YUKI

言語、言語で表現できることすべて

Debate は万能薬にあらず

2007-07-07 14:01:28 | Weblog
研修の最終兵器?として debate をすることがあるようです。
しかし、問題点が3つあります。
①外国人=debate が出来る とは、限らない!
②debate の教育効果は 諸刃の剣 
 更に!効果そのものが、さほど高くはない!
③きっちりと指導できる日本人指導者が極端に少ない!

ディベートは、特別な訓練なしには出来ない特殊技能なのです。
まぁ 技能=誰にも習得可能なもの なので
人格形成とは直接の関係もないのですねぇ。

教育効果を考えて ディベートから、ロール・プレイイングの一種
mock UN → 擬似国連 に、移行している例もあります。
それぞれが、割り当てられた国の利益を代表して擬似国連に参加するのです。
教育効果満点なんですが、知ってる人は知っているって程度なのかなぁ…

更に残念なのことにディベートそのものが、よく知られていません。
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ここで問題です。「Debete と Discussion の違いを述べよ。」
解答例:
説得する相手が違います。
ディベートは、中立の第三者であるジャッジを説得します。
相手の立場(肯定・否定)は、役割に過ぎません。
一方、ディスカッションは、相手を説得することが目的ですねぇ。

また、ディベートには一定のルールと形式があります。
発言の順序、制限時間などです。
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最低限、こんなもんかなぁ。

ディベートにも色々あり、
競技ディベートと教育ディベートに大別できるでしょう。
アメリカでは、事前に「お題」を知らせるタイプが主流のようですが
イギリスでは、その場で「お題」を知らせるタイプが主流ですね。
パーラメンタリィ・ディベートです。

ディベートで最も大事な技能は、2つあります。
議論と議論がcrash するためには当然なんですが…
①「お題」から外れたことを言わない、「論理」の持続力
②相手の発言要旨を、限られた時間内にメモする能力

中立の第三者に最もアピールするのは、首尾一貫した論理性です。
ですから、
自分の立場を支えるバック・グラウンドとしての「哲学」を持ち
常に「具体的な事例を挙げて」アピールすることですなぁ。

要約できる=理解している ということです。
一言でいえないなら、本当には理解していない証拠です。
そういう意味で wording も essential でございます。

以前、高校・大学とディベートの訓練を受けたカナダ女性と
英語でマイクロ・ディベートをしたときに 見事!勝利しましたが
「wording に関して、私より上だ」というコメントを
ご本人からいただきますたょ。(自画自賛www)

競技ディベートはともかく、
教育ディベートができるかどうかで英語指導者としての能力を
問うことは可能ですが…
果たして日本に何人いるんでしょうね、きっちりディベート指導できる人が…

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