1947(昭和22)年の今日(11月7日)、テネシー・ウィリアムズによる戯曲『欲望という名の電車』(A Streetcar Named Desire) がニューヨークで初演 された。演出は、エリア・カザン。マーロン・ブランド、ジェシカ・タンディ、カール・マルデンらの自然でリアルな「メソッド演技」によって舞台はセンセーションを巻き起こし、ロングランを記録する大ヒットとなった。1951(昭和26)年には、エリア・カザン監督で映画化された。出演者は、主役のヴィヴィアン・リーがジェシカ・タンディに代わって出ただけで、他は初演の舞台の顔ぶれである。この映画の日本初公開は、 1952(昭和27)年ではなかったかな・・・?。
「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という駅で乗り換えて、6つ目の角で降りたら「極楽」という通りがあるいわれたのだけれど・・・。そんな主人公ブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)の台詞で、この物語は始まる。
父親の死と共に身の置きどころを失った農場主の娘ブランチは、希望を求めて、ニューオリンズで暮らす妹ステラ(キム・ハンター)のもとへ前ぶれもなくやってくる。「極楽」という通りにある、古びたアパート。そこで待っていたのは、ステラの夫スタンリー(マーロン・ブライド)の粗野で暴力的な振る舞いだった。ベルリーヴという南部の町の大きなお屋敷で育ったというブランチは、妹の貧しく猥雑な生活に驚くが、スタン レーにとってもブランチのお上品ぶった気取った態度と、この街には不似合いな高価な衣装は目障りでたまらない。二人 は出会った瞬間から反発しあい、緊張は高まっていく。ブランチは、スタンレーの友人のミッチ(カール・・マルデン)の愛に最後の望みをかけるのだった が、そのミッチも彼女の真実を知り、露骨に肉体を求めてくる。そして、最後には、義弟の逞しい“男”に屈してしまう……。
『欲望という名の電車』の舞台はニューオーリンズのフレンチクォーター界隈である。南部の旧家のお嬢様だったブランチが落ちぶれていく様を、何とも悲しく描いた名作である。映画は 舞台版以上の成功を収め、アカデミー賞4部門を受賞。『欲望という名の電車』・・・この何とも印象的なタイトルが忘れられないのであるが、当時、ニューオーリンズには、「欲望」と「墓場」という路面電車が本当に走っていたそうである。また、スタンリーとステラが住む「極楽」という地名(ストリート)も存在していたという。ニューオーリンズ はアメリカ合衆国ルイジアナ州南部の、州最大の都市である。長くフランス領ルイジアナの首府であり、独自の文化を伝えている。市内のフレンチ・クォーターと呼ばれる一角は、開拓時代にフランスの大富豪が所有していたことから付いた名称で、その後、色々な人種が集まった土地になったようで、人種間の壁に関しても寛容な土地柄で、今なおフランス植民地時代の雰囲気が残っているそうだ。私などは、ニューオーリンズと言えば、偉大なジャズマン、ルイ・アームストロングの出た、ジャズの聖地としてぐらいの知識しかなかった。
そのニューオーリンズがつい最近、ハリケーン「カトリーナ」によって壊滅的な被害を受けていた。TVなどの報道を見ていても、被害にあった多くの人たちには黒人が多かったようである。これらの人たちは、ハリケーンが襲って来る前に、避難命令が出ているにもかかわらず、避難するための車を持っていないため、避難することもできず、止むを得ず町に居残った貧困者たちだという。神戸は、日本のジャズ発祥の地であり、毎年、10月には、国内外のジャズプレーヤーが、神戸・北野のライブハウスなどを中心に、一流の演奏を披露する「神戸ジャズストリート」が開催される。今年は、ライブハウスなどの会場に、このハリケーン「カトリーナ」で被災したジャズの本場・ニューオーリンズの復興を支援する募金箱も設置されていた。神戸が阪神・淡路大震災にあったときには、『ジャズの灯を消さないで』と神戸に多くの支援が寄せられていたという。一日も早く、復興をして欲しいものである。
(画像は、DVD「欲望という名の電車 」)
参考:
欲望という名の電車 Streetcar Named Desire
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5710/streetcar.html
the tokyo chamber opera theatre/欲望という名の電車
http://www.chamber-opera.jp/cgi-bin/works.cgi?workscd=5&connectid=8558&from=library
メソッド演技とは
http://www15.ocn.ne.jp/~k95yokoi/HOME/s1.htm
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「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という駅で乗り換えて、6つ目の角で降りたら「極楽」という通りがあるいわれたのだけれど・・・。そんな主人公ブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)の台詞で、この物語は始まる。
父親の死と共に身の置きどころを失った農場主の娘ブランチは、希望を求めて、ニューオリンズで暮らす妹ステラ(キム・ハンター)のもとへ前ぶれもなくやってくる。「極楽」という通りにある、古びたアパート。そこで待っていたのは、ステラの夫スタンリー(マーロン・ブライド)の粗野で暴力的な振る舞いだった。ベルリーヴという南部の町の大きなお屋敷で育ったというブランチは、妹の貧しく猥雑な生活に驚くが、スタン レーにとってもブランチのお上品ぶった気取った態度と、この街には不似合いな高価な衣装は目障りでたまらない。二人 は出会った瞬間から反発しあい、緊張は高まっていく。ブランチは、スタンレーの友人のミッチ(カール・・マルデン)の愛に最後の望みをかけるのだった が、そのミッチも彼女の真実を知り、露骨に肉体を求めてくる。そして、最後には、義弟の逞しい“男”に屈してしまう……。
『欲望という名の電車』の舞台はニューオーリンズのフレンチクォーター界隈である。南部の旧家のお嬢様だったブランチが落ちぶれていく様を、何とも悲しく描いた名作である。映画は 舞台版以上の成功を収め、アカデミー賞4部門を受賞。『欲望という名の電車』・・・この何とも印象的なタイトルが忘れられないのであるが、当時、ニューオーリンズには、「欲望」と「墓場」という路面電車が本当に走っていたそうである。また、スタンリーとステラが住む「極楽」という地名(ストリート)も存在していたという。ニューオーリンズ はアメリカ合衆国ルイジアナ州南部の、州最大の都市である。長くフランス領ルイジアナの首府であり、独自の文化を伝えている。市内のフレンチ・クォーターと呼ばれる一角は、開拓時代にフランスの大富豪が所有していたことから付いた名称で、その後、色々な人種が集まった土地になったようで、人種間の壁に関しても寛容な土地柄で、今なおフランス植民地時代の雰囲気が残っているそうだ。私などは、ニューオーリンズと言えば、偉大なジャズマン、ルイ・アームストロングの出た、ジャズの聖地としてぐらいの知識しかなかった。
そのニューオーリンズがつい最近、ハリケーン「カトリーナ」によって壊滅的な被害を受けていた。TVなどの報道を見ていても、被害にあった多くの人たちには黒人が多かったようである。これらの人たちは、ハリケーンが襲って来る前に、避難命令が出ているにもかかわらず、避難するための車を持っていないため、避難することもできず、止むを得ず町に居残った貧困者たちだという。神戸は、日本のジャズ発祥の地であり、毎年、10月には、国内外のジャズプレーヤーが、神戸・北野のライブハウスなどを中心に、一流の演奏を披露する「神戸ジャズストリート」が開催される。今年は、ライブハウスなどの会場に、このハリケーン「カトリーナ」で被災したジャズの本場・ニューオーリンズの復興を支援する募金箱も設置されていた。神戸が阪神・淡路大震災にあったときには、『ジャズの灯を消さないで』と神戸に多くの支援が寄せられていたという。一日も早く、復興をして欲しいものである。
(画像は、DVD「欲望という名の電車 」)
参考:
欲望という名の電車 Streetcar Named Desire
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5710/streetcar.html
the tokyo chamber opera theatre/欲望という名の電車
http://www.chamber-opera.jp/cgi-bin/works.cgi?workscd=5&connectid=8558&from=library
メソッド演技とは
http://www15.ocn.ne.jp/~k95yokoi/HOME/s1.htm
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