今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ツナの日

2007-05-27 | 記念日
今日(5月27日)「ツナの日」(毎月27日)
語呂合わせ「ツ(2)ナ(7)」から。毎月27日にまぐろ料理店等で実施しているのだとか。
「ツナ」と言えば、どんなものを思い出しますか?。鮪(マグロ)?or鰹(カツオ)?「ツナ」と言えば「ツナ缶」・・・缶詰の「シーチキン」を思い出しませんか?。
よく「ツナ」と言っているのは、英語の「 Tuna 」のこと。「 Tuna 」は辞書を引くと「マグロ」となっているが、日本語の「マグロ」と、英語の「Tuna」は、呼ぶ種類の範囲が異なるようである。日本語のマグロは、マグロ属の各種類(マグロの主な種類参照)を指すのに対し、英語の tuna は、マグロ属以外の魚も指す場合がある。具体的には、マグロ属を含む、大きな分類群であるサバ科のマグロ族 (Thunnini) をみな「tuna」と呼ぶらしい。マグロ族には、マグロ属のほか、カツオ属(カツオ)、ソウダガツオ属(マルソウダ、ヒラソウダ)、スマ属(スマ)なども含まれる。(以下参考に記載の「WRB魚図鑑」のサバ科(硬骨魚綱 スズキ目)参照)。なお、魚屋等で言われるカジキマグロはマグロではなくカジキの俗称であり、完全な別物である。
はごろもフーズの商標である「シーチキン」と呼ばれる缶詰があるがマグロだけでなくカツオなども使っており、その意味では英訳「tuna」と同じ意味で使っているのだろう 。以下参考に記載の「はごろもフーズ・・シーチキン情報」によれば、原材料は、「シーチキンファンシー」では、「びんながまぐろ」、「シーチキンLフレーク」は、「きはだまぐろ」、「シーチキンマイルド」は「かつお」といった具合である。同社では、原材料である「キハダ」や「カツオ」のことを「ライトミールツナ」、「ビンナガマグロ」を「ホワイトミートツナ」と呼んでいる。欧米では「ホワイトミートツナ」は「ライトミールツナ」より、たんぱく質が良質なことから「sea chicken(海の鶏肉)」と呼んでいるそうである。「シーチキン」は、鶏肉同様低カロリーで、しかも高タンパク質、低脂肪であることから、「tuna」の缶詰の商標を「シーチキン」としたようだ。1958(33)年に商標登録されている。
日本人は古くからマグロを食用とし、縄文時代貝塚からもマグロの骨が出土しているというが、日本最古の古典、『古事記』下巻顕宗即位前の条にもまぐろに関する歌がある。袁祁命(おけのみこと、後・第23代の顕宗天皇)が天下を治めようとしている頃のこと。平群臣(へぐりのおみ)の祖先で、志毘臣(しびのおみ)が歌垣に参加し、袁祁命が求婚しようとしていた乙女、大魚(おうお)の手をとったことから、志毘臣と、同じく歌垣に参加していた袁祁命との間で、悪口、揶揄などの歌合戦となった。ここで、王子(みこ)が詠よんだ歌。
「大魚(おふを)よし鮪突(しびつ)突つく海人(あま)よ 其(し)が散(あ)れば 心恋(うらこほ)しけむ 鮪突(しびつ)く鮪(しび) 」【110】
訳:鮪(しび)を突く海人(あま)よ。それが離れて行ったら、うら悲しいだろう。鮪(しび)を突く志毘(シビ)よ。〔シビ(鮪)はマグロのこと。大魚(おふを)よしは、 「鮪」の枕詞。大魚(オフヲ)を指している 〕
歌合戦の翌朝になり、袁祁(ヲケ)命は意祁(オケ)命と相談して、「大体朝廷(みかど)の人たちは、朝は朝廷(みかど)に参上するが、昼は志毘(シビ)の門に集まっている。が、今は志毘(シビ)はきっと寝ている。また、その門には人もいないので、今でなければ実行は難しいだろう」と言って、軍勢を集めて志毘臣(シビノオミ)の家を囲み殺したという。
その様子は、以下参考に記載の「日本神話の御殿 - 各種データベース」の古事記22 清寧天皇を見られると良い。(また興味のある人は以下参考に記載の「[PDF] 志毘臣物」も見られると良い。)
また、山部赤人が明石地方を旅したとき、「・・・藤井の浦に 鮪(しび)釣ると 海人船騒き 塩焼くと 人ぞ多(さは)にある 浦を吉(よ)み うべも釣りはす・・・」 (『万葉集』6-938)と詠んでいる。以下参考に記載の「千人万首」の山部赤人参照。
この歌が詠まれたのが726(神亀3)年の10月10日と言うことから、日本鰹鮪漁業協同組合連合会は、1986(昭和61)年に10月10日を「まぐろの日」と制定している。
当時は、日本の近海でマグロを鯨のように銛(もり)で投げたり突いたりして獲っていたのだろう。しかし腐敗しやすいこともあって高級魚としての扱いは受けなかった。これは、カツオなども同じ様であった。「カツオ」のことは、以前に、「鰹節の日」でも書いたが、鎌倉時代になると、吉田兼好が「徒然草:第百十九段」に、”鎌倉の海でとれる鰹という魚は、その地方では上等なものとして、最近珍重しているが、鎌倉の古老は、「この魚は、我々の若かった頃までは、れっきとした人の食前に出ることはありませんでした。頭はいやしい者も食わず、切り取って捨てたものです。」と申していた。こんな下等なものも、世が末になると、上流社会まで入り込むのである。”・・・となるので、あろうが、ここに書かれているのは、生のカツオのことだろうが、当時、腐敗からの中毒を心配して、鎌倉武士が余り食べなかったようだ。
江戸時代に入ると、豊漁の際、腐敗を遅らせるためにマグロの身を醤油づけにした「ヅケ」が握り寿司のネタとして使われ出したのが普及のはしりという説がある。近代以降も戦前まではマグロも大衆魚で、主として赤身の部分が生食されていたという。脂身の部分である「トロ」はことに腐敗しやすいことから不人気で、もっぱら加工用だったが、冷凍保存技術の進歩と生活の洋風化に伴う味覚の濃厚化で、1960年代以降は生食用に珍重される部位となった。1995年の統計では、世界のマグロ漁獲量191万tに対し、日本の消費量は71万tと圧倒的で、しかもそのうち60万tを刺身・寿司等の生食で消費している。加工品では「ツナ」もしくは「シーチキン」(商標名)と呼ばれるサラダオイル漬けの缶詰が好まれている。ツナ(マグロのフレーク)の缶詰のことを、多くの人はツナ缶といわず、シーチキンと呼んでいる。「シーチキン」とはハゴロモフーズの登録商標で、同社以外のツナ缶は当然、シーチキンと呼んではいけないはずであるが、それなのに、私たちの日常会話では、一般的にツナ缶の総称としてシーチキンと呼んでおり、シーチキンがマグロのフレークの代名詞にまでなっている。それだけ、ハゴロモフーズ社の「ツナ缶」が市場においてダントツの占拠率を閉めているということであろう。今では、 サラダの具、サンドイッチの具、手巻き寿司の具、おにぎりの具等に使われるほか、 身がほぐれやすく調理に使いやすいため、様々な料理に利用されている。確かに、美味しくて、利用しやすい素材ではある。以下参考に記載の「ツナ缶料理レシピ/ホームクッキング【キッコーマン】」や、「ツナ缶 レシピ 94品 [クックパッド] 」など参考になる。しかし、これから、マグロの漁獲量も減ることから、このようなツナ缶も高くなるかもしれないね~。
(画像はごろもフーズ[シーチキン」。以下参考に記載のはごろもフーズHPより借用)
マグロ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%AD
はごろもフーズ・・シーチキン情報
http://www.hagoromofoods.co.jp/seachicken/index.html
日本神話の御殿 - 各種データベース
http://nihonsinwa.at.infoseek.co.jp/data/index.htm
まぐろテーマパーク・ツナ館
http://ju.st9.arena.ne.jp/
WRB魚図鑑
http://fishing-forum.org/zukan/
ツナ缶料理レシピ/ホームクッキング【キッコーマン】
http://www.kikkoman.co.jp/homecook/series/tsunakan02.html
ツナ缶 レシピ 94品 [クックパッド]
http://cookpad.com/search/category/560/
古事記 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BA%8B%E8%A8%98
[PDF] 志毘臣物
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/4566/1/92462_298.pdf
千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin.html
「鰹節の日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/f21e820171d589d598bbfb8cd4a816a7