただろう。

やがて、待望の男の子が。
しかしジョージアナは、どこか冷めていた。
務めは終わったとばかり、今度は自由を求め始める。
だが当主である公爵は、その取引を認めない。
恋をとるか、子どもたちをとるか・・・

彼女は大人だった。
我が子を見捨てるなんて出来ない。
後の首相となったチャールズ・グレンとの恋を、このとき選ばないでいてよかったのである。
お互いに。

キーラ・ナイトレイにレイフ・ファインズ。
古典劇にはぴったりの二人である。
何気に気になったのが、キーラの顔の輪郭。
あれ? 彼女って、こんなに顔が四角かったっけ?
『パイレーツ・オブ・カリビアン』のときは、まだ顎も細かったよね?
だんだんヘレナ・ボナム・カーターに似てきたかもと、余計なお世話ながら心配になりました。
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この道は母へとつづく 2005年 ロシア

2010-05-20 | ヒューマン・ドラマ
切ない話である。
母の顔を見ぬまま、名前さえ知らぬまま成長していく姿を思えば悲痛である。
親の身勝手さで棄てられ、何の罪もない子どもたちは、母の温もりの記憶さえない。

孤児院で育った6才のワーニャは、イタリア人夫妻の養子になることが決まった。
特別嬉しがる様子もなく、ワーニャは、淡々とその日が来るのを待っていた。

ある日、すでに養子として引き取られた子どもの母親が、突然孤児院を訪ねてきた。
「あの子に会わせてほしいの!」
すがるように頼み込む女性。
「何を今更! 勝手に子どもを棄てておきながら!」
院長は女性を追い払う。
ワーニャはその女性に声をかけられ、いつ来るかもわからぬバスを待ちながら、彼女の話を聞いた。
女性は後悔していた。
幼いながらもワーニャは、隣で息子のことを話すその女性に、感じたことのない母性を知るのであった。

僕にも本当のママがいる・・・。
会いたい。
会ってみたい。
養子として選ばれたという幸せを捨て、ワーニャは実の母を探しに院を飛び出す。

1年後、ワーニャは自分の代わりにイタリアへ行ったアントンに手紙を書いている。
“こっちはまだ寒いけど、家の中は暖かいです。”
この一文で、彼が幸せになれたことに誰もが気づかされるだろう。

これは、幼い子の、無謀ともいうべき行動が実を結んだという実話である。
ロシアではいま、孤児の問題が深刻化している。
親が貧困や薬物中毒などにより親権を放棄し、施設に入れられる子どもたちが急増しているという。
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ヤング@ハート 2007年 イギリス

2010-05-11 | ドキュメンタリー
先月初来日した、世界中で活躍中のコーラス隊ヤング@ハート。
平均年齢80才、“熟練した”その歌声はパワー全開。
「ウォー」と叫べば、ときにしんみりと、ジャンルに合わせて歌い分けるその術もたいしたもの。
時折ハラハラッとさせられるシロウトっぽさも、不思議と心に響くのでありました。

クラシックやオペラを好む彼らが、なぜロックやパンクを?
分野を広めたい、違うことをやってみたい。
脳を刺激するのはいいことなのよ、と新たな挑戦を楽しんでいるかのよう。

アメリカでのステージ本番までに、彼らは二人の仲間を亡くしている。
悲しみを乗り越えてのステージは、拍手喝さいの大盛り上がり。
厳しい練習で培った彼らの本気は、決してやわではない。
観客に、その熱意はしっかりと伝わっている。
ものすごいエネルギーだ。

イギリスでは前に、おばあちゃんたちの『カレンダー・ガールズ』なる作品を出した。
欧米では、元気なお年寄りたちをメインとした映画がたくさんあるが、日本ももっとそうした面をクローズ・アップしてもいいのではなかろうか。
これまで頑張ってきた彼らから教わることは、言葉以上に尊いものがあるはずである。
彼らの弱さではなく、強さを訴えるような作品は、国内ではまだ少ないようだ。

刑務所での慰問で披露した『フォー・エヴァー・ヤング』。
中には涙しながら聴く者もいた。
ヤング@ハートに出会えた彼らなら、必ず更生するだろう。
ステージ曲、ジェームズ・ブラウンの『アイ・ガット・ユー(アイ・フィール・グッド)』や、コールドプレイの『フィックス・ユー』は、個人的にもジンときましたよ。
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