世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

学者の世界

2017年01月24日 | 読書&映画

随分大げさなタイトルになってしまったが、読書の話です。

月に2冊本を読むという課題を念頭に課した。

今年に入って今3冊目が進行形だが、その本の話は後ですることにして、

1冊目は読後感をブログにも載せた「仮面病棟」(知念実布人著)。

はっきり言ってこれは面白くなかった。(感想はひとそれぞれでしょうが)

2冊目に読んだのが友達のお薦めで、「喜嶋先生の静かな世界」(森博嗣著)

この作品は大学で研究者を目指す男性が主人公で、それを取り巻く人間像や研究室の様子が描かれている。

著者森博嗣本人の自伝的小説と言われている。

大学、特に修士課程の大学院、そして博士課程、私たちの知らない学問の世界の内部事情が興味深い。

学者を志す人間の飽くなき研究への情熱と純粋さが言葉の端々、行動のすべてに現れ、

なんという崇高な本だろうと思った。

タイトルは「静かな世界」、何が静かかというと、特にあらすじはないのだけれど、

読んでい静かな穏やかな気持ちになれる本だった。

以前読んだ小川洋子さんの「博士の愛した数式」に通ずるものがあると思った。

物語としてはやや単調だが、最後の終わり方が衝撃的でショックだった。

理工系を目指す高校生にぜひ読んでもらいたい本だ。


個人的なことで恐縮だが、私の身内にも博士号を取得して研究に勤しんでいるものがいる。

この本を読んでいて、彼らがとても偉大に見えてきて、ちょっと見直した。

義母、叔母としてとても誇らしく思う。


そして続いて急に読みたくなったのがあの小保方晴子さんの「あの日」。

前半は彼女の研究への情熱が語られている。とても優秀な方で、将来を嘱望されていた。

論文捏造事件で学者の道も、生きる道さえも閉ざされたような彼女が、

とても気の毒になり、もったいない人材を失ったと、私はとても残念に思う。

まだ読了していないので何とも言えないが、決して恣意的なものではなかったと信じたい。

いろいろな行き違い、思い違い、若いが故の彼女の未熟さもあったのだろう。

彼女にすべての責任があるように報道されていたが、この本に書いてあることが事実なら、

理研の上層部、彼女を指導した先生方、すべてが責を負うべきだと思う。

マスコミ、メディアの取材攻撃も凄まじく、正常な精神、思考力ではいられなかったゆえ、

弁解も説明もその後の検証実験も不十分、研究者同士の嫉妬も渦巻き、

自ら命を絶つ犠牲者まで出てしまう悲しい事態となった。



今彼女はどうしているのだろう。

ぜひ立ち直って新しい人生の再スタートを切ってほしい。陰ながら応援している。

科学の世界は全くわからない私、勝手な彼女の援護を読み流しください


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コメント (11)
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