こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

欲 望 の 箱

2016-12-04 08:09:34 | Weblog
自己の利益には拘るが

他者の利益には不寛容

という時代が

とうとう地表へとやってきた


アメリカ第一主義を唱えて

大統領となることが決まったその一方で

EUでは

戦争難民の流入

を拒絶する風潮が先に高まり

国家固有の利益

を希薄化させる原因

の増加を阻む行為

が際立って増えていた


国民投票による英国の

EUからの離脱が決定し

南シナ海では中国政府が行った

海域の埋め立てによる

領土拡張行為の合法性が

国際司法裁判所で否決されていながら

核心的利益

だと自認する共産党政府が

領土への編入を

既成事実へと確定させ

ようとする執念を

強調する姿勢を強めている


事例が示すような

不寛容の時代

が到来するようになったのは

何故か

変化の意味

を探るための時代

というものが

将来へと至る架け橋

になろうとしている


その変化の理由

を突き止めない限り

平和状態の誘導は

至難

文明にとっては

試練


自己の利益を拡張しようとする行為が

他者の利益を否定する行為となる

イントレランスな状態を導くことで

己の利益を正当化し

他者の利益を否定する

そのサイクルが

既存の不具合を

増長させる


相互間関係のギャップ

を際立たせる時代

が不意に訪れた

先鞭をつけたのが

資本を制御する立場の1%



富を献上することで

貧しさを共有するよう強いられた

残り

99%の犠牲者

の対比が顕在化するようになり

そこで生じた逸失利益というものが

他者に対する不寛容

を誘導生成させている


資本の論理が飽和したときを境に

一連の変化が顕在化した


世界はますます剣呑な情勢となっていき

資本提供者の力に基いた

正当化の推進と

それを可能にした犠牲者すべて

による利益保護の思い



対立を唆し

難民化した第三者に対する

分厚い壁

をマジョリティが共有する防衛意識

の内側へと築かせた


他者を否定する行為が

自己の利益の条件となっていき

自己の利益を肯定するための行為



他者に不利益を強いる結果

を齎した

他者の否定が

自己の利益へと反転させる

呼び水

となるそんな関係が

このところ

矢鱈目立つようになってきた


デフレ経済の蔓延とその長期化

が国際社会の結束

を乱すようになってから

左から右

へと向かう意識の変化

が顕著となった

資本喪失によって

豊かさを失った文明は

身勝手な解釈を取り込んで

宗教的優越を獲得した積もり

でイスラム国を自称する組織を誕生させ

対立存在を攻撃の対象とする

戦闘行為を中東各地で

同時多発的に叢生させた


内戦状態が各地で発生し

戦争難民が陸続として

欧州各地へと押し寄せた


難民の大量流入を抑えたい

地域固有の勢力を右傾化させる

という経過が

そのとき

世界中で目立ち始める事態を生んだ


難民の流入は

受け容れた国から利益を奪い

国民から仕事を奪い

生計を維持することさえ

困難にした

税金は高くなる一方となり

生活の質は急速に劣化した

EU危機は

そのとき大地に根ざした


自己の利益を奪う他者を

国民が許さなくなっていき

アメリカでは問題のあることが分かっていた

人物を大統領へと

無批判に押し上げた

それが自己の利益に結びつく

と有権者が思い込み

当選する筈のない

圭角な候補者をついに

舞台上へと引き上げた


北朝鮮では

核開発を無思慮に推し進め

ペナルティ強化

を手段とする連携の成立を急がせた


国際社会を自らの思慮の無さ

で包囲網を築くよう

判断を誤り

強気の駆け引きで

成果を引き出せると誤認し

困難な状況を

一層のっぴきならないものにした


愚かなる指導者というものは

国がどこであれ

おしなべて国民を不幸へと

追い落とす

蛮行を独善で正当化し

国際社会に

意味のない負圧を

勝手に懸けて満ち足りている

ということが

問題をより深刻なものにした


救われないのは

意思決定に関わることのない

国民のすべて

指導者の過ちを

引き受けることが

最終的な義務となり

自動的に負い詰められるだけとなる


難民は

不具合が産み落とした状況の

無辜の犠牲者


不寛容性が一般化するようになってから

世の中は

各種の異変に満ちたものとなり

想定を逸脱した結果

が所かまわず

出現する時代を誕生させた


なんと愚かなことだろう


一連の変化は

アメリカがドル本位制から

一方的に離脱した

71年夏のあの日

を境に起きるようになったもの

金の裏付けなしにドルを発行する権利

つまり

国際通貨のシニョレッジ(通貨発行権)

を手に入れたアメリカが

自己の都合を思慮なく最大化

したことにより

さまざまな不具合を産み落とし

45年の歳月を費やして

国際経済から繁栄を奪い取り

イントレランスの蔓延



合目的的だとする

認識を同時代人へと

一律に植え付けた


このようにみてくると

一連の変化は

必然の帰結となって

直線的に浮上する


ドルの発行権を青天井にした

ということが

石油の需要拡大を急がせ

二酸化炭素の濃度を急速に高め

長期化したイラク戦争が

戦費調達を増税抜きで行うための

石油価格の長期的高騰を導き

ドルの需要を一層高め

過剰流動性を増殖させたことによって

リーマンショックで世界中を震撼させ

G20を創設させた


流動性に関する未曽有の危機を

かろうじて乗り切った

ということが世界規模のデフレ経済

の起源となり

財政危機を世界中で発生させ

課税強化で国民から

得べかりし利益を

大量に失わせ

反米の旗幟を鮮明化するよう仕向け

宗教国家の創設

へと繋げてしまう結果となった


ドルの過剰流動性が

イラク戦争で高まった

ということが

中国を世界の生産基地にする

という目標を生み

世界中の市場で大量に余っているドルを

中国大陸へと仕向けたということが

人民元の急騰を防ぐ必要に

共産党政府を気づかせ

人民元の印刷を急いだということが

中国を成金国家へと押し上げた


印刷するだけでよい

人民元の大量発行で

世界中から大量に押し寄せてきたドル

を買い支え

獲得したそのドルで

人民元の発行権を担保することができた中国政府は

その行為によって

僅か三年足らずの短期間で

日本を追い抜いて

世界第二位の債権国へと一気に上り詰め

世界中で爆買いという現象

を引き起こし

余勢を駆って

海軍力増強を図り

海洋権益を強化しようとして

南シナ海でサンゴ礁を埋め立てる

という暴挙を敢行するに至らしめた


共産党政府に

過剰流動性を押し付けた

そのアメリカが

極右勢力を取り込んだ

新大統領トラムプを選出し

イントレランスという潮流に

輪を懸けて

そこから世界を引き戻せないようにした


不具合の根源は

一に懸かって

アメリカの独善体質



防衛能力を強化してきた

強迫神経症という気の病

が生み出した合併症

が育んできたもの


原因を与えた者は

すべからく

結果

を己自身の手で

引き受けるのが世の定め

それが果たせるようになったとき

はじめて

戦後政治は終焉を迎えることができ

新文明がこの惑星へと訪れる


温暖化現象の起源は

アメリカにあった

ということになる単純な顛末

に世界中がその時

漸く気づくだろう


原因を与えたアメリカの新大統領が

気候の変動要因を否定している限り

世界の不具合のみならず

不安定要因となっている

温暖化対策と反米感情の高まり

そして

宗教的解釈の相違を組み込んだ

対立の総和は

破局へと至る一本道を

同一歩調でこれからも

着実に

ひた走る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする