公営競技はどこへ行く

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南野拓実、三笘薫、吉田麻也のキックはいずれもお粗末で、日本にとって残酷な結末となった。

2022-12-09 08:25:15 | スポーツ
なぜ日本代表は列強2か国を破り、しかしクロアチアに勝てなかったのか。海外記者が分析。「森保監督の戦術は見事だったが…」【W杯】サッカーダイジェストWEB - 2022年12/8 20:09

日本にとってクロアチア戦の敗北は、世界トップレベルにおける現在地を確認する場になった。確かにその中には、長年日本が抱えている課題も散見された。とはいえ、格上相手に初のベスト8進出を目ざしてチーム一丸となって戦う姿は日本人でもアジア人でもない中立の立場の人間にとっても胸を打つものがあった。

日本のサッカーは、仕組み、個の力、伝統という観点において、欧州のサッカー大国にはまだまだ遠く及ばない。そんな中で、わたしが今回のW杯で、日本代表が大きな価値を見出したと考えるのが、「できる」という動詞を「したい」に変えて、ドイツ、スペイン、クロアチアという欧州の強豪国と対峙したことだ。

サッカーは自分の強みやスキルを活かして、相手の嫌がることをするスポーツだ。その意味で、今回の日本代表は、コスタリカを除いた前述の3チームに対して、そのお手本のような戦いを見せた。ポイントとなるのは、相手にポゼッションを許し、守る時間が増えても、チャンスを伺いながら常に主体性を持ってプレーしていたことだ。

つまり日本は「できる」試合運びではなく、自分たちが「したい」試合運びをした。ドイツ、スペイン、クロアチアに制圧されても、守れるところで守るのではなく、守りたいところで守り、奪えるところではなく、奪いたいところでボールを奪った。

攻撃も同様だ。したいように走り、ゴールに迫り、フィニッシュに繋げた。相手のミスを待つのではなく、自分たちからアクションを起こし、誘発させた。そこには相手チームのパフォーマンスの良し悪しに左右されることなく、自分たちを信じて戦う揺るぎない信念があった。

クロアチア戦でも、森保一監督は、2つのバリエーションを用意し、戦略家ぶりを見せつけた。1つ目は、相手MFの背後に顔を出してボールを受けるプレーをさせれば、おそらく日本代表では右に出る者がいない堂安律にその役割を託し、相手DFに大きなダメージを与えたことだ。また後方では遠藤航が的確にパスを左右へと散らすことで、手数をかけない攻撃が得意な日本に縦への推進力をもたらし、相手のアンカー、マルセロ・ブロゾビッチを揺さぶった。

先制点をもたらした2つ目のバリエーションもまた見事だった。ショートコーナーで変化をつけ、ゴール前のスペースを空けたうえで堂安がバックスピンのかかったクロスを入れて、前田大然の先制点を呼び込んだ。

では、なぜ日本は敗れたのか? 日本の弱点に何も秘密はない。クロアチアの同点ゴールはデヤン・ロブレンのクロスを176センチの伊東純也に競り勝った186センチのイバン・ペリシッチにヘディングシュートを叩き込まれたものだった。

このサイズの差は非常に大きく、試合中の様々な局面で露見された。このクロスボールの対応は、戦術面、競争面において日本の大きな課題だ。ましてやクロアチアは今大会中屈指のフィジカル軍団だ。その弱みを突かれるのは必然だった。

そして、PK戦で明らかになったのが、キッカーを担った選手たちの覚悟と経験において両チームの間に小さくない隔たりがあったことだった。

日本代表の欧州組は今大会19人まで増え、確実に経験値は上がっている。しかしW杯のベスト8進出を懸けたPK戦という極度の重圧がかかる中ではまだ不足感が目立った。南野拓実、三笘薫、吉田麻也のキックはいずれもお粗末で、日本にとって残酷な結末となった。

日本の今回の戦い方は、短期決戦向きであったことは確かだ。またW杯という特別な舞台が選手たちのモイベーションに火をつけたのも間違いないだろう。しかしそれも森保監督の選手交代も含めた明確なプラン、選手たちの戦術遂行力、そして驚異的な献身性がなければ、スペイン、ドイツという強豪を撃破することも、クロアチアをあと一歩まで追い詰めることもなかったはずだ。

日本は確かなインパクトを残してカタールを去った。その戦いぶりは我々の記憶にも刻まれることになるだろう。すべては「できる」プレーではなく、「したい」プレーをするという主体性がもたらした結果である。

分析・文●アレハンドロ・アロージョ(ドリブラブ)

翻訳●下村正幸
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