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ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

「総合学習」の着目点

2014-08-22 07:44:29 | Weblog

「着目する点」8月18日
 『地域の未来 総合学習で理解』という見出しの記事が掲載されました。江東区立八名川小学校の持続発展学習(ESD)の実践について報じる記事です。その中に、ぜひ着目してほしい記述がありました。
 『何人かの児童の発表を聞いた後、講師が授業を先に進めようとしたところで、傍らで見守っていた手島校長が「待った」をかけた。ここがこの授業の最大のポイントだったからだ~(中略)~簡単に教え込んでしまっては、子供が理解し、納得する時間を奪ってしまう』という部分です。
 「総合的な学習の時間」は、従来の教科とは異なる新しい発想の下に行われる自主的自発的な学習です。このことを表面的に浅くしか理解していない人は、従来型の授業における教員の指導力は役に立たないかのような議論をしがちですが、そうではないのです。
 どのような形の授業であれ、事前の教材研究で子供がつまずいたり、こだわりを感じたりしやすい点を予想し、授業中の子供の表情や視線、つぶやきなどから子供の内面を把握して、再質問、補足説明、新しい資料の提示、新たな体験の提供など適切な支援を行うことが出来る能力が教員に求められているのです。
 今回紹介されている授業では、企業に勤務する「知の専門家」が講師を務めています。その専門知識は、手島校長を大きく上回っていることでしょう。しかし、それだけではより良い学びは生まれないのです。子供と授業を知り尽くした手島氏という熟練の「授業の専門家」が存在してこそ、真の学びが生まれたのです。
 今回の記事のような新しい試みを報じる場合、どうしてもその新しさに目が向いてしまいがちですが、伝統的な指導力の上に新しい試みが成り立っているという視点で報じ、また記事を読むという姿勢を忘れてほしくありません。

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