昨年から読み続けていた浅田次郎の「中原の虹」。
完璧に挫折しています。Kindle版なのでいつでも読みたいときに続きが読める。
「蒼穹の昴」の続編のような歴史小説で、ぜひ読まねばと思いましたが、続きませんでした。
少し違ったジャンルの本が読みたくなったのと、図書館予約本が届いたことが浮気の原因です。
「そしてバトンは渡された」これは既にブログで紹介済み。→読書備忘録
次に読んだのが内館牧子さんの「すぐ死ぬんだから」。一時かなり話題になった小説です。
78歳の忍ハナはナチュラルという手抜きのずぼらが大嫌いな女性。
といっても彼女がおしゃれに目覚めたのは60代。
歳相応にみられることにあがない、若く溌溂と生きていくことを目指す女性。
その妻を美しいと愛してやまない夫。が、その夫に先立たれ、後にはおもいがけない夫の秘密・・・。
高齢者をやや見下した上から目線の書き方に少々反発も感じたけれど、
その通りと思う部分も多く、わが身を反省と納得に導き、くすっと笑いながら読める本。
いろいろ事件を起きるけれど、最後は丸く収まり、笑いと感動と涙の入りまじった内館ワールドでした。
「羊は安らかに草を食み」宇佐美まこと著
お初の作家です。今年に入って日経の書籍紹介欄で知りました。図書館本です。
奇しくもこの小説にも「私たちは、後は死ぬだけ」というフレーズが出てきます。
どうも最近の私は「終末を迎えようとしている女性」主人公の本ばかり読んでいるような
認知症を患い、日ごと記憶を失っていく老女まあさんの86年の人生をたどる旅に、
俳句仲間の同世代の2人の女性が誘い出します。
旅をする現在と、まあさんの過酷な満州時代の逃避行とが交互に描かれていきます。
凄惨な終戦直後の満州からの引揚者の話に
数年前に読んだ藤原ていさんの、「流れ星は生きている」を思い出しました。
次第に認知症のまあさんの「秘密の絆」が解けていくのですが、そこまでは良かった。
しかし、最後のストーリーの展開にはあっと驚かされるものがありました。
そして宇佐美まことさんが実は推理作家であるということに気づかされました。
読み進みながら不穏な空気になってきたストーリーに、
正直、もっと別の終わり方があったのでは思わざるをえませんでした。
私のかなり独断と偏見的な見方で、申し訳ありません。
令和3年1月20日、初版発行の新しい本です。
これからあらゆる文学賞にノミネートされるかもしれないと思える印象に残る本でした。
コメント欄は閉じております。
ランキングにも参加しております。
足跡代わりに左下のバーナーをクリックしてい頂けると嬉しいです。