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文田健一郎が金メダル:レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級

2024-08-07 08:59:58 | オリンピック問題と話題
レスリング 文田健一郎メダル確定 悲願の金へ決勝進出 【パリオリンピック2024】© テレビ朝日



レスリング男子 文田健一郎 金メダル グレコ60キロ級 パリ五輪
2024年8月7日 3時08分


パリオリンピック、レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級で、文田健一郎選手が金メダルを獲得しました。日本選手がグレコローマンスタイルで金メダルを獲得したのは1984年のロサンゼルス大会の宮原厚次さん以来、40年ぶりです。

パリオリンピック、レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の決勝で、文田健一郎選手が中国の選手に4対1で勝ち金メダルを獲得しました。日本選手がグレコローマンスタイルで金メダルを獲得したのは1984年のロサンゼルス大会以来、40年ぶりです。

前回の東京大会で銀メダルを獲得した文田選手は、準決勝で去年まで世界選手権を2連覇していたキルギスの選手に競り勝って決勝に進みました。

準決勝
決勝では世界ランキング2位の中国の曹利国選手と対戦し、前半に相手を回転させるなどして3ポイントのリードを奪って折り返しました。

後半、文田選手は2ポイント差に迫られ、さらに相手に回転させられそうになりましたが、何とか耐えて追加のポイントを与えませんでした。

その後、相手のチャレンジ失敗による1ポイントを加えた文田選手は4対1で勝ち、決勝で敗れた東京大会の雪辱を果たして金メダルを獲得しました。

決勝
日本選手がグレコローマンスタイルで金メダルを獲得したのは1984年のロサンゼルス大会の宮原厚次さん以来、40年ぶりです。

銀メダルは曹選手、銅メダルはキルギスのゾラマン・シャルシェンベコフ選手と、北朝鮮のリ・セ ウン選手でした。

「声援を送ってくれる人の思いが力になった」
文田選手は「現地や日本から声援を送ってくれる人の思いを全部背負って戦ったことが力になった」と感謝の気持ちを述べました。

またグレコローマンスタイルでは日本選手として40年ぶりの金メダルとなったことについては「40年間勝てていなかったことに対して悔しい気持ちが大きかった。40年ぶりに動き出した日本のグレコローマンが、このまま順調に歩んでいくきっかけの金メダルになったらいいと思う」と話していました。

「この景色は絶対に忘れない」
文田選手は優勝を決めたあと家族に手を振る姿を見せていて「娘も手を振ってくれて『世界一のパパ』を見せて負けているパパを見せないと決めていたので、それがかなえられた。パパの目標はクリアかなと思う」と話していました。

そして表彰式のあと金メダルをかけて取材エリアに現れると、東京大会では銀メダルだったことを踏まえ「東京のメダルセレモニーで自分の胸に銀メダルをかけたのが本当に悔しくて、3年後は金メダルは自分の首にかけると誓っていた。そのときの悔しさが金メダルをかけさせてくれた」と喜びを語りました。

そして大歓声を受けた表彰式を「本当にかみしめながら1秒たりとも逃さないよう、大事にセレモニーを受けた。この景色は絶対に忘れないと思う」と話していました。

東京五輪で敗れ 悔し涙を流してから3年
「オリンピックの悔しさはオリンピックでしか返せない」

東京オリンピックの決勝で敗れ悔し涙を流してから3年、パリ大会で雪辱を果たすために文田選手は自問自答を繰り返しながらレスリングに向き合ってきました。

幼いころから投げ技を磨いてきた文田選手。

前回の東京大会の決勝では対策を練ってきたキューバの選手を相手に得意の形に持ち込むことができず敗れたことからいったんは投げ技を封印し、守りを固めるレスリングスタイルを模索してきました。

ところがその新たなスタイルで臨んだ去年9月の世界選手権の決勝で、キルギスのゾラマン・シャルシェンベコフ選手に投げ技で次々とポイントを奪われ敗退。

かつて自分が得意としていたスタイルで戦う相手との試合を終え「楽しいし、ずっとやっていたいと思えるような試合だった。もっと自分のレスリングに自信を持てるようにしないといけない」と、再び新たな戦い方を探りました。

そしてパリ大会まで1年を切った中、取り組み始めたのが“ハイブリッド”ともいえるスタイルです。もともと得意にしていた投げ技を軸に、その後、磨いてきた守備的な技術も盛り込むことにしました。

パリ大会前には「これまではどちらかに固執してしまっていたが、今の自分にすごく合っている。守るところは守るし、攻めるところは攻める、自分のすべてを出したい」と確かな自信を手にしていました。

そして「この3年の葛藤をマットで全部晴らす」とパリの舞台に臨み準決勝ではシャルシェンベコフ選手に雪辱を果たすと決勝も制しました。

敗戦のたびに自問自答を繰り返しながら成長を遂げた文田選手は3年分の思いをすべて出し切って雪辱を果たし、悲願の金メダルを手にしました。

40年ぶり 価値ある金メダル
文田選手がもたらした金メダルは、日本の男子グレコローマンスタイルとしては40年ぶりとなる価値あるものになりました。

レスリングにはフリースタイルとグレコローマンスタイルがあり、2つのスタイルの主な違いは攻防において全身を使うか、上半身だけを使うかという点にあります。

フリースタイルはタックルを軸とした全身を使ったスピード感あふれる攻防が見どころです。

一方、グレコローマンスタイルは下半身を使った攻防は禁止されていて、上半身だけを使って争い、組み合った状態から相手の胴体をつかんで豪快に投げる技などが見どころです。

オリンピックではフリースタイルは男女で行われていますが、グレコローマンスタイルは男子のみ行われています。

グレコローマンスタイルの魅力の1つである豪快な投げ技は子どもには安全面で懸念が残るとして、レスリングを始めるときはフリースタイルから取り組むのが一般的だということです。

そのため日本ではグレコローマンスタイルは中学生以下の全国大会では実施されておらず、フリースタイルの選手が高校生になってから始めるのが主流になっているということです。

この結果、海外勢に比べて経験値が劣る選手が多いため、日本はオリンピックで苦戦してきたとも話す関係者もいます。

選手としてロンドンオリンピックに出場した長谷川恒平さんは、文田選手が出場した試合のテレビ中継の解説の中で「上半身だけという制約の中での攻防の難しさ、おもしろさが文田選手の活躍によって広がったと思う。グレコローマンの魅力が広がってほしい」などと話し、普及や競技力の向上への期待を寄せていました。
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