大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ヒメベッコウ(狩りバチ)

2012年07月01日 | 昆虫

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林道を歩いていると、長径4㎝ほどの葉裏についた茶色の物体が目に入り、よく見ると泥で作った巣のようでした。

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失敬して葉を裏返してみると、出入り口と思われる3㎜ほどの穴があいていました。ヒメベッコウの巣のようです。

ヒメベッコウは8~10㎜ほどの小さなベッコウバチ科のハチです。

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古巣かどうか興味があり、葉から離して巣を裏返して見ると、10室のお部屋があり、仕切られた各部屋には卵と昆虫らしきものが入っていました。

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ベッコウバチが、クモを狩る様子はこれまでにも何度か目にしましたが、泥で仕切りをつくり、幼虫のために一匹のクモを用意する狩りバチの巣を見るのは初めてでした。

ヒメベッコウは幼虫の餌にするクモを捕まえると、麻酔をかけ、足を切断するそうで、巣の中にいた虫がクモであるかを確認するのに足の数を数えるとやはり8本はありませんでした。クモに刺激を与えるとかすかに足が動き、生きていました。クモを殺すのではなく体だけ麻痺させるという技には驚きです。

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私的好奇心で巣を壊してしまい心痛みますが、今度、ヒメベッコウの巣に出会ったら、観察記録を発信したいと思います。

ヒメベッコウは、幼虫のために餌としてクモを狩り、麻酔をかけて仮死状態にしたそのクモの上に卵を産み、卵から孵ったヒメベッコウの幼虫は新鮮なクモを食べて大きくなるとは、不思議の国に引き込まれたような昆虫の世界です。