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こ と の 端

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知 育 偏 重

2013-04-14 10:06:51 | Weblog
土地神話を生みだしたあのバブル経済

というものが

いつの間にか潰え去っていた

ことに気付いたとき

国の指導者たちは

参照する教科書を求めて

おしなべて

霞が関界隈を

宛てもなく

ただ彷徨いつづけていた


そもそもバブルが破裂した

という事実を知ったのは

きっかけとなった

不動産融資の総量規制が実施された

90年4月1日を起点として

丸二年以上が経過した

その後のことだった


もつべき認識に対する不足

というものが

失われた10年を決定づける

最大の要因となっていた

土地の価格は絶対に値下がりしない

という強い思い込みが

国民のすべてに錯誤を与え

バブル経済の崩壊を

それと知らしめることを

強く

妨げていた


世の中に

バブル後の処方箋となるマニュアルなど

存在したことなど

かつてもいまも

一度たりともなかった

指導者たちは有効な対策とは何か

という問いに対する解を求めて

手がかりとなるものを

探し続けていた


漸くそれらしいと思われるものを特定し

取り急ぎ手を打ったのは

96年度の予算からだった

財政出動を前提とする

日本版ニューディール政策とでも呼ぶべき

300兆円を10年にわたって投下する

という内容のものである

その規模は今回の量的緩和より

大規模なものだった


総需要を高める

という効果を狙ったものであったのだったが

国の債務総額を

単に倍増させただけに終わったことは

累積債務の巨大さをみれば

いうまでもなく

あきらか


公的債務の総額は

既に1000兆円から

1200兆円を突破する規模へと

高まっており

その結果

国の財務体質は劣化し

毎年恒例となった公債発行特例法案を

今年もまた

繰り返し採用する

というそんな運びを生み出した

国民は国が陥った赤字体質から抜け出すために

消費税率の上昇を

短期間で二度

許容することを強いられる

そんな予定が

既に国会によって

組まれている


総需要を増やすには

国民の消費意欲を刺激することが

何より先に

できていなければならない

消費税を増やすという方法で

総需要を拡大することは

本来不可能なこと


デフレから日本経済が早く抜け出すためには

消費税を撤廃する方が

早道なのだ

国民所得を増やすには

相当の時間がかかる

消費を先に増やすことにより

生産を急がせて

設備投資を促す以外に

有効な方法は他にない


国会は中央官庁が予算要求を増やしても

それを受容した上で

一定水準の

予算執行の削減目標を設定させ

その義務を果たす

よう強く促していかなければならない立場にある


獲得した予算を消化しなければならない

という官僚機構内部からの要請があるからこそ

年度末になると

意味の不明な工事が

いたるところで

毎年

繰り返されている


国民はその無駄を肌で感じているからこそ

消費税が上がっても

国の予算規模に添う消費行動をとることができず

買い控えによる

デフレ経済への圧力を

緩慢に高めていく

という経過を

眺めていることしかできない


そもそもの問題は

予算を100%消化しなければならない

という評価基準の採用にある

インフレ経済の時代なら

それは十分に通用する理屈ではあるのだが

デフレ経済の時代では

その行為の継続が生む赤字財政の拡大という結果が

消費増税を必要不可欠の手段と思わせ

余計に消費意欲を抑圧する方向へと

作用するようになる


問題の本質は

デフレスパイラルの条件下で

インフレ型の予算を組む

というその方法がもつ

救いのない誤り

即ち

負健全性の関与

にこそある


総需要の増大を急ぎたいのであれば

消費税を増やすのではなく

直ちに撤廃してしまうべきなのだ

経済の回復が早まれば

税収の増加も早まる

戦後の高等教育を受けてきた指導的階級は

ものの順序さえ

分からない

という状況に陥っている

知識の量がどんなに多くなったとしても

その正しい使い方を知らないのであれば

正反対の

望ましからざる結果だけが

やってくる

それが

倍の規模に膨らんだ

失われた20年となって

国と国民とに

公平に祟っている

ということなのだ


考える力を培ってこなかった

効率的な教育制度

の在り方というものが

バブル経済の崩壊を認識できない指導者をあまた生み

止まらない温暖を訝しく思わない風土を育んだ

デフレから脱却するための方法を

量的緩和という金融政策へと戻し

インフレターゲットを実現するための方法として

デフレ効果の高い

金融政策である量的緩和を

再三採用しなければならない

これほど愚かしいことは

ほかにあるまい


思考する力の涵養と培養とをなおざりにして

知識の量的拡大にだけ

ひたすらまい進し続けてきた

現在の教育制度に潜む欠陥というものが

経済の変化にまつわるその諸相に

よく映し出されている
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