ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

25年前のペリーの顔

2012-07-14 07:51:45 | Weblog
「25年前の実践」7月10日
 専門編集委員の玉木研二氏が、『ペリーの百面相』という標題でコラムを書かれていました。神奈川県立歴史博物館で開催中の「ペリーの顔・貌・カオ」というテーマの特別展についての内容です。
 その中で玉木氏は、『鼻がてんぐのように伸びた鬼の形相に変じたものもあれば、役者や力士のような柔和な大人風のものもある。歌舞伎や人形浄瑠璃の登場者、果ては古代中国の武将関羽のごときペリーもいる。立場の違い、願望や恐怖心、好奇心の度合いがそこに左右しているのだろう』と書いていらっしゃいます。
 実は、この幕末に来日した米国のペリー総督の顔を主たる教材にした社会科授業の実践があります。私が初めて目にしたのは現在はO区で校長をしているM教員の授業のときでした。およそ25年ほど前になると思います。M教員はその実践を冊子にまとめ多くの社会科実践家に配っていましたので、同じような実践は、あちこちの学校で行われるようになりました。
 玉木氏が述べているように、ペリーという同一人物がまったく異なる様々な顔にに描かれている理由を考え、幕末から明治維新に至る我が国の世情を追究するという実践で、子供たちの意欲を刺激する優れた教材でした。
 柔軟な頭をもつ子供たちは、鬼のような顔の絵1枚からでも、「外国人を怖がっていた」「外国人は恐ろしいということを強調し、外国人をやっつけるなどという無謀な意見を封じようとした」「変わった絵の方が売れると思った知恵者がいた」「戦国時代にはメガネをかけた外国人を目が4つある、と思った人がいたというくらいだから、不思議ではない」など、教員が予想した以上の「考え」を語ってくれたものでした。
 以前も書いたことですが、我が国の歴史の授業は、暗記一辺倒の退屈なものではありませんでした。詰め込み教育=暗記するだけ=歴史教育という思い込みはいつになったらなくなるのでしょうか。

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