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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

「気仙茶の会」で手もみ茶(北限の茶)に挑戦

2013年06月19日 | 地域交流

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「気仙茶の会」は、北限の茶である気仙地域の茶を守り、育て、次世代に伝えて行くことを目的に、昨年の7月に設立し、つむぎの家も会員になっています。

気仙茶は、江戸時代から気仙地域で育まれてきたお茶で、これまで陸前高田市内で約80戸の生産農家が細々と茶づくりを続けてきましたが、近年、担い手の高齢化等により、茶摘みをする家も減り、生産量は減少の一途をたどっていました。そこで、気仙茶に興味・関心を持つ多様な方が集い、情報交換をしながら、気仙茶の振興をしていこうと活動をスタートしました(会員は気仙地域に留まらず岩手県内や静岡県、京都府や兵庫県など多岐にわたってます)。

今回の例会は、昔ながらの製茶道具が残っている、ここ「つむぎの家」に集い、手もみ茶作りに挑戦することになりました。

そこで、長年手もみ茶作りをしてきたという大船渡市日頃市町に住む、平山ご夫妻(伊志雄さん85歳・道子さん82歳)をお招きして、その指導の下に、手もみ茶作りに取り組みました。

昨日は、あいにくの雨模様でしたが、会員である龍谷大学(京都)の伊達先生と学生4人(気仙茶の復興支援と製茶を通じた支援による経済研究)がまず来家し、雨の中、一番茶の茶摘みをしてくれました。

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さて、これからが気仙地方で行われてきた「手もみ茶」の作り方です。

まず、平山道子さんの指導のもと、摘んできた茶葉を新聞紙の上に広げ、雨水を吸いとったあと、蒸す作業に入ります。


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十分に蒸気の上がったセイロに茶葉を入れ、約30~40秒蒸し、青臭さが消え、茶の香りが出てきたところで下ろします。

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次に、蒸しあがった茶葉を、揉み板(縄を板に巻きこんだもの)でもみ込みます。ここは、平山伊志雄さんの出番です。

熱い茶葉を、揉み板の上で「なでるように」丁寧に揉んでいます。

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次に助炭(ブリキ板で作ったものに紙を敷いたもの)に移し、加熱・乾燥しながら、さらに揉み板の上でもんでいきます。

平山氏の指導を受けながら気仙茶の会員が、手もみ茶に挑戦しています。

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龍谷大学の学生たちも、おしゃべりを楽しみながら笑顔で頑張っています。

小一時間ほど揉むと、水分が蒸発し、茶葉が細く丸まってきてお茶の香りがただよってきます。

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今度は、土風炉(どぶろ)の助炭(床が和紙の物)に移し、ある程度粘りが出て、縮れてきた茶葉を手のひらの中で転がしながら乾燥させます。

手もみ茶づくりの作業を始めて2時間弱、まだ完成品ではありませんが、早速試飲してみることにしました。

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事務局長の前田さんが、心をこめて、お茶を入れています。

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平山ご夫妻はじめ、菊池会長ご夫妻が囲炉裏を囲んで味見です。県内のテレビ局、新聞社の方々のカメラのライトに照らされて、やや緊張しながらの試飲でしたが、そんな気配りも忘れるほどの美味しさでした。

25年ぶりで茶の手作りを再現した平山夫妻は、「うん!80点ぐらいかな」との弁。

その後、会員も含め参加者全員が試飲しました。味、香り共に、いい具合の仕上がりでした。

これまで、地域の方々に聞きながら挑戦してきたつむぎの家での手もみ茶の中では、最も良い出来栄え、渋みも旨味もとてもいい味でした。

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作業を始めて約3時間弱の手もみ茶。

最終仕上げは、余熱を利用して乾燥させるために、この後一晩、助炭の上に置き、翌朝に完成と言うことです。

気仙茶の会の参加者、約20人がつむぎの家に集い、昔ながらの道具を使って、気仙地方の茶葉の手もみ作業を学ぶことが出来た例会でした。

これを機に、かつては各家庭で作られ親しまれてきた北限の気仙茶の良さを見直し、次世代へと伝え、つないでいきたいと思いました。