今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

大工さんの日

2005-11-22 | 記念日
今日(11月22日)は「大工さんの日」
日本建築大工技能士会が1999(平成11)年に制定。
この日を記念日としたのは、11月が「技能尊重月間」であること、「十一」を組み合わせると「士」となり「建築士」にふさわしいこと、22日は大工の神様とされる聖徳太子の命日(622年2月22日)であること、「11二二」を組み合わせると、11はニ本の柱をあらわし、ニは土台と梁あるいは桁を表して軸組合の構造体となり、11月22日が大工との関係が密接であることからとか・・・。
(社)日本建築大工技能士会は、建築大工技能士及び建築大工技能者の住宅建築に係る技能の錬磨と資質の向上に努め、もって技能者の社会的・経済的地位の向上を図るとともに、住宅建築産業の健全な発展に寄与することを目的とし、設立された・・・とあり、今、世間で話題を呼んでいる厚生労働省所管の公益法人の一つである???。
飛鳥・天平時代は、朝鮮半島や中国から建築技術を取り入れた時期である。仏教が百済王により伝えられた所謂仏教公伝(538年)の頃以降、日本でも寺院が建築されるようになった。588年から609年にかけて蘇我氏が朝鮮から来た慧滋〔えじ〕と慧聡〔えそう〕という僧侶に飛鳥寺(法興寺、元興寺とも)を建てさせた事に始まる。又、「日本書紀」によれば、593年に造立が開始されている摂津国の四天王寺は、聖徳太子が朝鮮から来たこの二人の僧侶から教えを受けて創建した日本最古の伽藍とされている。このことが、今でも宮大工の間では聖徳太子を大工の神様として拝まれている由来なのであろう。昔はこのように僧侶が自身の寺社の建築や修理にたずさわっていたようである。当時の伽藍配置や技法には、百済の寺院との共通性が指摘されているという。遣隋使・遣唐使の時代になると、中国の建築様式の影響が強くなり、平安時代、国風文化(中国の影響が強かった奈良時代の文化=唐風に対して呼ぶ)の時代になると建築様式も日本化し、柱を細く、天井を低めにした穏やかな空間が好まれるようになった。平安時代以降には日本独自の形態として発展し、この建築様式を和様と呼んでいる。
これら昔の建物は釘をほとんど使わずに木を組み合わせて建てている。また、「礎石〔そせき〕」という石を建造物の土台にしてその上に柱を立てているが、こうすることによって地震の揺れに対する反発を抑え建物の崩壊を防ぐ事ができるのだそうだ。また地面から木材に湿気が吸い上がるのを防ぎ、木材を腐りにくくする工夫でもあるという。日本は、地震の多い国であるが、このような古い建物が今に伝わっているのも、昔の、このような建築方法の方が地震などの自然災害に耐え得る耐震性をもっていたのだろうね。正に、匠の知恵と言うところか・・・。これら古くからある国宝や重要文化財等に指定されている伝統的な建築物などを保存するには高度な技術が必要である。そして、これらの国宝や重要文化財に指定されている古い建物の修理などは、専門的な技術をもった宮大工と言われる人たちによって行われている。しかし、このような文化財を修理できる宮大工の高齢化が進み、50人前後にまで減少しているという。しかし、後継者の育成を試みてはいるものの、今時、厳しい修行の中で時間をかけて高度な技術を修得しようとする若者が少ないのが実情のようである。今の時代、若者達の間には「セレブ」などといった言葉が流行しているが、身体を使って汗して働くことよりも、ホリエモンたちなどのように、頭を使って、投資などにより、楽に大金を稼ぐことが理想の世の中になっている。いずれは、日本の釘を使わない国宝級の伝統的古い建物も、鉄の釘で、修理するような時代が来るのかもしれない。今の外国かぶれの日本人には、日本の伝統を守ろうとする意識は低いからね~。日本の伝統的な国技である相撲も、今は、外国人力士が優勝争をする時代だから・・・。俺は、日本人だ。俺が日本の伝統を守ってやる・・・なんて、粋のいい奴は出てこないかな~。
(画像は、絵葉書より「大阪四天王寺」)
参考:
日本建築史ーWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%8F%B2#.
元興寺 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E8%88%88%E5%AF%BA
四天王寺- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E7%8E%8B%E5%AF%BA
大工辞典
http://www.rinku.zaq.ne.jp/daiku/jisyo/mokuji.html