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Uターン ’97 アメリカ

2013-04-17 | ミステリー&サスペンス
ショーン・ペン版『大災難』といったらいいのか。
’87のそれは、まったくの喜劇で大いに笑わせてくれたが、本作品はというと、ブラック・ユーモアを所々にちりばめた悲劇、というよりも、“奇劇”というべきか。
いやしかし、これは意外にもスゴく面白かったのである。

出てくる連中は、とんでもないヤツらばかり。
借金まみれのボビー。
ぼったくり常習のあるイカレた修理工。
妻を殺してほしいとボビーに頼み込むダーティ野郎のジェイク。
ビッチなジェイクの妻グレース。
とてつもなくグレースにのめってしまった保安官。

主人公ボビーは、自身の愛車の故障により、砂漠地帯の田舎町で足止めをくらう。
そこがまたとんでもない、悪夢のような町であるということを彼はまだ知らなかった。

抜け出そうにも抜け出せない。
この町から出なければ、オレはどうにかなっちまう。
とにかくなにがなんでもここから出なければ・・・。

マフィアに返済しようとしていた金は、もうここにはない。
車の修理代に、150ドルも請求しやがった。
そんな金、どこにあるんだ!
妻に保険金5万ドルをかけているから、オレがやれば2万ドルよこすとジェイクは約束した。
グレースは、ヤツがベッドの床下に大金を隠しているのを知っているから、ヤツを殺せば金を山分けすると言っていた。
さて、オレはどうする・・・?
金がなきゃあ、動けない。
ここから出られない。
マフィアからも追われている。
ここにいれば殺(や)られる。
オレはこの町から出たいんだ。
ただ、それだけなんだよ!

次から次へと災難が、ボビーを待ち受ける。
運というものが、彼からすっかり消え失せてしまっている。
微かな望みもなく、始終、悲惨なのである。

とんと御無沙汰のビリー・ボブ扮する修理工はスゴかった。
ホント、彼はなんでも演っちゃうねえ(笑)。
かつて主役級のクレア・デインズやホアキン・フェニックスのカメオ出演にも驚いたが、リブ・タイラーの役なんて、こ、これだけ?