ドルを基軸とする資本主義体制は
俗にIMF体制
と呼ばれることもあるほど
相互に密接不可分な関係の上に成り立っている
この枠組みが
戦後67年という時を経て
国際市場に
著しいドル余り現象
を生み出していただけでなく
与信の成立を前提とする
マネーゲームを誕生させたことによる
裏付けをもたない
根拠のない漠然とした価値の総体を
徒に膨張させながら
経済情勢を
きわめて剣呑な状態へと導いてきた
金融危機とは
とりもなおさず
ドルに依存する金融と経済の
それぞれのシステムが
撚り合わされたことによって
現実化させてきたその結果
利が利を生む
というこれまでの資本主義
を前提としたグローバルな経済システムは
ドルの需要を必要以上に拡大させ
ドル余り現象を起源とする
さまざまな不具合を
先進諸国の市場に於いて
率先して派生させるようになっている
アメリカではサブプライムローンのデフォルトが
2008年秋に起きており
日本では40年以上にわたって
理解を超えた円高が
延々と続くような事態になっている
EUではその後債務ショックが起き
異なった国家ごとに成立していた財務体質の不統一が
信用不安を一層募らせるようにまでなっている
中国ではドル安政策の途中経過として
元売りドル買いをドル資本が
中国政府に推し進めさせたことにより
外貨準備高を僅か三年で
それまで世界一だった日本のそれを追い抜き
二倍の差をつけるほどまでに増やしていた
使い道の限られているドルを買わされた中国では
米国債を買って敵に塩を贈るより
軍事力を増強させるための支出を
より篤くするほうがよい
という認識を高め
その結果
米軍を擁するアメリカの負担が増す
という鼬ごっこのゲーム
が始まるようになったのだった
過剰流動性がドルに備わるようになったのは
実体経済の枠を超越して
信用で行うさまざまな取引が
世界中で拡大するようになってから後のこと
それまでは価値の基準となる金の絶対量を大きく超えて
取引が成立するようなことはなかった
ドルの通貨価値を補償するものが
金から石油へと変わっていったことから
資本は物理的制約から解放されることとなり
裏付けが希薄化した分を
相互間の信用を前提とするようなものへと変化させた
この経過が資本の遊戯
つまり
マネーゲームというものを
世界中の市場で育み
独自の市場を
ドル資本が構築することを許す経過を生み出した
金の絶対量
という重い桎梏から解放されて
自由の身となったドルを基軸とする国際経済は
その後
急速に拡大するようなものとなり
アメリカの株式市場では
平均株価が二倍の一万ドルへと
ほぼ一瞬で膨張するが如き経過さえ
生み出していたのだった
現在の米国の株式市場にみられる高値水準は
この時から持続して維持されるようになったもの
ドル余り現象の一部が
アメリカの国内市場へと
意図的に還流するようなものになってから
既に多くの時が流れた
国際経済はドルの市場への浸透を強めていったことで
基礎的な資本力を
信用が膨らませたその分だけ
より多く身につけることができるようになったのだった
だが
ドルを供給した側の代表であるドル資本は
国際金融資本へと変身を遂げていた
ドルの供給者が獲得した外貨を
ローカル市場で
効率よく運用することを可能にし
収益と元本とを
四半期ごとに回収する仕組みを整え
本国にいる投資家へと
利益を速やかに還元する目的で
利を生む市場であったものを
率先して枯らす行為を急いだことが
世界中を貧困化させ
石油消費国すべての政府税収を著しく阻害して
国債依存度を高めさせるという経過を
産み落とす原因になっていた
ローカル市場で再投資へと回される
と思われていた資本資源は
ドルへと戻されたその段階で
流動性の厚みをローカル市場から消し去るだけとなる
金の回らなくなった市場は衰弱する循環へと陥り
やがて枯れてやつれてしまうのだ
ドル資本が上陸したすべての国を
貧困へと陥れていたそのメカニズムの起源は
ここにあったのだった
石油を買った国は
ドル資本に自国通貨を売って
必要なドルを手に入れる
ドルがなければ
地下資源を輸入することはできない
産業は廃れ
国民は所得水準の低下に悩み
基底状態の貧困生活に喘ぐのみとなる
エネルギー消費国が
ドルの価値を必要以上に高める
最大の原因になっていた
アメリカの輸出産業は
高くなり続けるドルの影響で
輸出競争力を大きく殺がれる
という巡り合わせへと陥った
この状況を打破するために
ドル安政策をとることが
求められるようになったのだった
石油消費国の需要を満たすために
アメリカはドルの供給を緩め
市場に大量のドルを浸透させなければならなかった
この経過が主要国にドルを一時的に買わせるよう仕向け
基軸通貨の需要の底上げを促すように作用した
過剰流動性と呼ばれる基軸通貨であるドルは
その通貨価値を自ら毀損する安売りをすることによって
望まないインフレを勝手に引き寄せる
これを避けるためには
余っているドルを速やかに回収し
どこか豊かな国へと
それを押し付けてしまわなければならない
ドルを売りつけるための市場として位置づけられていたのが
この日本であった
余ったドルで円を買えば
過剰流動性を直ちに消すことができる
高くなった円で安くなったドルを後で買い戻せば
それだけで為替差益がごっそりと手に入る
先進諸国の投資家は
ドルを押し付けて獲得した円で
不動産市場へと一斉に投資していた時代があった
土地に対する投資が投機へと発展し
やがてバブル経済を日本市場に生み出した
異常なほどの好景気は
しかし
四年半ほどで潰えさった
国会がバブル退治の対策を
安易に考えたことにより
膨張の最大期に
風船に針を突き刺す対策を
善と信じて
導入実施したからだった
バブルを破裂させた震源である国会が
未だに行為の総括を避けている
この姿勢がドル資本に更なる利益を供与することになり
日本国民は失われた20年
という粗末な経過に
今なお苦しみ続けていなければならなくなったのだった
経済対策の意思決定者が
バブルを潰しただけでなく
その事実に
まったく気づこうとしなくなっていた初期の
五年間というものが
それに続く誤った経済対策を前提とする
あとの5年間を継ぎ足して
当初の失われた10年
と呼ばれる時代を生み出したのだ
後の更なる10年間に実施された経済対策が
悉く実効のないものであったことから
国の債務を五倍の規模である
千兆円へと押し上げると同時に
失われた20年
という不毛な時代を確定させることとなったのだった
国会を含む当事者の全ては
これら一連の経過をまったく理解しておらず
実効のない対策を
盲目的に
ただ繰り返しているだけなのだ
この事実は
認識能力の欠如
という状態を明瞭に映し出していた
温暖化防止対策でも国は判断を誤った
効果のない省エネ節電や
自然エネルギーの導入拡大などを推し進め
国の予算を結果のでない対策に
30年以上の長きに亘って
注ぎ込み続けているという現状を
今なお続けさせている
大気中の二酸化炭素濃度は
すべての地点で増加しており
まったく減ってなどいなかった
地下資源を節約したその分だけ
電気料金は値下げされていなければならなかったのだが
現実になったのは
値上げという
正反対の
お粗末極まりない結果であった
交流の高圧送電という方法で
二酸化炭素を減らすには
原発への切り替え以外に
有効な手立てはない
ここに電力業界の限界が設定されていた
電力を貯めておくことができない代わりに
増やすことは簡単にできる
誘導法則はその事実を証明していた
円高対策だけでなく
総合的な経済対策と
環境対策のそれぞれの異なった局面に於いて
国会は対策の選択を完全に誤った
その結果が債務総額と二酸化炭素濃度の上昇
という数字のデータとして既に確定している以上
同じ方法を踏襲する理由はどこにもあるまい
誤りの意味に気づいた者は
責任をとらなければならない
問題に気づかないふりをしている限り
日本経済の復興は望めない
地球環境の回復もまた同じ
原因は人そのものの内にこそある
続けられてきた教育制度がもつ特殊なバイアスが
知識を偏重して顧みない荒んだ時代をもたらした
誤った判断は
不健全な教育の結果以外のなにものでもない
知識だけあっても
その正しい使い方を知らなければ
意味はない
クイズで経済と環境の問題を解くことは
できない
このことにさえ
まったく気づかない
問題はとても単純なものなのだが
しかし
極めて深刻な本質からできている
俗にIMF体制
と呼ばれることもあるほど
相互に密接不可分な関係の上に成り立っている
この枠組みが
戦後67年という時を経て
国際市場に
著しいドル余り現象
を生み出していただけでなく
与信の成立を前提とする
マネーゲームを誕生させたことによる
裏付けをもたない
根拠のない漠然とした価値の総体を
徒に膨張させながら
経済情勢を
きわめて剣呑な状態へと導いてきた
金融危機とは
とりもなおさず
ドルに依存する金融と経済の
それぞれのシステムが
撚り合わされたことによって
現実化させてきたその結果
利が利を生む
というこれまでの資本主義
を前提としたグローバルな経済システムは
ドルの需要を必要以上に拡大させ
ドル余り現象を起源とする
さまざまな不具合を
先進諸国の市場に於いて
率先して派生させるようになっている
アメリカではサブプライムローンのデフォルトが
2008年秋に起きており
日本では40年以上にわたって
理解を超えた円高が
延々と続くような事態になっている
EUではその後債務ショックが起き
異なった国家ごとに成立していた財務体質の不統一が
信用不安を一層募らせるようにまでなっている
中国ではドル安政策の途中経過として
元売りドル買いをドル資本が
中国政府に推し進めさせたことにより
外貨準備高を僅か三年で
それまで世界一だった日本のそれを追い抜き
二倍の差をつけるほどまでに増やしていた
使い道の限られているドルを買わされた中国では
米国債を買って敵に塩を贈るより
軍事力を増強させるための支出を
より篤くするほうがよい
という認識を高め
その結果
米軍を擁するアメリカの負担が増す
という鼬ごっこのゲーム
が始まるようになったのだった
過剰流動性がドルに備わるようになったのは
実体経済の枠を超越して
信用で行うさまざまな取引が
世界中で拡大するようになってから後のこと
それまでは価値の基準となる金の絶対量を大きく超えて
取引が成立するようなことはなかった
ドルの通貨価値を補償するものが
金から石油へと変わっていったことから
資本は物理的制約から解放されることとなり
裏付けが希薄化した分を
相互間の信用を前提とするようなものへと変化させた
この経過が資本の遊戯
つまり
マネーゲームというものを
世界中の市場で育み
独自の市場を
ドル資本が構築することを許す経過を生み出した
金の絶対量
という重い桎梏から解放されて
自由の身となったドルを基軸とする国際経済は
その後
急速に拡大するようなものとなり
アメリカの株式市場では
平均株価が二倍の一万ドルへと
ほぼ一瞬で膨張するが如き経過さえ
生み出していたのだった
現在の米国の株式市場にみられる高値水準は
この時から持続して維持されるようになったもの
ドル余り現象の一部が
アメリカの国内市場へと
意図的に還流するようなものになってから
既に多くの時が流れた
国際経済はドルの市場への浸透を強めていったことで
基礎的な資本力を
信用が膨らませたその分だけ
より多く身につけることができるようになったのだった
だが
ドルを供給した側の代表であるドル資本は
国際金融資本へと変身を遂げていた
ドルの供給者が獲得した外貨を
ローカル市場で
効率よく運用することを可能にし
収益と元本とを
四半期ごとに回収する仕組みを整え
本国にいる投資家へと
利益を速やかに還元する目的で
利を生む市場であったものを
率先して枯らす行為を急いだことが
世界中を貧困化させ
石油消費国すべての政府税収を著しく阻害して
国債依存度を高めさせるという経過を
産み落とす原因になっていた
ローカル市場で再投資へと回される
と思われていた資本資源は
ドルへと戻されたその段階で
流動性の厚みをローカル市場から消し去るだけとなる
金の回らなくなった市場は衰弱する循環へと陥り
やがて枯れてやつれてしまうのだ
ドル資本が上陸したすべての国を
貧困へと陥れていたそのメカニズムの起源は
ここにあったのだった
石油を買った国は
ドル資本に自国通貨を売って
必要なドルを手に入れる
ドルがなければ
地下資源を輸入することはできない
産業は廃れ
国民は所得水準の低下に悩み
基底状態の貧困生活に喘ぐのみとなる
エネルギー消費国が
ドルの価値を必要以上に高める
最大の原因になっていた
アメリカの輸出産業は
高くなり続けるドルの影響で
輸出競争力を大きく殺がれる
という巡り合わせへと陥った
この状況を打破するために
ドル安政策をとることが
求められるようになったのだった
石油消費国の需要を満たすために
アメリカはドルの供給を緩め
市場に大量のドルを浸透させなければならなかった
この経過が主要国にドルを一時的に買わせるよう仕向け
基軸通貨の需要の底上げを促すように作用した
過剰流動性と呼ばれる基軸通貨であるドルは
その通貨価値を自ら毀損する安売りをすることによって
望まないインフレを勝手に引き寄せる
これを避けるためには
余っているドルを速やかに回収し
どこか豊かな国へと
それを押し付けてしまわなければならない
ドルを売りつけるための市場として位置づけられていたのが
この日本であった
余ったドルで円を買えば
過剰流動性を直ちに消すことができる
高くなった円で安くなったドルを後で買い戻せば
それだけで為替差益がごっそりと手に入る
先進諸国の投資家は
ドルを押し付けて獲得した円で
不動産市場へと一斉に投資していた時代があった
土地に対する投資が投機へと発展し
やがてバブル経済を日本市場に生み出した
異常なほどの好景気は
しかし
四年半ほどで潰えさった
国会がバブル退治の対策を
安易に考えたことにより
膨張の最大期に
風船に針を突き刺す対策を
善と信じて
導入実施したからだった
バブルを破裂させた震源である国会が
未だに行為の総括を避けている
この姿勢がドル資本に更なる利益を供与することになり
日本国民は失われた20年
という粗末な経過に
今なお苦しみ続けていなければならなくなったのだった
経済対策の意思決定者が
バブルを潰しただけでなく
その事実に
まったく気づこうとしなくなっていた初期の
五年間というものが
それに続く誤った経済対策を前提とする
あとの5年間を継ぎ足して
当初の失われた10年
と呼ばれる時代を生み出したのだ
後の更なる10年間に実施された経済対策が
悉く実効のないものであったことから
国の債務を五倍の規模である
千兆円へと押し上げると同時に
失われた20年
という不毛な時代を確定させることとなったのだった
国会を含む当事者の全ては
これら一連の経過をまったく理解しておらず
実効のない対策を
盲目的に
ただ繰り返しているだけなのだ
この事実は
認識能力の欠如
という状態を明瞭に映し出していた
温暖化防止対策でも国は判断を誤った
効果のない省エネ節電や
自然エネルギーの導入拡大などを推し進め
国の予算を結果のでない対策に
30年以上の長きに亘って
注ぎ込み続けているという現状を
今なお続けさせている
大気中の二酸化炭素濃度は
すべての地点で増加しており
まったく減ってなどいなかった
地下資源を節約したその分だけ
電気料金は値下げされていなければならなかったのだが
現実になったのは
値上げという
正反対の
お粗末極まりない結果であった
交流の高圧送電という方法で
二酸化炭素を減らすには
原発への切り替え以外に
有効な手立てはない
ここに電力業界の限界が設定されていた
電力を貯めておくことができない代わりに
増やすことは簡単にできる
誘導法則はその事実を証明していた
円高対策だけでなく
総合的な経済対策と
環境対策のそれぞれの異なった局面に於いて
国会は対策の選択を完全に誤った
その結果が債務総額と二酸化炭素濃度の上昇
という数字のデータとして既に確定している以上
同じ方法を踏襲する理由はどこにもあるまい
誤りの意味に気づいた者は
責任をとらなければならない
問題に気づかないふりをしている限り
日本経済の復興は望めない
地球環境の回復もまた同じ
原因は人そのものの内にこそある
続けられてきた教育制度がもつ特殊なバイアスが
知識を偏重して顧みない荒んだ時代をもたらした
誤った判断は
不健全な教育の結果以外のなにものでもない
知識だけあっても
その正しい使い方を知らなければ
意味はない
クイズで経済と環境の問題を解くことは
できない
このことにさえ
まったく気づかない
問題はとても単純なものなのだが
しかし
極めて深刻な本質からできている
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