おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

赫い髪の女

2022-01-25 08:52:01 | 映画
「赫い髪の女」 1979年 日本


監督 神代辰巳
出演 宮下順子 亜湖 石橋蓮司
   阿藤海 三谷昇 山口美也子
   絵沢萠子 山谷初男 石堂洋子
   庄司三郎 高橋明 佐藤了一

ストーリー
ある雨の日、光造(石橋蓮司)と会社の後輩の孝男(阿藤海)はドライブインの前でカップラーメンをすすっていた赫い髪の女(宮下順子)をトラックに乗せた。
光造は女を自分の部屋に入れ、女が生理なのもかまわずセックスを始めた。
女は4歳と3歳の男の子がいるが、ヤクザの夫から逃れてきたようだ。
そして、覚せい剤中毒の女友達が海に入って死んだ話をする。
光造の仕事は、会社から工事現場に派遣されて重機を運転することだが、雨の日は土方が休みなので彼も休み。
翌日さっそく雨で早く帰ってきた光造は女とのセックスにふける。
女は必要な品を買って部屋に居つき、光造とセックスを繰り返す。
三ヵ月ほど前、光造は孝男とともに、社長(高橋明)の娘で高校生の和子(亜湖)を廻してしまったが、先にやって彼女の処女を奪った孝男の方を和子は選び、孝男に弁当を作ってもってくるようになっていた。
和子は孝男に妊娠したことを告げ、駆け落ちを迫る。
駆け落ちすれば、市会議員のくせに娘に暴力をふるう父親から逃げることもできる。
雨が降る中、光造は女を姉夫婦(絵沢萠子、山谷初男)の家に連れていく。
呉服の行商をしている姉夫婦は女をどこかの販売会場で見かけたことがあると言うが、女はおびえた様子でそれを否定する。
光造は女に両足を男の肩に乗せる体位のセックスを仕込んだ夫の存在が気になっていた。
光造と女が姉夫婦の家へ行った日に二人がいっしょに歩いているのを見ていた孝男が、そのことについて作業現場で光造をからかい、二人は大げんかになる。
その仲直りの印のように、帰宅した光造は部屋を暗くして女をだまして、女の抗議を無視して孝男に女を抱かせる。
でも、外に出た光造はスナックに入って別の女とセックスをするが、それは虚しい試みだった。
部屋に帰った光造に女は、孝男と和子がその晩駆け落ちする話をする。
女は二人をうらやましいと言い、光造と赫い髪の女は再び体を重ねるのだった。


寸評
日活ロマンポルノ中期の傑作のひとつだ。
1時間少しの映画だが、その間描かれるのはひたすら二人の愛欲の日々だけといっていいぐらいである。
それなのに猥褻感がなくて、どんな事をしても、なにがあっても離れられなくなっていく二人が濃密に描かれている。
もう若くはない二人が、人生の停滞感を性愛によって抜け出そうと、もがいているように見える。
本来映画にはない匂いまで伝わってくるから不思議だ。
終始一貫あふれ出るエロスの中で、性愛の化身とも言うべき女を演じる宮下順子はやっぱりスゴイ!