ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

眠れない夜に

2023-11-25 10:35:49 | 日記
ゆうべは一向に眠くならなかった。アマゾンの動画サイトで(60年近く前の映画)「赤いハンカチ」(石原裕次郎主演)を見た。
だが、それでも眠くならなかった。
時計を見ると、11時15分。ならばと、TVerでリアルタイム配信の「きょうからヒットマン」(相葉雅紀主演)を見た。
見おわったとき、時刻は午前0時をまわっていた。だが、それでも眠くならない。


仕方なく、AliExpress のサイトを覗いてみた。11月11日の記念とかで、大々的な安売りセールが行われていた。11月11日は中国では「独身の日」である。この日はとっくに過ぎていたが、これに託(かこ)つけて大売り出しを、というのが、アリババ・グループの商法であるらしい。


不思議なもので、あれも安い、これも安いとなると、物欲が刺激されるのか、何かしら買ってみたくなる。とりあえず、ブルートゥース接続、バックライト付きのキーボードをホチッた。これと同種のキーボードは打鍵感が悪く、何度か「安物買い=銭失い」の轍を踏んでいるのだが、今回も2,000円とあまりにも安いので、これに釣られて「物は試し」と、ポチってしまった。


もう一つ、素晴らしいものを見つけた。10.1インチの android タブレットである。私はこの種のものを何枚も持っているが、このタブレットにはACジャックが付いている。


今どきACジャック付きは珍しいが、私の場合は、これがあると2.4G接続のキーボードが使えるので、非常に有難いのである。これが7,000円弱。Googleplayストアが使えるのか、性能はどうかなど、不明な点は多々あるが、ええい、ままよ、当たるも八卦だ、とポチってしまった。


注文の品が中国から届くまでには、約3週間。注文したら翌日に届くアマゾンとは大きな違いだが、届くまでのジリジリ感・ワクワク感が私は嫌いではない。


久々にガジェット・オタクの本領発揮である。またカミサンに嫌味を言われるのだろうなあ・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北朝鮮の「衛星」打ち上げに対して

2023-11-24 15:33:33 | 日記
北朝鮮がおととい22日、軍事偵察衛星のミサイルをぶっ放した。これが「成功した」という話がホントなら、これが「三度目の正直」になる。もし私が北朝鮮のシンパだったり、金正恩の崇拝者だったら、「おお、よくやった。おめでとう!」と感激の拍手を送っただろう。
これとは逆に、私が北朝鮮を敵視する立場にいたら、「なんだ、この野郎!」と、いいようのない反発を覚えたに違いない。


この反発心や対抗意識を言葉にすることは難しい。まして私が平和主義者だったり、公の立場で物申すとなれば、なおさらである。


11月23日に掲載された朝日新聞の社説「北朝鮮の『衛星』 軍事増強は座視できぬ」が、このことをよく物語っている。タイトルが示すように、朝日新聞は北朝鮮の「衛星」打ち上げに対して、対抗意識を露わにしている。


このことは本文を読めばさらにはっきりする。


A)「弾道ミサイル技術を使った発射自体が国連安全保障理事会決議への違反だ。地域の安定を脅かす行為を強く非難する。
偵察衛星は米韓などの軍事行動を監視するためのもので、北朝鮮は国防力強化の5カ年計画に基づいて開発を進めてきた。(中略)現時点での性能は明らかではないが、能力を向上させ、本格的な運用に至れば軍事的な脅威は大いに増す。北朝鮮が邁進(まいしん)する核・ミサイル開発とあいまって、朝鮮半島をめぐる緊張がさらに高まることが懸念される。

(朝日新聞11月23日)


いやはや、すごい鼻息ではないか。これではまるで防衛省の制服組幹部が息巻いているのと変わらない。北朝鮮の「衛星」打ち上げに危機感を露わにするこの朝日の論調は、「日本は北朝鮮に後れをとらないように、軍備を増強せよ!」と叫んでいるに等しい。


あれれ?朝日って、こんな「タカ派」の極右的な新聞だったっけ?「アカ新聞」とも揶揄されるこの新聞は、平和主義を売物にしていたんじゃないの?


朝日のシンパの読者諸君、でもご安心あれ。この社説でも、朝日はちゃんと次のように主張している。


B)「あらゆる手段で軍事力強化に突き進む北朝鮮にどう向き合うのか。日米韓は北朝鮮のミサイル情報の共有推進や合同訓練などで連携を強め、圧力をかけてきたが、『力対力』の対応だけでは限界があることは、これまでの経緯からも明らかだ。求められているのは、北朝鮮を対話の道に引き戻す戦略や努力だろう。
(同上)


軍事力強化に突き進む北朝鮮に対しては、「力対力」の対応をとるのではなく、外交による対話路線で応じるべきだ。ーーこの件(くだり)では、朝日ははっきりとそう主張している。


問題は、(A)の主張と(B)の主張とをどう関連付けるかである。水と油のように反発し合うこれら二つの主張を、朝日はどう「止揚( aufheben )」するのか。「正−反−合」の「合」の主張を見出すことは、(朝日でなくても)なかなか容易ではない。


あっさり「正」の方向へと舵を切った岸田政権に対して、ただ「反」の主張をぶつけるだけでは何の解決にもならない。朝日の社説は、この問題の難解な構造を明らかにした点で、有意義だと言えるだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大才でも小才でもなく

2023-11-23 10:26:23 | 日記
デイサでの空き時間に『ラ・ロシュフコー箴言集』を読んでいたら、こんな文言が目についた。


「142 少ない口数で多くを理解させるのが大才の特質なら、小才は逆に多弁を弄して何ひとつ語らない天分をそなえている。


この文章を読んだとき、私の脳裏に浮かんだのは、記者会見に臨むキシダくんの姿である。キシダ首相は菅前首相とは違い、流暢に、まるで立て板に水を流すように多弁を弄する。けれどもその弁舌は空疎で、記者の質問に何ひとつ答えていない。キシダくんが小才たる所以(ゆえん)である。


だが、そのキシダくんも最近、戦略を変えたのではないか。「多弁を弄する」戦略から、「少ない口数」の戦略へと方針を変えたのではないか。


そう思ったのは、「追求の矢、取り合わぬ首相 衆院予算委」とタイトルが振られた、朝日新聞の次の記事を読んだからである。以下、全文を引用すると長くなるので、(キシダくんの変貌を思わせる)該当部分だけを抜き書きすることにしよう。


21日に始まった衆院予算委員会は、支持率低迷にあえぐ岸田文雄首相に対し、野党側が攻勢を仕掛ける展開となった。首相は、自民党の5派閥の政治資金パーティーを巡る問題でも追及を受けたが、取り合わない姿勢が際立った。(中略)
だが、首相らは具体論についてことごとく説明を避けた。(中略)
だが、首相は(中略)詳細は語らず、聴取の有無については「総理の立場から申し上げることは控える」などと、首相の肩書を理由に言及を避けた。(中略)首相は具体的な答えを避け、「現状の法律を駆使して実態把握を行う」と従来の答弁を重ねた。

(朝日新聞11月22日)


以上のように要所を抜き書きをしてみるとよく分かるが、キシダくんはここでも何ひとつ答えようとしていない。これではまるで「少ない口数で、何ひとつ語らない」のと同じことである。これでは「小才」でも「中才」でもなく、ましてや「大才」でもなく、「愚才」としか言いようがないと思うのだが・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国家とは何か

2023-11-22 11:57:35 | 日記
私はNHKの夜ドラ「ミワさんになりすます」を毎朝、楽しみに見ている。放映が夜の10:45からと遅いので、ビデオ録画を翌朝に見ているのだ。
主演の松本穂香が実に好い。以前、朝ドラの「ひよっこ」でバイプレーヤーの彼女を見たとき、「これは化けるな」と思ったが、予想した通りだった。


きょうはデイサ通いも訪看さんの来宅もないので、ゆっくり「ミワさん」が見られるはずだった。私は朝食後、自室に戻ってテレビをつけ、録画の「再生」ボタンを押した。


ところがである。「ミワさん」が始まってすぐ、画面は「Jアラート」の警報画面に切りかわった。北朝鮮がミサイルをぶっ放したのだという。
「すみやかに頑丈な建物の中に移動してください」
あとはこの文句が延々と繰り返されるばかり。私はうんざりして、テレビのスイッチを切った。ああ、きょうは久々にゆっくり楽しめる日だったのに・・・。


Jアラートか。余計なおせっかいだ。そう思いながら、私は「そもそも国家とは何なのだろう」と考えた。私の脳裏に浮かんだのは、こんなニュースである。


太平洋戦争中の空襲などによる被害者を救済する法案の成立を目指し、被害者などでつくる団体が賛同する人の署名を集める活動を19日から始めました。
戦時中、空襲や地上戦に巻き込まれた民間人の戦争被害者は、軍人や軍属と違って国による補償の対象にならず、
(中略)
東京大空襲で両親と妹を亡くし、3歳で孤児になった吉田由美子共同代表(82)は『私たちにはもう時間がありません。すでに補償されていると誤解されている方もいますが、実際には何もないのです。少しでも国会や一般の方に理解が広がってほしいです』と述べました。

(NHK NEWS WEB 10月19日配信)


このニュースを聞いたとき、私の脳裏をよぎったのは、憲法の条文だった。日本国憲法は、その第13条で次のように謳っている。


「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」


この条文を踏まえ、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を保障するのが、国家の使命だと言えるだろう。
しかし、戦争の被害者に対して、国家がその補償を行わないとは、一体どういう了見なのだろう。


たしかに軍人や軍属の場合は、死亡すれば遺族に対して(遺族年金の形で)その補償が行われる。だが、それ以外の民間人の場合は、それに該当する補償が行われていないというのである。


国家の側の言い分も解らないではない。軍人や軍属は、国家の命令によって戦場に赴き、国家のために敵と戦って死亡したり、負傷した人たちである。そういう人たちに対してなら、国家はその艱難に対して補償をする責任がある。
しかし民間人の場合は、敵の空襲によって死亡したり、負傷したりしても、その災難は国家とは関係がなく、したがって国家はそれに対して責任を負わない、云々。


しかし、しかしである。強大な米国と無謀な戦争を始めて、民間人の国民が日常生活の場で空襲を受けるような状況を招いたのは、国家ではないのか。国家にはやはりその補償をする責任があるのではないか。


昨夜、北朝鮮がミサイルを発射した話に戻るが、ミサイルの落下可能性があるのは、沖縄周辺だという。
にもかかわらず、その可能性が全くない関東地方や東北・北海道地方まで、「Jアラート」の警戒警報を垂れ流し続けるほどのご親切、おせっかいな我が日本国である。
戦時補償のあり方についても、お粗末な現状をもっと改善する努力をしてもいいと思うのだが・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信なくば立たず

2023-11-21 10:42:37 | 日記
ははあ、アレだな・・・。朝日新聞が行った直近の世論調査では、岸田内閣の支持率が25%まで落ちたという。「きっとアレが原因に違いない」。そう思いながら記事本文を読むと、記者の分析の一つ一つが私の見立てと符合する。


支持の底が抜けたのか――。岸田文雄内閣の支持率が、2012年末に自民党が政権に返り咲いてから最低の25%にまで下落した。首相が繰り出す政権浮揚策は空回り
(朝日新聞11月21日)


内閣支持率をキープするはずの「樽の栓」が抜けたという。この「」とは、一言でいえば「信頼」のことにほかならない。私はそう思ったのだ。政治がいったん信頼を失えば、朝日の見出しがいうように「首相離れ、何をやっても(無駄だ)」ということになる。


数字がこのことをはっきり示している。
これまでの岸田首相の仕事ぶりを見て、首相を『信頼できる』と答えた人は26%(前回調査時は30%)にとどまり、『信頼できない』は67%(同62%)にのぼった。
(同上)


仮に、である。もし仮に、岸田首相が国民のために良かれと思い、減税策なり、現金給付策なりを打ち出したとしよう。それでも(首相への信頼をなくした)国民は、「俺たち/あたしたちの生活が楽になるように、俺たち/あたしたちのためにやってくれたんだ」とは思わず、「どうせ自分たちの人気取りのためでしょ」、「どうせ政権浮揚のためでしょ」ということになる。


政権浮揚策も空回りした。首相が切り札として打ち出した所得減税や現金給付を『評価しない』は68%で『評価する』(28%)を大きく上回った。減税などは国民の生活を考えたのか、それとも政権の人気取りかを問うと、人気取りとの答えが76%に達した。
(同上)


こういう無様な状況を前にすれば、政権の側にしても、国民の側にしても、問わざるを得ないのは「岸田政権がかくも不人気なのはなぜか」、「岸田政権が国民の信頼を失ったのはなぜか」である。


だが、その答えが分かれば苦労はしない。不人気の原因、信頼喪失の原因が分かれば、その原因を取り除けばいい。しかしその原因は「積年の不徳の致すところ」としか言いようがない。「積年の不徳」は一朝一夕には取り除くことができないのだ。


こうした状況にもかかわらず、自民党内には「露骨な『岸田おろし』の動きはない」と記事はいう。「衆目が一致する『ポスト岸田』候補の不在も大きい」と見るのである。


かくなる上は、これまで長年政権与党だった自民党は、いったん野に下り、生まれ変わってもう一度、一から始めなければならないのではないか。


「信なくば立たず」。これは何も政治だけでなく、人間のあり方全般についても言えるのではないだろうか。


キシダくんよ、分かっちゃいるけどやめられない、ってか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする