浜野巌治


博多湾の浜辺に住む頑固ジジイです。

「お席をどうぞ」

2011年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

数日前、帰路のバスは混んでいた。

奥の方に私が進むと、突然、中年の男性が「席をかわりましょう!」と声をかけてくれた。とっさのことで「イヤー、いいですよ」と笑ってお断りした。

まもなく、またバスの乗客の流れがあって私は前の方に動いた。そのとき、「どうぞ、おかけください!」と中年の女性が立ちあがって私に目線で「お座りなさい!」と相図。

「どうも、ありがとうございます!(内心、女性に席は譲るが、女性に席を代わってもらっていいのかなあ?・・・)、今度はおとなしく言葉に甘えた。

バスで席を譲ることはあっても、席を譲られたのは経験がなかった。はじめてと言っていい。(俺はくたびれた表情をしていたのかなあ?足を引きずっていたのかなあ(右足首を骨折したあと、少し右脚でバランスをとるのが難しい)?帰宅してつれあいに聞く。「俺はくたびれたように見えるか?」、「そんなことはないけど…」

かくかくしかじか、席を譲られ、少しショックだったと話したが、「私はまだ、経験はないわ」

否応なく日はめぐり、飯を食い、眠り、年齢を重ねる。

けさは霧雨、愛宕神社も見えない。

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