今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「文化の日」

2005-11-03 | 記念日
今日(11月3日)は、国民の祝日の一つ「文化の日」である。国民の祝日に関する法律(祝日法)では「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としている。何か聞いたような文章だよね。そう、1946(昭和21)年11月3日に、日本国憲法が公布されたことを記念して、1948(昭和23)年に公布・制定されたものだ。日本国憲法の「前文」の要旨は「自由と平和を愛し,文化をすすめる」ということだったよね。戦争放棄・主権在民・基本的人権を宣言した新憲法を記念して平和への意思を基盤とする文化を発展、拡大させようというのがその趣旨である。
だから、この文化の日は、「憲法記念日」と”姉妹日”と言うことになるのかも・・・?。
この新暦11月3日(旧暦9月22日)は、明治天皇の誕生日「天長節」にもあたっている。天皇誕生日は、国民の祝日の一つで、今上天皇(在位中の天皇)の誕生日を祝う日で、第二次世界大戦終結までは、天長節(てんちょうせつ)と呼ばれていた。1872(明治5)年までは、9月22日に行われていたが、1873(明治6)年の太陽暦の採用にともない、9月22日を太陽暦に換算した11月3日に変更された。1912(明治45)年7月30日の明治天皇の崩御に伴い廃止されていたが、昭和(昭和2年=1927年)になって「明治節」(祝日)として復活していた。だから、文化の日は,かつての「明治節(それ以前は「天長節」」)にあたる」ということにはなるのだが、一応、このこととは関係なく定められた・・・ということになっている。確かに、この明治の時代は、「チョンマゲ頭を叩いてみれば文明開化の音がする」などと、囃されたくらいに、日本の近代化が強力に推し進められた時代である。その意味では、文化の日と関係がなくはないのだが・・・。文化の日には、毎年、皇居で、文化の発展に功労のあった人々に文化勲章が授与され、また文化功労者および各種褒章の受賞者の伝達式などが行われる。文化勲章は1937(昭和12)年に制定され、かっては、紀元節(2月11日)、天長節(4月29日=昭和天皇の誕生日)などに表彰式が行われてきたが、戦後の1948(昭和23)年以降は、文化の日に贈られることになった。
4月29日は、昭和天皇の誕生日であったので、1948(昭和23)年公布・施行の祝日法によって「天皇誕生日」として制定されていたが、1989(平成元)年に、祝日法の改正で「みどりの日」とされ、国民の祝日として残された。昭和天皇が自然を愛したことに因んだもので、国民の祝日に関する法律(祝日法)では「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としている。ゴールデンウィークを構成する日の一つであることから、2007(平成19)年からは4月29日を「みどりの日」から「昭和の日」と名称が変更される。又、5月4日を「みどりの日」とする改正祝日法が、参院本会議にて可決(2005年5月13日)され、2007年より実施されることが決まっている。
ただ、天皇誕生日を「文化の日」「みどりの日」などと変えなくても、その時代に大きな功績のあった天皇の誕生日を残したいのなら、最初からその日を「昭和の日」とか「明治の日」にしておけば良いのにと思うが皆さんはどう思いますか?。
それと小泉首相は総理大臣になって以来、小泉内閣メールマガジン を発信しているが、その小泉内閣メールマガジン 第19号( 2001/10/25)には、上海で開催されたAPEC首脳会合に出席したときの記事で、”それぞれの国には、それぞれできることがある。テロに対し、日本は戦闘には参加しない。しかし、政治的貢献とアフガンの復興にむけた貢献は可能だ。「天長地久(てんちょうちきゅう)」。邪悪を退治し、地球に恒久平和をもたらすという意味の老子の言葉。ブッシュ大統領に贈った流鏑馬(やぶさめ)の鏑矢(かぶらや)と弓を入れた木箱に揮毫(きごう)した。”・・・とあった。今日の天皇誕生日も、昔は天長節といい又、后陛下のお誕生日は「地久節」といったが、この天長節・地久節という呼び名もこの「天長地久」というところからできたそうだ。「天長地久」を国語辞書で引くと老子の言葉として、、”天地が永久に変わらないように、物事が永遠に続くこと。”としか書いてないが、老子第七章では、
”天は長く地が久し、天地の能(よ)く長く且(か)つ久しき所以の者は、其の自ら生ぜざるを以て、故に能く長生す。
是(ここ)を以て聖人は、其の身を後にして而も身は先んじ、其の身を外にして而も身は存す。其の無私なるを以てに非ずや、故に能くその私を成す。”
・・・とあり、老子は、この文章で無為自然と無私を薦めているのであり、「邪悪を退治する」といったような積極的態度までは薦めては居らず、これは少し、我田引水、強引な引用ではないだろうか。今日は「文化の日」少しは、文化的なことに触れ、聖人の教や諺なども正しく理解したいものだね。
(画像は、神戸鉄道蒸気車の図。明治初期、長谷川小信画。市民グラフこうべNo111より)
参考:
文化の日 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E3%81%AE%E6%97%A5
老子道徳真経
http://www2s.biglobe.ne.jp/~xianxue/laozi/laozi.html
天は長く地は久し
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/8318/etc03.html
天長節《MIDI》:黒川 真頼 、作曲:奥 好義 。詩と曲付。
http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/band/midi/tencho.html
天長節明治25年(1892年)3月14日『小学唱歌 第一巻』作詞作曲 伊沢修二。詩のみ。
http://www.d-score.com/ar/A04112413.html
日本文化キーワード事典・・・文化と言っても色々な文化がありますね。
http://www.japanlink.co.jp/ka/
小泉内閣メールマガジン
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/