goo blog サービス終了のお知らせ 

こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

市 場 統 合

2011-11-13 07:59:51 | Weblog
ドル経済圏がどんどん大きく広がっていくことによって

利益が得られるのはどこか


それを考慮しなければ

正しい判断を下すことはできない


ドルの発行権をもたないその他の国では

自国通貨を売って

ドル資本から

為替市場を通じて

必要なグリーンノートを買わなければ

生産の要であるエネルギー資源と

防衛のための兵器を

輸入することができない


エネルギー資源を調達しようとする行為は

自国通貨を外国籍の資本へと売り渡すこと

ドルの需要を引き上げてその通貨価値を高める

自国通貨の価値は反対に低下する

通貨交換という行為は相対的な関係の上に築かれている

ドルを求めて値を下げた国の通貨は

高くなったドルの価値を活用させ易くし

ドル資本に有利な条件を与えるものとなる


獲得した外貨の使い道がその国の市場にあるのなら

ドルによる再投資の循環が成り立つ

有利な投資先が見当たらない国では

ドルの円滑な供給がおきない

世界中で通用するドルを

その国の中でしか使えない通貨へと替えることに

合理性はないからだ

魅力のない通貨と市場をもつ国は

エネルギー資源と兵器を輸入するために

売り渋るドル資本に対して

高いドルを買わなければならない

決済通貨としてドルの持つ便利さは

輸出する国にとって

見逃しがたい成分なのだ


TPPは太平洋を共有する地域で

市場を統合しようとする試み

意義はある

だが

ドルが基軸通貨となっている限り

メリットがあるのはアメリカのみ

その他の国では市場の拡大という疑似餌に釣られた魚のように

もがき苦しんで

保有資産を

ドルの供給者すべてに

引き渡さざるを得なくなる


市場統合を目指す意思があるのなら

その前提条件として

基軸通貨をドルではなく

どこの国にも属さない

人工の通貨を創出してからにするべきだ

中立の通貨を公平な条件でやり取りするのは

交易の基本

アメリカが言い出したことを

無批判に受け入れてはならない

決断を急がせるその手法は

詐欺行為の予告

真実を悟られたくない者が使いたがる手口

そのことに思いを致す国があっても

よい


表層の部分に囚われていると

問題の本質が見えなくなる

ドル経済圏の拡大を目指すアメリカの立ち位置を俎上に載せず

貿易の自由化を

頓着なしに目指すことが

食料自給率の一層の低下をもたらす

という皮相な部分へと

問題が収斂している

この意味のすり替えにさえ気づかないのは

どうしてなのか


アメリカとドル資本とは

ドルの供給事業で利益を世界中から得てきた

その結果

産油国以外の殆どの国で

財政赤字を悪化させ

付加価値税を高めなければならなくさせた

若者の失業率は増加し

治安は悪化した

犠牲者の中には米国民も含まれる

貧困の蔓延は

ドルの供給国の国民にも

貧困を強要した

99%の持たざる者と

1%の持てる者との乖離が決定的となり

温和な多数派の反乱が

アメリカを起点として

今年

ついに始まった

夏が終わろうとする頃のことだった


資本の論理に翻弄されてきた文明は

エネルギー資源とドルとを手に入れるために

貧困と温暖化による自然災害の増加に苦しめられるように

なった


原因を突き止めることができたとき

病は癒える

対症療法で急場をしのいでも

傷口から出血が続いていると

貧血を経て

最終的に失血死へと至る


経済構造から公平性を奪っていたものを消し去ることが

有効な止血剤となる

新設の地域共通の通貨として

ユーロが既に有効に機能している

ドルでもなくそしてユーロでもない新らしい基軸通貨を

市場統合を目指す各国は

真っ先に導入しておかなければならない


いまの基軸通貨の発行国に恣意的行動を許しているのは

ドルを買ってきた国すべて