今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

漬物の日

2007-05-21 | 記念日
毎月21日は「漬物の日」。
以下参考に記載の全日本漬物協同組合連合会の作成した広告で、「漬物の日」の謂れを読むと、以下のようであった。
愛知県海部郡甚目寺町には、日本に唯一、漬物の神様としてカヤノヒメを祭った萱津(かやつ)神社がある。カヤノヒメ(カヤヌヒメとも)は、日本神話に登場するの神である。古事記では鹿屋野比売神、日本書紀では草祖草野姫(くさのおやかやのひめ。草祖は草の祖神の意味)と表記し、古事記では別名が野椎神(のづちのかみ)であると記している。「ノヅチ」は「野の精霊(野つ霊)」の意味である。神産みにおいてイザナギイザナミの間に生まれた。神名の「カヤ」はのことである。萱は屋根を葺くのに使われるなど、人間にとって身近な草であり、草の代表として草の神の名前となった。
また、漬物の日の公告をみると、「この神社につけものについての云い伝えがあり、その昔、里人が土地からとれる野の初物、海辺からとれる藻塩(もしお)を初穂として、お供えしていた。しかし、せっかくの供物が腐ってしまうのを嘆いた人が、カメを供え、このなかに供物を入れてお供えしたところ、ほどよい塩漬となった。人々は時が経っても変わらない不思議な味を、神からの賜物として尊び、諸病免除、万病快癒の護符として、また保存食品として備蓄したとあり、いつの頃からか、これを「香の物」と書くようになった。萱津神社では、この故事に従い、毎年8月21日を「香の物祭」として祝っている。漬物業界では、21日を「つけものの日」と定め、つけものの普及につとめている。」・・・とあった。
漬物とは、野菜、場合によっては魚や動物などの食品を食塩などとともに漬け込み、保存性を高めるとともに風味を良くしたものを言い。「香の物」、「お新香」とも呼ばれるが、先の説明では、何故漬物を「香の物」と呼ぶのかの説明がない。
古事記・日本書紀においてヤマトタケル(日本武尊)東征の途中、萱津神社に立ち寄っている。村人たちが塩漬けの野菜の漬け物を献上すると「藪二神物(やぶにこうのもの)」と言われ、漬け物を表す「香の物」の語源になったとも言われている。広辞苑」を調べると「やぶにこうのもの」は「藪に剛(こう)の者」つまり、意味は「つまらないものの中に立派な人物がいる。また、藪医者の中にも巧者がいる」とあった。今使われている「藪に剛(こう)の者」も「こんな田舎に神から下されたような美味がある」といった意味の藪二神物」が語源になったのかもね。日本武尊が熱田神宮に鎮座された後、当地の人々は縁の深い「香の物」をお供えしたという。このことについては以下参考に記載の「なばなひとし迷想録」(その4)雑多な「漬け物」メモ書きが非常に詳しいので見られると良い。また、以下参考の「漬物ポータルサイト:全日本漬物協同組合連合会」に漬物の歴史が詳しく書かれているので、歴史のことは省略する。
ただ、中国の紀元前2~3世紀の古文書には、いずれも塩蔵品を示す言葉が見られ、漬物の存在が裏付けられているが、いずれも製造法の記載はなく、それが明らかになるのは6世紀中ごろに出た『斉民要術』以降で、 同書には、漬物を専門に解説した『漬・蔵生菜の法』という項目があって、菘〈ウキナ、小松菜の事〉蕪青〈カブ〉、蜀芥〈タカナ〉の鹹漬〈シオズケ〉法、湯漬〈イタメズケ〉法、醸漬〈マルヅケ〉法、菘根蘿蔔漬〈ダイコンスズケ〉法、瓜芥漬〈ウリカラシズケ〉法など、30余種の製造法を見る事が出来るそうだ。また、蔬菜(ソサイ)の項目で瓜類、(タデ)葉の中には醤蔵が、梅・杏の中に梅干が、そして『八和ノ韲』〈ヤカテノツキアエ〉の項でニンニク、生姜、陳皮(チンピ)、梅干、栗、飯、塩、酢の8種を臼でついて和え物を作り、この中に魚、肉などを入れた、日本の梅肉とカツオブシを練り合せた『ねり梅』を思わせる物が出ていると言う。『斉民要術』で興味深いのは、酢漬を『発酵漬物』と『調味漬物』の2つに判然と分けている点だという。
今でも漬物には発酵漬物と調味漬物があるので、漬物の作り方は当時と基本的には変らないということか。、発酵漬物は植物性乳酸菌などの微生物により熟成した漬物で、中でも米糠乳酸発酵させて作った糠(ぬか)床の中に野菜を漬けこんで作るぬか漬けは、日本を代表する漬物の一つである。ぬかにはビタミンB1、B2などが豊富に含まれており、ぬか漬けにすることにより、ぬかの栄養素も野菜に染み込んで良いのだとか聞いたことが有る。
調味漬物は調味料などで味付けをした漬物で簡単に作れて便利な漬物だ。今ではサラダ感覚の浅漬け千枚漬けそれに、奈良漬けのような伝統漬物などにも下漬けとして利用され、お漬物の主流となっている。日本の漬物の場合、中には柴漬けすぐき漬けのように強い酸味を持つものもあるが、乳酸菌による発酵は酸味が著しく強くならない程度に抑制されているものが多い。
漬物の技術は、乳酸菌発酵を十分に行うと野菜のみならず、動物質の保存にも有効となり、こうしたものは「なれ寿司」に分類されるが、「寿司」は、本来は発酵基質の糖質として炊き上げた米などの穀物を使用するこうした保存食を意味する言葉であった。これが即席の寿司の元となったものである。沢庵漬けのような糠漬けや、糠味噌床も、なれ寿司の穀物を乳酸発酵の基質として利用する技術の延長線上にあり、北陸の「へしこ」などにその中間型を見ることができるという。
栄養のことを考えなければ、暖かいご飯に、お漬物さえあれば、ご飯が美味しく食べれる。漬物は昔から、各家庭でも作られ、田舎などでは夫々味自慢があり、来客に、味噌や漬物を出すところもある。祖父が糠床の古漬けが好きで、毎日、それだけは人に触らせず、つばを呑み込みながら嬉しそうに自分で漬け込みをしていた。私は小さい時から可愛がられ、毎日美味しいからと食べさせられたが、最初は酸っぱかったがなれると美味しく病みつきになった。以来、漬物は古漬け党であったが、歳のせいか、この頃は、浅漬けが良くなった。漬物でご飯を食べていると、しみじみと日本人でよかったと思う。
(画像は、漬物を漬ける『漬物早指南』都立中央図書館蔵。NHKデーター情報部編、ヴィジュアル百貨『江戸事情』より)
参考:
「漬物の日」全日本漬物協同組合連合会で、作成した広告
http://www.jyuichiya.co.jp/kokoku.htm
漬物ポータルサイト:全日本漬物協同組合連合会
http://www.tsukemono-japan.org/
漬物 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%AC%E7%89%A9
斉民要術 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%89%E6%B0%91%E8%A6%81%E8%A1%93
調味料 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%BF%E5%91%B3%E6%96%99
なごや育ち-守口漬の尾張屋漬物の神様 萱津神社
http://www.owari.co.jp/jiten/kamisama/kamisama.html
ふるさと・甚目寺
http://www.jinsho.jimokuji.ed.jp/furusatohakkenn/furusatojimokujitop.htm
なばなひとし迷想録・なばなひとし迷想録
http://members.at.infoseek.co.jp/ncnycy/meiso14-4.html
ヤマトタケル - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E3%82%BF%E3%82%B1%E3%83%AB
飛鳥の扉>日本武尊
http://www.asukanet.gr.jp/tobira/yamatotakeru/yamatotakeru.htm
歴史シ-ト
http://www1.odn.ne.jp/~cdn43760/page005.html