信じる。
2014年03月13日 | 本
吉田修一さんの新刊『怒り』は、読み終わって日が経つにつれて
あれこれ考える事が多いです。
一番最初に思ったのが、題名の‘怒り’について。
何故この題名にしたのかな。
いったい誰の何の怒りを表しているのだろう・・・。
物語を終わらせるのが、一つの‘怒り’なのですが、
この怒りは、本当に切ないのです。
本作は、この‘怒り’というよりも、
‘信じる’ということを問いかけてきたように思うのです。
家族など、身近な人に対して疑念を持つ・・・。
ひとたび湧いた疑念は、なかなか打ち消すことはできない。
そして、それは何らかの形で解消されなければ、
どんどんどんどんふくれあがって、もう後戻りできなくなる・・・。
心のうちに何度も繰り返す、「信じているから」。
でもその信じるということの、なんとあいまいなことか。
根拠や説得力の無さ、もろく崩れる様に、誰もが共感すると思うのです。
そして、その疑念の正体は自分自身にあるのですね。
そのことを娘の幸せを願う父親から教えられました。
幸せを願いながら、幸せになることを信じていないという矛盾。
何とも言えない人間の心の闇の深さが、胸に迫りました。
やはり、残虐な殺人を犯した人間とは一線を画したいという気持ちがあるのです。
どんなに普通を装っていたとしても、それは違う、と。
たぶん、そんなあいまいな自信を試される、
三人の前歴不詳の人間たちだったのかもしれないと思いました。。
あれこれ考える事が多いです。
一番最初に思ったのが、題名の‘怒り’について。
何故この題名にしたのかな。
いったい誰の何の怒りを表しているのだろう・・・。
物語を終わらせるのが、一つの‘怒り’なのですが、
この怒りは、本当に切ないのです。
本作は、この‘怒り’というよりも、
‘信じる’ということを問いかけてきたように思うのです。
家族など、身近な人に対して疑念を持つ・・・。
ひとたび湧いた疑念は、なかなか打ち消すことはできない。
そして、それは何らかの形で解消されなければ、
どんどんどんどんふくれあがって、もう後戻りできなくなる・・・。
心のうちに何度も繰り返す、「信じているから」。
でもその信じるということの、なんとあいまいなことか。
根拠や説得力の無さ、もろく崩れる様に、誰もが共感すると思うのです。
そして、その疑念の正体は自分自身にあるのですね。
そのことを娘の幸せを願う父親から教えられました。
幸せを願いながら、幸せになることを信じていないという矛盾。
何とも言えない人間の心の闇の深さが、胸に迫りました。
やはり、残虐な殺人を犯した人間とは一線を画したいという気持ちがあるのです。
どんなに普通を装っていたとしても、それは違う、と。
たぶん、そんなあいまいな自信を試される、
三人の前歴不詳の人間たちだったのかもしれないと思いました。。