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こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

刷 り 込 み

2017-08-20 10:23:54 | Weblog
戦後採用された

欧米由来の

知育偏重型と呼ばれる教育システムは

学力重視の選抜モデルへと

直線的に特化してゆき

日本型の育成形態の特徴である

全人教育の価値を一方的に否定し

排他的であることを特徴とする

進学就職システムを偏に洗練させ

企業が求める即戦力

となる筈の

人材の育成と確保を

教育機関に務めさせることで

企業収益を支えて

産業を肥育するための

基礎的な枠組み

の策定とその実施

を営々と進めて

現在へと至っている


学力重視の教育制度は

知育偏重

と形容される強いバイアスを生み出し

知識の量を格段に増やすことにより

選抜する側の都合

を優先する結果を引き出した


この変化に伴って

偏差値教育が改めて再評価され

競合する対象の本質的能力を

知識の量を以て相対化する

という姿勢が一般化することとなり

学習塾へ通う風習が俄かに高まり

こどもの生育にとって

最も重要な

遊びを通じて創造するための

基礎を築くための時間

を投与することに

価値が宿らない制度が

頓に好まれるような時代となった


受験以外に使えない知識

を競って獲得するための制度が導かれ

実際に使う機会のない

無益な知識習得のための教育投資

となることを承知の上で

競争型社会を生き抜くための方法を洗練し

そのための資産投下が

教育産業全体に広まって

知識の意味を問わない

量的拡大が専ら行われる時代へと

突入する経過を生み出した


この時から知識の質的劣化が始まり

それが持つ固有の意味を

理解するに至らずとも

概念的な知識がありさえすれば

それでよい

という評価方法が定着した

こうした理解を前提としない到達点

を目指す教育が思考力を育てずに

批判精神をもつことを無駄

と位置づけ

認識能力を失って

判断を下すこともできない

所謂

指示待ち世代

と呼ばれる一群の再生産

を急がせた


このため大量の知識を習得しても

その意味を伝えるための時間を

教育する側が惜しむようになり

学力の拡大を専一とするようになった

そのことが

知識の用い方に関する理解を遠ざけ

意味を理解しないまま

荒削りの概念で判断し

誤った結果を導かせること

を教育と断じて国に損害を与えている

アベノミクスと消費増税のセット

を善と信じて

国民へと押し付けた


欧米由来の知育偏重方式の

学力研鑽型の競合教育は

知識の量的拡大のみに特化していき

質的劣化を急がせた

大量に積み上げられた

空疎な見せかけの学力を競い

実際に応用して

生活に役立てる機会のない

これまでに積み上げられてきた

膨大な規模に達した

教育投資の総てが

有効需要の創出に

寄与することなく

教育関連産業だけを

活性化しつづける

という経過の関与が

国の低回を促した


これが日本の生産性を引き下げ

何を学んだのか

ということより

どの学校を卒業したのか

という点の違いをみる習慣が

採否判断の分岐点として

位置づけられた


知識の意味を考慮する機会を奪われ

消化不良常態で肥育された頭脳から

思考力が失われ

批判精神も同様に消し去った

こうして企業にとって価値のある

従順で温和な

それでいて権利意識だけは異様に強い

それ故にヒトとしての魅力を失った

社畜

と呼ばれる集合存在

の再生産がこのようにして定着した


教育投資の失敗の一つ

がバブル経済の発生と破裂を招き

失われた二十年を確定させただけでなく

日本経済の長期的低迷を強制した

事実の存在にすら

当事者の総てが未以て何故か気付かない

という現状が新手の経済政策を

失敗へと導いた


問題認識能力を失った指導体制は

己の下した判断ミスを認められずに

バブル経済の崩壊に関する総括を

今以て避けている

という現状の拙さが

その証拠


アベノミクスは教育の失敗を

死し示す絶好の事例

状況を打開するための目標

として設定した

たった2%に過ぎないインフレ率の達成

すら

最早できなくなっている

四年の歳月をかけて

毎年80兆円の流動性供給

を実施し続けていながら

このていたらく

批判精神が不在であるが故に

己の判断の拙さを

恥じることも

ない


これが戦後始まった

欧米型の高等教育

のその結果


今や

国民全般が同じ病に感染してしまい

選挙結果が劣化したことにさえ

いま以て尚一向に気づかない


思考力を失うと

批判精神だけでなく

健全な認識判断能力まで

が奪われてしまうのだ


今起きている一流企業の脆弱化

という一般的現象こそ

戦後72年かけて築きあげてきた

教育が齎した負の遺産


ヒトを差別化するための教育に

生産性を生み出せる訳がない

国家の緩慢な脆弱化

という変化の相は

教育を無批判に高度化してきた

その酬い


思考力を鍛錬してこなかった

頭でっかちの指導体制は

北朝鮮のミサイル遊びを真に受けて

核の傘に率先して潜り込もうとして

勝手にうろたえ

それで安全を確保した積もりになっている

だが

核兵器が存在する以上

その誤用がない

とする道理には無頓着

核による安全保障など

共同体化した意識のマス

がもつ

幻想の共有化に過ぎない


また二酸化炭素が増え続けている

この現実を知りながら

有効に減らすことが

まったくできなくなっている

これも教育の失敗を示す

その追加事例

原因が分かっていながら

成果がない

という現実は

認識能力の欠如を

明瞭に指し示す


これなども学力重視の高等教育



招いた不毛な経過を生み出した

最終的な逢着事態


最も重要なことは

総ての当事者が

問題の本質に気付いていない

というそのことなのだ


知識だけ大量にあっても

その意味を理解していなければ

使い方の正当性を

誰も認識することはできない

こうして世界規模の迷妄が蔓延るようになり

経済のグローバル化を

資本の論理で推し進め

二酸化炭素濃度を高めつづけるその一方で

止まらない温暖化

という不毛な途中経過を生み出した

二酸化炭素の累増は

直流と交流の違いをみない

学力重視の教育が陥った

致命的な罠


知の劣化と環境の劣化には

相関がある

景気の低迷と経済政策の失敗

についても

同様に

共通する原因が

強く

関わっている


問題の所在を確かめることが

できない限り

有効な対策を特定することは

できない


企業が中卒の金の卵

の固有の価値を再認識し

教育コストを負担して

社内で育てる制度

へと舞い戻とうとしない限り

親の負担となる教育投資は

決して還元されないものとなる


可処分所得を薄くして

国民の消費意欲を削ぎ落せば

消費市場は低迷し

景気を反転させる能力は

失われたままとなり

戻るようなことはない


企業が教育機関に

人材育成のコストを負担させ

学校や塾が親の負担で

収益の向上を目指すようになった

というこの構造的変容が

国家の成長を

抑制する効果

を絶え間なく与えだしている


色のついていない無垢な中卒

に該当する有為な人材こそ

国家発展のための宝

それを再認識するという必要性が

この先どこかで

不意に

現象化する


すべての子供は天才である

教育制度の欠陥が

稀有なその才能を圧殺し

型にはめる教育で角を矯め

他者との差別化を

善と誤認して勝手に推し進め

教育投資を無駄に捨て

企業経営者や選良と官僚を

同時並行的に劣化させつつ

国に膨大な規模の借金を背負わせた


近頃の新聞紙面には

思考力を失った者の蹉跌

の事例が

毎日のように

絶えることなく

載っていて

いちいち引用する手間が

省ける

これほど雄弁な証拠は

他になかろう
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