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こ と の 端

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急 転 直 下

2013-06-16 07:37:24 | Weblog
国際経済の枠組みを成り立たせているIMF体制

というものは

いつかどこかで

必ず

調整局面に直面し

あるべき姿勢の見直しを

繰り返し迫られる


いつまでも

続く枠組みなど

存在したことがない

あの東ローマ帝国でさえ

そうだった


信じるに値する何か



内に潜み

決して姿を現わさない

誰も

それを

目で見ることが

できない

感性の網にかかる

何だかよく分からないものを信じて

文明はここまでやってきた


多くの過ちに満ちた過去が

未来への道しるべ


ドルを基軸とする国際経済は

富の偏在化

を際立たせた挙句の果てに

1%と99%の対立が生む負の断面

を白日の下に曝け出す


ソ連型の共産主義体制が

90年暮れ

唐突に内部崩壊し

その半年後に中国の民主化運動が

天安門広場で

鎮圧された


その後

中国型の共産主義体制は

ドル経済圏に自ら同化していくことによって

延命することを許され

それにより

過剰流動性を高めたドルを

中国市場へと呼び込んだ

世界の資本を大陸へと集約させ

人民元の通貨価値を高めていくその過程で

いつしか

最大の外貨準備高を保有する国となり

ドル建ての資産を意味する

債券保有国のトップ

の位置へと俄かに躍り出た


中国にみられる著しい経済発展は

世界中から大陸を目指す資本の流れが

結果として生みだしたものであり

そこに積み上げた資本の力で

欠落していた海軍力を

集中的に増強させる

というよく知られた変化を

国際政治の場へと生み落とすに至った


中国の経済的発展は

世界に遍く流通するドルと

それを補完する位置にあるユーロ

および

円などの力をそのまま人民元に代えて利用し

高い経済成長を保つ市場を

大陸沿岸部に作り上げていった


中国に於ける所得水準は五年で倍増し

豊かさの意味を悟った共産党政権は

成長する経済の勢いが生むその力強さを

先進諸国と周辺諸国とに

機会あるごとに

見せつけるようになっていった


中国の経済成長は過剰流動性と

そこから派生したその他の通貨

とが生む資本の全体量が

中国市場に輻輳するようになったことにより

与えられた僥倖の産物



といえる


共産党政府が実施した経済政策の結果などではなく

13億人の巨大市場を提供するという

当時の決断と実施行為とによって

与えられた資本が導く繁栄

という限定条件の下の豊かさ

という特徴を有している


中国人の所得水準が急速に上がったことにより

低い労働賃金が支えていた市場の優越性は

唐突に希釈され

資本提供者にとってもっと有益な

他の市場の台頭を許すことへと繋がってゆく

その変化は既にはじまっている


中国の経済成長率はこの三年で低下する傾斜をとっており

外国籍の工場は

もっと安い労働賃金を求めて

陸続として

大陸から

カントリーリスクのない未開の市場

へと転出しようと身構えている


世界の製造工場となることを目指していた中国は

そのための基幹となるエネルギーの確保に血眼となり

その結果

なりふり構わぬ示威的な行動が

国際社会に警戒の念を呼び醒ます

という変化を生じさせた


経済成長率の低下は

一般に

エネルギー需要の低下となって顕れる


転出を開始した外国籍の企業は

経済合理性を求めて

より安全で

より有利な

労働生産性の優れて高い市場へと

移動する


数年後には

中国のエネルギー事情は

内部圧力を引き下げ

大きく変わっていることだろう


尖閣がそのとき

中国の革新的利益となっているかどうかは

いうまでもなく

疑わしい

傲慢であるが故に尊大な

根拠のないその大国としての自信は

夜郎自大を現代に再演した

だけ

という顛末を生んでおわる


市場経済化にみられる一連のプログラムは

既に新しいフェーズへと機能しはじめている


謙虚さを失った共産主義と

それが生み出す集団指導体制などは

不健全な思いを抱き締めたその時から

滝壺を目がけて落下する水の流れとなる

さだめ


ソ連型の共産主義体制が崩壊し

民主化してドル経済圏へと編入され

ドルの供給圧力を世界市場で高めたように

中国型の共産主義体制はいずれ崩壊し

民主化を推進する方向へと転ずることにより

ドル経済圏の拡大に伴う

過剰流動性の増加と

それを維持する仕組みである

IMF体制を

より堅固なものにすることになる

その意味で

北アフリカで昨今起きている民主化の波の行方を

資本主義体制は注視する

だが

その後に起きる最大の変化をこそ

文明は

畏れなければならない


自由主義的資本主義は勝ち残ったとはいえ

資本の論理による自家中毒の症状悪化が

その存立を危ういものにするからだ


世は無常


変わらざるものの一切は

不在を目指す運動系の渦中にある

物質的な不在は

エネルギー的な不在を

意味しない


ポテンシャル状態への遷移を

目で知ることはできない

これを

エントロピー増大の法則という


変わることが進化であり

進化したことで

学習が成り立つ

合理の意味は

そのときに分かる


盛者必衰

とは

普遍の真理


共産主義体制の崩壊は

とりもなおさず

資本主義体制の崩壊を

予告するものとなる


兆しは片鱗となって

直進する光を

反射しはじめている


変化の繰り返しが進化を生み

進化の繰り返しが繁栄を生む

繁栄を犠牲とする行為の一切は

合理性をもたない


制御された繁栄という状態だけが

恒久平和をこの惑星へと連れてくる

我欲は損失の素

損失は繁栄をただ単に遠ざける


中国の経済成長を阻害するようになった因子は

我欲の強さに他ならない

以て他山の石

とする途中経過を閲して

東アジアに

望ましい未来が

やがて訪れることだろう


ドル経済圏の崩壊は

頂点に達した直後

に発生する


急転直下

の大変化が

否応なしに与えられる

必要なのは

覚悟


その時に備えて

不測の事態に即応するための用意を

できることなら

今すぐにでも

始めておくべきだ

生き残るための努力を怠ると

訪れる終幕が用意する被害を

小さくすることも

できない


IMF体制に代わるものとは

いったい

どのようなものなのだろうか


現体制が国際経済に与えてきた

その弊害のもつ意味を知れば

未来を貫く柱となる新体制のもつ枠組みの

あるべき姿がみえるはず

経済の高度化



環境の劣化

との間には

未来を占う重大な因子が

隠されている


IMF体制の前身である

ブレトンウッズ体制を成り立たせてきた過程のどこかに

扉を開くための鍵が

埋め込まれている


第二次世界大戦へと至る不幸な過去の道筋には

IMF体制へと続く

歴史的必然とよぶべきものの見えない部分が

残されている


変化というものは

ある日

予告なく

そこに

偶然

やって来るようなものなのだ


偶然は必然の産物

メッセージを読み解く者にだけ

真理が立ち現れる

という仕組み


未来を知りたければ

過去に学ばなければならない


歴史を繙き

そこで起きた事実から

なにかを掬い取ることができるなら

失うものを

減らして

保守すべき新体制を

構築する方法が

かたちとなって

みえてくる


要諦は

認識能力の課題

であるに過ぎない
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