おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

007/ゴールドフィンガー

2023-12-15 05:36:54 | 映画
「007/ゴールドフィンガー」 1964年 イギリス


監督 ガイ・ハミルトン
出演 ショーン・コネリー ゲルト・フレーベ
   オナー・ブラックマン セク・リンダー
   シャーリー・イートン タニア・マレット
   バーナード・リー ロイス・マクスウェル
   デスモンド・リュウェリン ハロルド坂田

ストーリー
英国の金が密輸ルートで大量に国外に流出しているという情報を得て、ボンドはその犯人と目される億万長者のゴールドフィンガーとの対決を命令された。
ゴールドフィンガーのやるインチキトバクを見破ったボンドは、ジルなどの犠牲のおかげで彼に近づきになったが、用心棒オッドジョブに捕まった。
気がついたとき、ボンドはゴールドフィンガーの自家用機にいた。
彼はアメリカにある金に放射能爆弾を射ちこみ、使用不可能にしておいて自分の金を十倍の値で売りこもうという計画を実行に移しているのだ。
ボンドは見張り役がブロンドのプシーであったのを幸い、荒っぽい強烈な手管で彼女を味方にひきいれた。
実行の日、プシー指揮の飛行編隊が空から催眠薬を撒き、市全体を眠らせておいて金保管所の扉を焼き切り、ボンドは時限爆弾につながれて金庫におろされた。
この時、守備隊が突然立ち上がった。
プシーの密告で眠らされたふりをしていたのだ。
激烈な戦闘が展開された。
そのスキにゴールドフィンガーは米陸軍将校に化けてプシーの待機するヘリコプターで脱出した。
オッドジョブを倒し時限爆弾を解除し、危機を救ったボンドはアメリカ大統領の招待を受け特別機で向かう。
ところが搭乗員は全員が、密かに乗っていたゴールドフィンガーのために縛られ、ボンドも彼の握るピストルの前に立たされた。


寸評
007シリーズの第3作で、シリーズの3作目となると観客である我々も作品の雰囲気にも慣れ、作品の持つパターンにも馴染んできていて、この作品でさらに007シリーズを人気不動のものとした。
1962年に登場したジェームズ・ボンドだが、毎年1本公開されるようになり、当時はその公開を心待ちしたものだ。
監督がテレンス・ヤングからガイ・ハミルトンに代わっているが、ボンド役のショーン・コネリーは続投である。
6作目の「女王陛下の007」でボンド役はジョージ・レーゼンビーに代わったが、7作目は再びガイ・ハミルトンがメガホンを取りショーン・コネリーが復活している。
しかしボンドのイメージがつきすぎると言うことで、ショーン・コネリーはそれを最後にボンド役を降りた。
それでも長くボンドのイメージから逃れるのに苦労したショーン・コネリーだったと思う。
しかし、この頃のショーン・コネリーのボンドは脂がのり切っていて、ボンドのイメージを定着させたと思う。

再見すると、懐かしさを覚える作りではあるが主題歌にのって写されるタイトルバックは凝っていていい出来だ。
シャーリー・バッシーが歌う主題歌はパンチがあっていい。
それにもましていいのが、金箔を塗られた女性の体に写される映像とクレジットタイトルだ。
映画のタイトルをイメージさせる金箔女性の印象は強烈だった。
それがオープニング・クレジットとエンディング・クレジットに使われ、エンディングではボンドが「サンダーボール作戦」で帰ってくることが表示されている。
見終ってもそのタイトルバックの印象しか残らないような出来栄えである。

中身は今見ると粗削りだが、それが007シリーズだったのかもしれない。
カッコいい車としてアストンマーチンが登場し、数々の装備を備えているのが漫画的だが公開当時はその威力にワクワクさせられた。
防弾ガラスは勿論のこと、各国用の回転式可変ナンバープレート、ダッシュボードに格納されている追跡用発信機の受信機、並走車のタイヤをパンクさせる回転式の刃、後部からまき散らす煙幕やオイル、屋根の一部が開き助手席を上方に射出する装置など考え着くものは何でもありで、追跡劇ではそれらがふんだんに使用される。
金粉を体中に塗ると皮膚呼吸が出来なくなって死ぬという都市伝説もこの作品で生まれたのかもしれない。

ボンドは囚われの身になりながらも生かされるが、なぜ生かされたのかはよくわからないご都合主義である。
あれだけ大層な仕掛けをする余裕があるなら、内部で待ち伏せしてゴールドフィンガーの一味を捕らえればいいのではないかと思うが、それもご都合主義と言える。
バタバタと倒れる兵士たちの姿は漫画的だが、それでも当時は納得した。
ゲルト・フレーベのゴールドフィンガーはどこか愛嬌があり憎めない。
同様にハロルド坂田のオッドジョブが、ゴールドフィンガーをしのぐ存在感で、ブーメランの様なシルクハットがアストンマーチンよりも印象に残る。
ハロルド坂田はプロレスのテレビ中継の人気があったころ、悪役レスラーのトシ東郷として日本のマット上に現れたのは嬉しいことだった(当時はプロレスも人気がありゴールデン・タイムにテレビ中継されていた)。
とにかくこの作品は本編の内容よりも、僕にとってはそれに付随することが記憶に残っている映画だ。


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