こ と の 端

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官 僚 亡 国

2013-11-24 07:07:14 | Weblog
過去に実績のある公共工事への

国による追加投資が

これからも

有効需要に結びつく

とは限らない


今まで

そこになかったものが

新たに造られた時

人とモノの移動が

そこで生まれる

人が動けばそこに費用が発生し

モノが動けば利潤が生じる

そうなっている状態のことを

有効需要と呼ぶことができる


すでにあるものを作り替えたとしても

今まで以上に物流が活性化する

という訳ではない

老朽化した社会資産を新増設する行為は

従って

有効需要を増やす効果をもたない

現在の流通レベルを維持するだけの公共工事であるのなら

経済効果は建築土木の関連会社とその周辺を潤すのみで

終わる

国費の助成措置が打ち切られたとたん

ものが売れなくなった事例は

あまた ある

正の循環が成り立たない経済対策は

損失を増やすことができる

だけ

それが1000兆円を超えた債務残高の

起源


公共工事が有効であった

インフレが未整備だった頃の時代は既に去り

既存の施設を保守するための工事を

これからどんなに増やしていったところで

そこに

新たな需要創出の機会は生じない


デフレから経済を抜け出させるためには

新規需要が

供給利益を力強く

篤くする

という仕組みを

改めて構築することができていなければならない


これまでの経済対策が

景気を回復させる効果を

何一つ

生じさせていなかったのは

助成措置として

補助金の供給が止まったとそのたんに

需要が消えてしまっていたからなのだ

補助金頼みの経済政策が

景気を活性化させたとする事例はない


投資が再投資を生む正の循環が成り立っていなければ

国費の無駄な投入により

意図的に底上げされたまがいものの経済が

その人為的に増やされた厚みの分だけ

負の遺産を未来の国民へと残すのみ


有効需要の創出に成功しなかった

20年来の経済政策のすべて



失われた20年という浅はかな歳月を

国民へと押し付けている


実効性に欠けた政策であることを知らず

損失を生み出すだけの行為を

ただ繰り返していた

だからこそ

失われた20年という

不名誉な時代が記録として残された

経済に通じるほどの見識をもつものが

どの政党にもいなかった

ということが

日本にデフレスパイラルを産み落とさせた

ということになる単純な話であった


アベノミクスもまた

その延長線上にある政策の一つ

に過ぎない

消費者の所得水準を引き上げなければ

デフレからの脱却は絵に描いた餅


輸入物価の上昇

が悪性のインフレの予兆であったことを悟ったとき

所得は伸びずに

費用だけがただ単に高くなる

という不毛な結末が残される


行き詰っている経済を成長させるには

良性のインフレを導くことが

できていなければならない

収入の増加を伴わないインフレは

その負担を国民へと残す

その意味で悪性のインフレを引き起こす


優良企業だけで賃金水準を引き上げてみたところで

それが全体へと波及していくことができなければ

無駄な支出を増やしただけ

という結果に終わる

そこに利潤の増加が見込めなければ

投資と再投資のサイクルは

生まれない


景気の回復が喧伝されているように

真実であるのなら

株価が上昇し続けようとしないこの現状は

どうして生まれ出たものなのか


株価というのは

上昇と下降とを交互に繰り返す

ものであるのだが

好景気の時には

右肩上がりの力強い成長曲線を

描くもの

現状を見る限り

株価はジグザグ運動を反復する状態を

延々とつづけている


株価が上がりすぎれば

利幅の少ない債券から

株券へと乗り換える投資家が増え

それが長期金利を上昇させる原因となる


長期金利を低いまま

安定化させておくためには

株価の底堅い上昇が勝手に起きてはならず

そのために政府系投資ファンドが

株価の誘導を行えるような仕組みが作られている

量的緩和の実施で政府系投資ファンドには

潤沢な資本の積み増しが可能となった


労働賃金の上昇がこれに付随して起きなければ

消費者が支出を増やす道理はない

総需要が拡大しなかったのであれば

その経済政策は失敗した

と看做さなければならない

有効需要が日本経済に成り立っていなければ

景気が回復するようなことはなく

量的緩和をいつまでも続けていることは

要するに

できない


借金まみれの日本政府が

無効な需要を創出するために

莫大な国費を量的緩和の名のもとに

追加して投入した

ということになる話


既に抱え込んでいる債務総額は

経済政策を再び誤ったことにより

より一層

膨らむ

1000兆円を超えた債務総額は

失われた20年の間に実施されてきた

数々の

無効な需要の創出に邁進していた時代を物語る


一連の経済政策がすべて誤っていたという事実が

引き起した結果であるに相違ない

仮に正しい選択が為されていたとする場合

その効果は実体経済に

有効需要の創出という形となって

反映されていなければならなかった

そのような有益な経過など

この20年間に於いて

存在したことが一度もない


国の借金は国家予算の膨張に主因をもつ

予算を組むのは中央官庁の官僚であることから

国に借金を背負わせたのは

官僚だということになる

国会は予算案を形式的に修正して通過させ

債務総額を膨らむがままに放置した

これまでの無能ぶりが積もり積もって

1000兆円越え

という結果となってしまった事実から

今も尚目を反らせ続けている


本質を見なければ

有効な対策を立案実施することは

もとよりできない

しろありに例えられる有能な官僚の強欲が

国会に屯する無能な成員をコントロールし

不正な認識を抱いたままの議員連の錯誤が

こぞって消費税率を引き上げさせただけでなく

秘密保護法案の国会通過を急ぐよう

謀らせているという事実が既にある


首都と地方の間に発生する税収の落差の大きさが

いま問題とされるようになっている

地方の損失を

債務総額を膨張させて

補填することができなくなった国会では

税収の公平ならざる配分を巡って

あらたなる対立を生み出すに至った


国家予算の削減すらできなくなっている国会に

地方税収の増加を促す能力が備わっている筈もなく

必要以上に債務を太らせる一方の議員連に

官僚を制御する能力もなければ

気力もない

消費増税へと至った経過の根源的な理由は

そこにある


官僚が国家を衰退させ

国会の成員が実効のない温暖化対策と

損失にしかならない景気対策を

あれこれ実施させてきた

結果が貧しいものになっているというのは

当然と言えば当然の帰結に過ぎない


代議員に投票した国民にも

責任の一半はある

政治システムに重大な欠陥があるからこそ

このように

実に粗末な展開が産み落とされるようになったのだ


考える力より知識の量を重視してきたこれまでの教育が

判断能力のない国会と

それを制御することで

陰の支配を成り立たせている官僚機構とを

利益共同体として生み出すに至った

思考力というものがもし国会に残されていたのであれば

実施してきたすべての対策に

効果がなかったという事実に鑑み

有効な対策を導くためのフィードバック回路が

起動していていた筈なのだ


現況を見る限り

日本の政治と経済は

とても危うい

だが

教育の在り方を再点検し

問題の所在を察知することにより

健全化を急ぐ程度のことは

すぐにでも

できる


それには考えるための十分な力が

国民の側に備わっていなければならない

能力を眠らせたままにしておいてはいけない


朝になったら眼は覚める

無明長夜は

いつまでもつづかない
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