こ と の 端

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劣 化 再 生

2016-12-18 07:42:10 | Weblog
温暖化現象は

炭素の酸素化合物である

CO2濃度が高まって起きたもの

温室効果をもつガスは

他にもたくさんあり

量的に多いものに限るなら

水素の酸素化合物である

H2Oがガス化してできた

水蒸気

にも当てはまる


一般的によく知られている気化熱は

撒いた水が蒸発し

地表の熱

を上空へと持ち去るときに

熱を引き下げるが

その熱は上空で保存され

大気全体を温める

エネルギーは不滅

であることから

熱エネルギーにも

その法則は適用できる


地表の熱を奪って

そこを冷やすのは

液体の水だが

それが蒸発し

ガス化を引き起こす


熱の移動の主役は

このとき

気体へと変わった水

液体が気体となって

地表から熱が奪われ

その熱が上空を

反対に温める


地表の熱が水をガス化し

上空へとそれを持ち去ったとき

気化熱が生じて

熱の移動が引き起こされる


上空で暖気と寒気とが触れ合い

ガスは凝固して

そこで再び液化する

この反応で重さを得た水の分子が

地表へと落ち

雨となる

空の雲と

海の水は

こうして果てしなく循環し

降る雨が生命を潤し

肥沃となった大地では

農作物が生まれ出る

ことが可能となった


熱を得ようとして

地下資源

就中

化石燃料を燃やすと

CO2だけでなく

H2Oも同時に生み出される

こととなる


どちらのガスにも温室効果

が共通にあり

温暖化を促進する

という結果を大気圏へと齎している


人類は炭素系化合物の方にしか

今のところ

関心がなく

もっと深刻な

水素系酸化物の方は

取り立てて問題がない

と思い込んで

未だにノー天気のまま

問題の本質を見落とした状態で

長閑に安穏と暮らしている


温暖化が現象化するようになってからも

騒いではいるのだ

一向に有効な手立てを

打つことができずにいて

温室効果ガスの削減目標のみを

無暗に

かつ

矢鱈と高めつづけている

という現状のもつ意味にさえ

相変わらず気づかない


CO2は紫外線で分解するため

濃度は時の経過と供に

下がっていく傾向にあるのだが

自然に分解する閾値を

生産量が上回り

気候の変動を懸念する声が

その頃急に高まった


だが対策を講じたその効果

は何一つとしてなく

削減目標の値だけが

一貫して高まり続けるようになったのみ


これが

文明を進化させてきた果てに得た

その現状


紫外線が分解する以上に

新しい二酸化炭素が

次々に発生し

濃度を高めていくので

惑星全体のCO2濃度は

80年代頃から

緩慢に高まり続けるようになったのだった


この経過が気候変動の原因になっている

とそう認識した文明だが

地下資源の消費を抑制すれば

温暖化に歯止めがかかる

と単純にそう解釈した

問題認識能力に誤りがなければ

温暖化を止める程度のことは

いとも容易にできていた

地下資源に代わる

環境型の電源を開発する

程度のことなら

現状でも難なくできる

それを怠っていた

ということが気候変動を

深刻なものにした


地下資源を巡る資本の論理が

環境の復元効果を

文明に避けさせてきた

という経緯

が異常気象の頻発

を促した


地下資源にまつわる

利益共同体と既得権益享受層とが

真相の特定を阻むよう

秘密主義を貫きとうそうとして

陰に陽に

隙間なく謀っている


これまでの一連の経過が

底流で問題の姿カタチを

見えなくさせているその事実を見ずに

数値目標だけを高めつづけている

この愚かさ


真実に接することができていながら

みてみない

ふり

を続けてきた

ということが

パリ協定を俄かに成立させた

その理由


温室効果ガスに隠された

もっと別の問題は

俎上に上ることなく

残されたままの

水素系酸素化合物の方にある

水は安定な化合物であることから

自然条件の下では

分解することが決してない


一旦できたH2Oは

CO2が紫外線で分解されるのに対し

電気分解

または

二千度以上の高熱を与えなければ

水の分子状態を保ちつづける


環境温度の違いによって

それは

液体であったり

気体であったり

または固体であったりはするものの

H2Oであることには

変わりがない


こうして一旦生成した水素系酸化物は

減ることなく増え続け

増加し続けるH2Oという化合物が

この地球を水の惑星

と呼ばせるようにした


地下資源の代表的存在は

メタンCH4

これを燃やせば

酸化反応のプロセスで

一つしかない炭素は

酸素原子を二つ取り込んで

CO2となり

四つある水素は

酸素をひとつ宛取り込んで

二つのH2Oを同時につくる


地下資源を燃やして熱に変える行為が

一つのCO2を合成すると同時に

二つのH2Oを合成するのだ

後者の化合物について

文明は一切の関心を未だ示さない

そのために海面水位の上昇は

予想を超えて急増してしまい

氷山氷河が融解して液化した以上の速度で

島嶼国家を沈没させる事態を招き

海岸線の総延長距離を

年ごとに狭めていく

という経過を

着実に辿り続けだしている


産業革命以降

地下資源を燃やし続けてきたそのために

水素系酸化物が炭素系酸化物の二倍多く増え

降水量の増加とそれによる洪水や

各種の自然災害を

世界各地で

頻発させる時代を生んだ

この単純な経過について

全体をみないまま

CO2の有害性にのみ着目し

化石燃料の消費を減らすのではなく

それが生み出した電気

の消費を減らすことで

問題が解決する

と独善的に文明を代表する

知識人たちはそう考えた


既に燃やして酸化してしまったCH4(メタン)



それが生み出した電気の消費を減らしたとしても

元の状態である炭素原子と

水素原子とにたち戻ることは

できない


ここに文明が陥った過誤がある


電力消費を減らす努力を続けてきた

にもかかわらず

二酸化炭素の大気中濃度

が上がり続けていた事実と遭遇した文明は

対策として

時間をかけて

今世紀中に

ヒト起源のCO2排出量を

ゼロにする

という遠大な目標を設定し

取り敢えず安堵した


このように

問題の本質を見失っている以上

状況が改善する可能性は

極めて低い

炭素系酸化物にしか危機感を抱いていないため

その隙に乗じて

水素系酸化物が

地球を沈没させてしまうこととなる

そのことについては

何の警戒もしていない

原発が止まってから

火力発電所が総動員され

地下資源の消費量が大きく増えた


降水量がその時から急増するようになり

原発がメルトダウンして

水素爆発を惹起した年を境に

降水量の増加と

それによる自然災害を

至るとこで引き起こす事態となった


知識の量的拡大に特化した教育は

知識の意味を斟酌するための時間を惜しみ

間口を広げるための時間を増やすことに専念し

教育投資で進学競争を加熱する

という現状を導はしなくも導いた


有効需要の喪失は

教育の現場でも

起きている

過当競争が教育投資に親を没入させ

思考力の乏しい

指示待ち世代

とよばれる階層を量産する

時代を連れてきた

思考力が備わっているのなら

指示がでるのを待つ前に

正しい判断を下すことは

難なくできた


教師による判断停止が

あの日

大川小学校で

幼い命を津波に奪わせた


思考力を涵養する機会が

教室から一斉に失われ

備わっていた判断力は

爾来

自動的に浅薄化した


批判精神も失われ

問題の認識を誤った

事実にすら誰一人

一向に気づかない

そんな知識人たちを

効率よく再生産しつづけている


誤った経済政策に執着し

己の誤謬を否定して

国家の富を失い続け

財政悪化を推し進め

国民に千兆円超の負債のツケ

を押し付けた

その行為の意味も

理解できずにいる指導者を

国民が応援する

という異様としか譬えようのない構図

がこの国を支配する

基礎的条件を所与とした


教育のあり方を見直すことで

問題の所在を知れば

不具合の殆どすべては

一斉に消えてなくなる


思考力を取り戻すということが

学習した知識を活用するための

正しい道


少なくとも

己の誤りに気づかない限り

文明に未来はない

能力を生かすことができないのなら

あらゆる投資は

おしなべて

意味をもたない

グローバル化した市場経済が

デフレの温床

インフレ率を高めて2%にすれば

それで片付く

という安易な発想では

到底解決しなかったのは

まさに

ものの道理だったのである
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