今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「青峰忌」俳人・嶋田青峰のの忌日

2007-05-31 | 人物
今日(5月31日)は「青峰忌」。俳人・嶋田青峰の1944(昭和19)年の忌日。
嶋田青峰(しまだ せいほう)と言っても知らない人が多いだろうが、新興俳句運動に理解を示していたというだけで、1941(昭和16)年、「治安維持法」による新興俳句派に対する弾圧事件「俳句事件」に連坐して起訴され、3年後に留置場で喀血して釈放されたが、5月31日病状が悪化し亡くなった。
私も彼の略歴など特別知っているわけではないので、以下参考に記載のもの等を参考に書くと概ね以下の通りである。
島田青峰は、1882(明治15)年3月8日、三重県志摩郡的矢村生まれ 俳号の青峰は、故郷志摩の名山・青峰山よりとったものだそうである。本名は、賢平。早稲田大学英文科卒業後、中学の英語教員や早大講師をつとめ、1908(明治41)年、国民新聞社に入社。俳人・高浜虚子のもとで文芸欄を担当。虚子退社のあと、後を受けて学芸部長となった。 またその間、俳誌『ホトトギス』の編集を助けていたが、1922(大正11)年、篠原温亭とともに『土上(どじょう)』を創刊。温亭が没した1926(大正15)年以降は「土上」を継承、主宰者となった。『ホトトギス』系の柔軟かつ自由な俳風、俳句観で、新興俳句運動に理解をしめし、また、影響力をもつようになった。そして、新興俳句派の中には、社会主義ダダイスム( dadasme)への共感を示す者も現れた。そのようなことが原因で1941(昭和16)年、の新興俳句派に対する弾圧事件「俳句事件」に連座し検挙されることになったのである。
治安維持法は、国体や私有財産制を否定する運動を取り締まることを目的として制定された法律で、1925(大正14)年4月22日に公布され、同年5月12日に施行された。 同法の前身は、関東大震災後の混乱を受けて公布された「緊急勅令 治安維持ノ為ニスル罰則ニ関スル件」(大正12年勅令第403号)で、普通選挙法とほぼ同時に制定されたことから普通選挙実施による政治運動の活発化を抑制する意図など治安維持を理由として制定されたものと見られているが、また、1917〔大正6)年のロシア革命による共産主義思想の拡大を脅威と見て成立したともされている。これが、1928年(昭和3年)に緊急勅令「治安維持法中改正ノ件」(昭和3年6月29日勅令第129号)により、また大東亜戦争(太平洋戦争)を目前にした1941(昭和16)年3月10日にはこれまでの全7条のものを全65条とする全面改正(昭和16年3月10日法律第54号)が行われた。〔詳しくは、法律制定参照)
この治安維持法は強化され、その過程で多くの活動家、運動家が弾圧されたが、内地においては、京都学連事件が最初の適用例である。1930年代前半に左翼運動がほぼ潰滅すると、1935(昭和10)年の大本教への適用(大本弾圧事件)など新興宗教極右組織の取締りに用いられ、また必ずしも「国体変革」と結びつかない反政府言論抑圧にも機能した。
言論統制の中で、俳句にたいする弾圧は、主として反伝統派の総称たる「新興俳句」派の弾圧であったが、そのトップを切ったのが「京大俳句会」事件であった。発行作風の自由と批判の自由を内容とする「自由主義」を掲げた機関紙「京大俳句」は、やがて当時俳壇におこった新興俳句運動の一拠点となり、理論的、実践的両面において新しい俳句の確立を目指した。また、学外にも門戸をひろげたことにより西東三鬼俳句)や三谷昭(俳句)、高屋窓秋石橋辰之助(俳句)、渡辺白泉(俳句)ら全国の有力俳人も次々と参加…。定型(規準律、五・七・五の定型無視)、(季題無用)を提唱、またいわゆる「戦争俳句」などの問題と正面から取り組み、新興俳句運動の尖鋭的存在として活動した。例えば、西東三鬼の「逆襲ノ女兵士ヲ狙ヒ撃テ!」など多くの戦争俳句をつくっているが、1937(昭和12)年の廬溝橋事件以降戦争一色となる社会情勢の中、俳壇における革新的な気運は、不運にも治安維持法による取締りの対象とされた。そして1940(昭和15)年2月から3回にわたって「京大俳句」の主要メンバー計15名が特高警察に検挙されている。そして、1941(昭和16)年2月には、「土上」・「広場」・「俳句生活」・「日本俳句」など「新興俳句」派にたいする一斉検挙がおこなわれた。このうち「土上」は、高浜虚子の主宰する「ホトトギス」から脱退して無季定型による「生活俳句」運動を展開したグループであり、そのうち島田青峰(編集発行人)・東京三(のち秋本不死男)・古家榧子ら三名が検挙された。
これら4つの雑誌に拠る計13名の俳句作者が一斉に検挙され、うち7名が「コミンテルンおよび日本共産党の各目的遂行の為にする行為」で、「治安維持法」によって起訴され、1943(昭和18)年11月にいずれも禁錮2年執行猶予3年の判決を受けた。その中で、島田青峰は67才の老体で早稲田署に検挙され、肺結核が再発して留置場で朝4時すぎに喀血したのに昼すぎまで手当もせずに放置され、ようやく夕刻近くに帰宅を許されたが、その後一度も立つことができぬまま死んでいったという。これらの詳しくは以下を見れれるとよい。
法政大学大原社研_戦時中の俳句・短歌運動〔日本労働年鑑 特集版 第五編 言論統制と文化運動] 〕http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/senji2/rnsenji2-220.html
「わが影や冬の夜道を面伏せて」 嶋田青峰
私は一部しか見ていないので判らないが、嶋田青峰の作品には、批判的なものや過激的ななものは見られないようなのだが俳詩「土土」を主宰し、写実に徹する「新興俳句」に傾倒したことから、思想弾圧事件にまきこまれた犠牲者だと言えるのではないだろうか。先の句「。「わが影・・・」などは、数年後のわが身の悲境を予感しているようにも見える。
日本の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(通称:組織犯罪処罰法)6条の2が規定する組織的な犯罪の共謀罪の略称。
これを新設する法案は、一度2005年8月の衆議院解散により廃案となったが、同年の特別国会に再提出され、審議入りしている(経緯の詳細は#審議の経過を参照)。
この共謀罪新設を盛り込んだ関連法案の本格審議が始まった今月12日の衆院法務委員会。弁護士出身の民主党・辻恵議員(近畿比例区)質問の引き合いに出したのが、「治安維持法であり、、社会運動や思想を取り締まり、処罰するために制定された戦前の法律は、1925(大正14)年の公布当初は共産党を摘発対象にしたが、3年後、「結社の目的遂行のためにする行為」の規定が加えられ、性格は一変。法の適用対象が一挙に広がり、労働組合活動や文化運動、治安維持法の被告に対する弁護士の弁護活動まで、「共産党の目的のための行為」とみなされ、処罰されるようになった」・・と言うことであるが、確かに、当時は、そうであった。しかし、今の時代、そのようなことはないと思うが、最近の政府の憲法改問題等への動きを見ていると、確かに不気味な面がないでもない・・・ね。以下参照。
あなた見られてます 監視と安全のはざまで<上> 新・治安維持法  処罰の対象拡大の恐れ(北海道新聞)
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/03-1.php3
(画像は、新興俳人の群像「京大俳句」の光と影田島和生/著、出版社名 思文閣出版 )
参考:
早稲田と文学・嶋田青峰
http://merlot.wul.waseda.ac.jp/sobun/s/si014/si014p01.htm
俳句の雑学小事典
http://www5e.biglobe.ne.jp/~haijiten/
現代俳句協会「現代俳句データベース」
http://www.haiku-data.jp/
國民新聞- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%8B%E6%B0%91%E6%96%B0%E8%81%9E
治安維持法(大正14年法律第46号)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/tiannijihou.htm
共謀罪 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E8%AC%80%E7%BD%AA
治安維持法復活で得をするのは誰だ!?
http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2002_04_24/index.html
あなた見られてます 監視と安全のはざまで<上> 新・治安維持法  処罰の対象拡大の恐れ(北海道新聞)
http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/eye/03-1.php3
俳 句 の 歴 史
http://www.big.or.jp/~loupe/links/jhistory/jhisinx.shtml
京大俳句の光芒
http://www.shibunkaku.co.jp/artm/kyoudai/index.html
法政大学大原社研_戦時中の俳句・短歌運動〔日本労働年鑑 特集版 第五編 言論統制と文化運動] 〕http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/senji2/rnsenji2-220.html
各人の課題としてのリアリズム・古家榧子/初出「土上」(昭和12・1) /近現代日本文学史年表
http://uraaozora.jpn.org/hurukaku.html