趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

お互い様

2009年01月21日 | テレビ
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
“いい人生やった” その一言のために 

~診療所医師・中村伸一~
の回の録画を観ました。

とてもとても心に沁みました。
中村さんは、福井県の小さな山村の唯一人のお医者さんです。
一人で地域医療に挑み、
あらゆる病気や怪我や症例に立ち向かっておられるのです。
お年寄りの多いこの地で
在宅医療を支える柱となり、その稀なる実践に
全国から注目を集めているそうです。

優しく穏やかな風貌とは別の顔が
スタジオでのインタビューに答えながら浮かびます。
内に秘めた思いの強さ、熱さが
質問に対する答えの言葉を捜しながら
その瞳から窺えるのです。

目指していた外科医としての腕を磨くため
大学病院に戻ろうかと考えていた時に
まさに運命の言葉と出会うのです。

「お互い様じゃないですか」
くも膜下出血を見抜けず、救急搬送するはめになった患者に対し
申し訳なかったと謝った中村医師に
患者の60代の女性からかけられた言葉だそうです。

当然責められるだろうと思っていたのだそうです。
訴訟になるかな、と覚悟していたと。
それが、「先生だって時間外に突然呼び出されたりして、そんなんお互い様ですよ」
と言われたのだそうです。

この一言が深く胸に刻まれ
中村医師は、この地にとどまることを決め
地域医療の勉強を猛然と始めたのだそうです。

「家で死にたい」というお年寄りの気持ちが心に響きます。
寝たきりの老夫をこれまた腰の大きく曲がった老妻が
毎日毎日世話を続けています。
「おとうさんに一日でも長くここで生きていて欲しい」
「こんなん言うのおかしいですか」と
はにかんでお話された老妻の笑顔がとてもステキでした。

私もこんな風に家で看取られたいな、と思いました。。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿