趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

自分の言葉

2014年03月20日 | つぶやき
朝井リョウさんの『何者』を読んでいるときに思い出したことがあるのです。

物語の中に、ツイッターやSNSが登場するのですが、
そこにどいう言葉、文章を発信するのかが結構重要なポイントなのです。
面と向かって話す言葉も、もちろんそうなのですが、
書いていく、打ち込んでいく言葉や文章は、ある意味その人をあぶり出しているような、
リアルな怖さがあると思ったのです。

思い出した事というのは、ずっと以前、面白いブログはないかな、と探していた頃の事です。

人気を集めているブログであっても、読んでいるとだんだん気が滅入ってきたり、
お気に入りに入れても、すぐに読まなくなってしまったものが案外多くて、
ずっと長く読み続けているものは、本当に限られたものになってしまいました。

文章の好みやリズムが合うとかも、大事なことですが、
何より、書き手の気持ちや言葉が、胸に届いてくるかが、
大きな分かれ目なのかもしれないと思いました。

モノやヒトへの非難や批判は、胸に突き刺さるようで息苦しくなってしまうし、
強い言葉、何かをまっとった言葉などその言葉を選ぶ人の気持ちが、
鋭い矢のように飛んでくるのかもしれません。

朝井さんの本を読みながら、仮に強い言葉ではなくても、
普段何気なく発している言葉の中に、その人自身が丸ごと発信される怖さを思いました。

そしてそれは、ネットの世界にとどまりませんよね。
普段口にしている言葉だって、時に、石のつぶてになり得るし、
言葉にしていなくても、思っている事柄や感情が、
いかにその人を言い表しているのかを考えてしまいました。

浮かんだ言葉の中に、自分自身の欠片が散らばっている・・・。
拾い集めたら、自分に向き合えるのかな。。