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ヴィクトリアマイル2024回顧

2024-05-13 06:04:33 | 大レース回顧集


春の最強牝馬決定戦「第19回ヴィクトリアマイル」が12日、東京競馬場で行われた。G1初挑戦でブービー14番人気のテンハッピーローズが鮮やかに差し切り、鞍上の津村明秀(38)ともども、うれしいG1初制覇。単勝2万860円はG1史上4位の高配当となった。4番人気フィアスプライドが2着、1番人気マスクトディーヴァは3着で3連単は91万6640円だった。
 テンハッピーローズが先頭でゴール板を駆け抜けると、鞍上の津村は右手で力強いガッツポーズを決めて人さし指を突き上げた。「無我夢中でした。直線が凄く長く感じて必死に追ってました」。レース直後のインタビューでは涙。48回目の挑戦で念願のG1タイトルを獲得した苦労人は「ここまで本当に長くて。もうG1では勝てないかもしれないと思っていたが、それでも諦めたら駄目だと。どんな時でもなんとか乗れるようにと思いながらやってきた。たどり着けて良かった」と喜びを口にした。

 鞍上の思いが通じた。直線残り200メートル、テンハッピーローズが先に抜け出したフィアスプライドに並びかける。勢いそのまま抜群の瞬発力を披露して抜き去ると、最後は1馬身1/4差。単勝200倍超の低評価が信じられないほどの完勝劇だった。

 愛馬はこれがマイル初勝利。「元々掛かる面があり1400メートルの方がちょうど良かったが、近2走の走りから大丈夫そうだなと」と鞍上。管理する高柳大師も「ポテンシャルがあるのは分かっていた。人気はなかったけれど実力を示すことができて良かった」と高く評価した。今後は未定だが、この内容なら牡馬との対戦でも楽しみだ。

 津村は競馬学校騎手課程の20期生。同期には川田、藤岡佑、吉田隼らのG1ジョッキーがいる。その中で卒業時に優秀な生徒に贈られるアイルランド大使特別賞を受賞した技術の持ち主だったが、ビッグタイトル獲得までの道のりは長かった。これまでG1ではカレンブーケドールで挑んだ19年オークス、秋華賞、ジャパンCでいずれも2着。何度も唇をかんできたが、ついに報われた。

 「家族の支えが一番大きい。応援してくれている妻と息子2人が背中を押してくれた。帰ったらみんなを抱きしめたい」。この日、家族3人はJリーグ観戦に出かけている中、大黒柱が東京競馬場でスーパーゴールを決めた。「(今日の勝利で)まだまだ勝ちたいという気持ちが強まってきた。またウイニングランがしたい」。マイルの女王に輝いたテンハッピーローズと津村の物語はまだ始まったばかりだ。

 ◆テンハッピーローズ 父エピファネイア 母フェータルローズ(母の父タニノギムレット)18年2月26日生まれ 牝6歳 栗東・高柳大厩舎所属 馬主・天白泰司氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績24戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億6885万3000円 馬名の由来は冠名+幸福+母名の一部。

 ◇津村 明秀(つむら・あきひで)1986年(昭61)1月5日生まれ、千葉県出身の38歳。美浦・鈴木伸厩舎から04年3月デビュー。06年ラジオNIKKEI賞(タマモサポート)で重賞初勝利。今年は中山金杯、フラワーCに続いて重賞3勝目。JRA通算1万1237戦653勝(重賞18勝)。1メートル68、51キロ。血液型O。



2024年 ヴィクトリアマイル(GⅠ) | 第19回 | JRA公式



11 レース 第19回 ヴィクトリアマイル(GⅠ) 4歳以上オープン 1,600(芝)(牝)定量 15時40分

本賞金:13000,5200,3300,2000,1300万円

  1 1 ライラック 牝5 56.0 戸崎圭太 相沢郁
★ 2 2 フィアスプライド 牝6 56.0 C.ルメール 国枝栄
  2 3 スタニングローズ 牝5 56.0 西村淳也 高野友和
X 3 4 コンクシェル 牝4 56.0 岩田望来 清水久詞
▲ 3 5 ウンブライル 牝4 56.0 川田将雅 木村哲也
〇 4 6 マスクトディーヴァ 牝4 56.0 J.モレイラ 辻野泰之
  4 7 ハーパー 牝4 56.0 池添謙一 友道康夫
  5 8 サウンドビバーチェ 牝5 56.0 松山弘平 高柳大輔
  5 9 テンハッピーローズ 牝6 56.0 津村明秀 高柳大輔
◎ 6 10 ナミュール 牝5 56.0 武豊 高野友和
  6 11 ルージュリナージュ 牝5 56.0 横山和生 宗像義忠
  7 12 キタウイング 牝4 56.0 杉原誠人 小島茂之
△ 7 13 モリアーナ 牝4 56.0 横山典弘 武藤善則
  8 14 フィールシンパシー 牝5 56.0 横山琉人 小島茂之
☆ 8 15 ドゥアイズ 牝4 56.0 鮫島克駿 庄野靖志


11 レース 第19回 ヴィクトリアマイル(GⅠ) 4歳以上オープン 1,600(芝)(牝)定量 15時40分

1 枠5黄 9 テンハッピーローズ 牝6 56.0 津村 明秀 1:31.8 10 8 33.9 458(-4) 高柳 大輔 14
2 枠2黒 2 フィアスプライド 牝6 56.0 C.ルメール 1:32.0 1 1/4 3 3 34.9 470(-8) 国枝 栄 4
3 枠4青 6 マスクトディーヴァ 牝4 56.0 J.モレイラ 1:32.0 クビ 7 8 34.1 454(-2) 辻野 泰之 1
4 枠8桃 15 ドゥアイズ 牝4 56.0 鮫島 克駿 1:32.1 クビ 7 6 34.4 472(+4) 庄野 靖志 11
5 枠6緑 11 ルージュリナージュ 牝5 56.0 横山 和生 1:32.2 1/2 15 15 33.6 448(+2) 宗像 義忠 13
6 枠3赤 5 ウンブライル 牝4 56.0 川田 将雅 1:32.2 アタマ 5 6 34.6 474(-2) 木村 哲也 3
7 枠7橙 13 モリアーナ 牝4 56.0 横山 典弘 1:32.3 1/2 13 13 33.9 488(+6) 武藤 善則 6
8 枠6緑 10 ナミュール 牝5 56.0 武 豊 1:32.3 クビ 13 13 33.8 452(前計不) 高野 友和 2
9 枠2黒 3 スタニングローズ 牝5 56.0 西村 淳也 1:32.6 1 1/2 3 3 35.5 490(0) 高野 友和 5
10 枠5黄 8 サウンドビバーチェ 牝5 56.0 松山 弘平 1:32.7 3/4 5 5 35.2 506(0) 高柳 大輔 12
11 枠7橙 12 キタウイング 牝4 56.0 杉原 誠人 1:32.9 1 1/4 12 11 34.7 444(+6) 小島 茂之 15
12 枠8桃 14 フィールシンパシー 牝5 56.0 横山 琉人 1:33.0 1/2 2 2 36.1 456(+2) 小島 茂之 10
13 枠3赤 4 コンクシェル ブリンカー 牝4 56.0 岩田 望来 1:33.5 3 1 1 36.7 476(+2) 清水 久詞 7
14 枠1白 1 ライラック 牝5 56.0 戸崎 圭太 1:33.7 1 1/2 9 8 35.8 440(+8) 相沢 郁 9
15 枠4青 7 ハーパー 牝4 56.0 池添 謙一 1:33.9 1 1/2 10 11 35.7 468(-2) 友道 康夫 8

ハロンタイム 12.2 - 10.5 - 11.1 - 11.6 - 11.4 - 11.6 - 11.7 - 11.7
上り 4F 46.4 - 3F 35.0
コーナー通過順位
3コーナー 4,14(3,2)(5,8)(6,15)1(7,9)12-(10,13)11
4コーナー 4,14(3,2)-8(5,15)(1,6,9)(12,7)(10,13)11
払戻金
単勝
9 20,860円 14番人気
複勝
9 1,950円 14番人気
2 320円 4番人気
6 130円 1番人気
枠連
2-5 11,100円 24番人気
ワイド
2-9 15,840円 72番人気
6-9 5,380円 44番人気
2-6 470円 3番人気
馬連
2-9 93,690円 71番人気
馬単
9-2 303,260円 158番人気
3連複
2-6-9 43,750円 101番人気
3連単
9-2-6 916,640円 1007番人気



・9 テンハッピーローズ・・・道中はハーパーを見る形で中団よりやや後ろ。直線坂上手前で一気に加速。先に先頭に躍り出たフィアスプライドの脚色が一杯になったところを一気に交わして先頭に立つや、そのまま押し切った。14番人気で単勝20860円。

2歳時はアルテミスステークスで3着に入り、3歳時はフェアリーステークスで1番人気(4着)に推されるなど、クラシック候補の一頭として期待されたが、チューリップ賞で10着大敗したことでクラシック戦線を離脱。2022年5月のフリーウェイステークス勝利後にオープン入りしたが、その後勝利を収めたのは、2023年8月の朱鷺ステークスだけ。オープン入り後は重賞で入着すらない。

人気を二分した、ナミュールが出遅れ、マスクトディーヴァが馬群を捌くのに苦労していたのに対し、当馬は満を持して坂上手前から追い出した。前団勢の脚色が一杯になったことも手伝い、鋭い切れ味で坂を駆け上がると、そのまま1着ゴールで飛び込んだ。重賞で着順掲示板すら上がれない馬とは思えぬ快走だった。

デビュー時から、一貫して1400~1600mの出走。ただ、過去の実績を見る限り、基本的にマイルは少々長いので、1400がベストのようだ。今後はレースを選んで出走することになろう。

・2 フィアスプライド・・・終始3番手をキープ。直線では一旦先頭に立った。しかし、先頭に立った時点で脚色が一杯になったところ、外からテンハッピーローズに来られた。それでも、ゴール直線でようやく馬群を捌いて突っ込んできたマスクトディーヴァを抑えた点は今後に繋がりそう。

・6 マスクトディーヴァ・・・道中馬群に揉まれっぱなし。ほとんどレースらしいレースができなかったが、ゴール直前、何とか内目めがけて突っ込んできた。それでも、3着が精いっぱい。

・15 ドゥアイズ・・・中団より前目の位置。粘りある走りで入着。

・11 ルージュリナージュ・・・最後方から一気に伸びて入着

・10 ナミュール・・・まさかの出遅れだった。その後は落ち着きを取り戻したかに思われたが、直線では伸びを欠いた。
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