今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「世界のこどもの日(Universal Children's Day)」

2005-11-20 | 記念日
今日(11月20日)は、「世界のこどもの日(Universal Children's Day)」
1954(昭和29)年の国連総会で制定。国際デーの一つ。各政府が適当と考える日を「世界こどもの日」に選んで記念するよう提案されている。「児童の権利に関する条約」は、1959年に採択された「児童の権利に関する宣言」(総会決議1386(XIV))の30周年に合わせ、1989年11月20日に国連総会で採択された国際条約。我が国は、1990年9月21日にこの条約に署名し、1994年4月22日に批准を行っている。(同年5月22日に我が国について効力発生)。
条文は、前文と本文54ヶ条からなり、児童(18歳未満)の権利を包括的に定めており、簡単に言えば、生存、保護、発達、参加という4つの権利を子どもに保障している。
1. 生きる権利 ・・・防げる病気などで命を奪われないこと。病気やけがをしたら治療を受けられることなど
2. 育つ権利 ・・・ 教育を受け、休んだり遊んだりできること。考えや信じることの自由が守られ、自分らしく育つことができることなど。
3. 守られる権利・・・あらゆる種類の虐待や搾取などから守られること。障害のある子どもや少数民族の子どもなどは特別に守られることなど。
4. 参加する権利・・・ 自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり自由な活動を行ったりできることなど。
私も、5月5日のこどもの日は知っているが、この記念日のことについては良く知らなかったので、今回いろいろ調べていて、恥ずかしいな~と思ったことがある。それは、以下参考HP「ユニセフが訴えていること」の「子ども買春・子どもポルノ」を見て、そのなかにいまも、東南アジアを中心に、世界各地で多くの日本人が子どもを買春しているというのだ。そして、ユニセフから、「児童買春等禁止法改正に関する要望書」が政府に提出されているという。恥ずかしいことだ。早急に何とかして欲しいものだ。又、国内でも、少女への猥褻行為の強要や小さな子供を虐待する親のことなどが新聞やTVで報道されるのを見ていつも心を痛めている。
しかし、それと、同時に、この頃では、少年犯罪の若年化や凶悪化も問題となっている。これらの少年犯罪には、児童が犯罪を犯すだけの、社会的な背景や家庭内の問題など、それなりの原因が多くあるのだろうとは思うが、一方で、悪質な犯罪を犯す児童には、児童としての義務や責任といったものはないのだろうかといった疑問も感じられないことはない。
「最近の少年犯罪が凶悪化したか否か」という点に関しては、少年が凶悪犯で捕まる率が、ここ10年で3倍になったという事実があるとのこと。少年非行の概要について警察庁は「補導少年の増加、凶悪化は戦後の少年犯罪至史上で第4の上昇期を迎えた」と分析しているという。
このことについては、以下参考の「戦後の「少年犯罪多発期の特徴」で考察されているので、以下に要点を抜粋してみた。
「第一次少年犯罪多発期」─「貧しさ」ゆえの少年犯罪多発期
それは、1951(昭和26)年で、あの悲惨な戦争で日本は敗戦(1945年)し、都市は焼け野原と化した。そして都市部を中心とする子供たちは彼らを育てはぐくむ家庭や親を失い、飢え、また、大人たちも、敗戦の混乱の中で自らが生きることすら困難であり、そのような子どもたちに手を差し伸べることもできなかったことが起因している。
第二次少年犯罪多発期」──「寂しさ」ゆえの少年犯罪多発期
 戦後二度目の犯罪多発期の宣言が出されたのは、あの東京オリンピックの年、1964(昭和39)年であった。経済成長と共に、日本各地から多くの若者が労働者として京阪神などの工業地帯に、集められた。そして、日本の都市部各地に団地が造られ、彼等には、この団地での生活が文化的な理想の生活・・との夢となったが、夫一人の収入ではかなわず、「共稼ぎ」をする夫婦が増えた。そのような状況の中で「鍵っ子」が生まれ、この子たちは、夕方親のいない家に帰り、当時、一般の家庭ではテレビもない状況下で、ただただ寂しく親の帰りを待っていた。日本の「核家族化」の第一歩であり、子どもたちに人生を語る祖母や祖父もいなくなった。このような中から、寂しさを紛らわすために、家から外に出、同じ環境の仲間たちと夜遊びをはじめる子供たちがでてきた。そして、さまざまな非行や犯罪を犯し始めた。
「第三次少年犯罪多発期」──「落ちこぼれ」ゆえの少年犯罪多発期
 それは、1983(昭和58)年である。この年は戦後の中で、最も学校での非行・犯罪が多発した年だという。校内でのいじめ、暴力行為、器物損壊など、全国各地で学校が荒れた。日本は1970年代中頃から、高度経済成長も軌道に乗り、「一億総中流」といわれる時代を迎えた。この経済的な安定の中で多くの親たちが、「教育ママ」「教育パパ」と化し、又、その多くの親たちが我が子を少しでもいい学校に入れ、少しでもいい会社に就職をと血眼になった。そして、「受験戦争」を迎えた。本来、子どもたちは無限の多様な可能性を持った存在であるはずだが・・・。この頃から、人間をはかる物差しが、学力や知識量に偏重してしまった。その結果、学業の成績の悪い子は「落ちこぼれ」にさせられ、その子どもたちが、学校内を中心に非行・犯罪を繰り広げたのがこの時期であった。
「第4次少年犯罪多発期」ー今の時期を迎えたが、今では、○窃盗などの軽犯罪の天文学的増加 、○性非行、性犯罪の増加 、○女子非行・女子犯罪の増加 、○凶悪犯罪・異常犯罪の増加 、○薬物乱用 といったとんでもない犯罪が起こっている。
この背景には、まず、少年たちの規範意識の低下をあげることができ、これは、家庭や学校、地域社会の教育力が低下したことに起因しているという。次に、少年たちが自らきちんと物事を考えることができなくなってきていることにも原因があり、今や少年たちは幼児期より、受け身で生きる教育を受けている。親に振り回され、テレビ・ゲームに遊ばれ、学校では集団のなかで息をつく暇もなく生きている。・・・このような少年たちは、物事を自分で考えることが出来なくなっている。そのことから、彼らは常に周りを見回し、みんなのまねをしていく。それが「万引き」でも「薬物乱用」でも「暴走」でも「いじめ」でも……。自分の行為が、結果としてどのような状況を生み出すのかも考えていないのだと・・。また、いま少年たちは、メディアからの様々な情報に無防備なままさらされている。性に関しても、薬物に関しても、私たち良識のある大人ならば眉を潜めてしまうような情報が氾濫している。しかし、それらに対して、きちんと判断できる知識や良識を教えるべき家庭や学校が何もしておらず、ただ、それらを見ないように、見せないように、制限をかけようとしているだけではないかとの疑問を投げかけている。
実際、私なども、テレビなどを見ていても、どのマスメディアも、いつも、政治や社会のことについて、批判だけは一人前にやっている。しかし、自分達の扱っている番組がどれほど、低俗化し、子供たちに悪影響を及ぼすものを扱っているか・・・の反省はない。特に、最近のインターネット上には、下劣で悪質なものが多くある。しかし、自由主義社会・情報化社会といわれる今日において、情報を制御することは非常に困難である。それでは、今の、子供たちに、一体、家庭や学校、地域社会は、どのように係わっていくべきか・・・?私には、よく分からないが、本当に、皆で、考えなければならない時期に来ていると思う。そして、少年達が犯罪を起こさないような社会にしてゆかなければならないと思う。
(画像は、映画「暴力教室」1976年製作、配給 : 東映、主演:松田優作。DVD)
参考:
児童の権利条約(児童の権利に関する条約) ・・・外務省HP
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/
児童の権利に関する条約ーWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E7%AB%A5%E3%81%AE%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84
子供の権利条約・京都市情報館
http://www.city.kyoto.jp/hokenfukushi/kodomosos/stopgyakutai/rights/
ユニセフが訴えていること
http://www.unicef.or.jp/kenri/kenri.htm