『 ふるさとの山に向かひて言うことなし ふるさとの山はありがたきかな 』
ちょっと気取ったわけでもないが、明日の真夏日予報を前に、まさしくやま・ヤマ・山に囲まれた小さな集落のふるさとに出かけた。
皐月の山は樫の木やブナ、クヌギなど広葉樹の新芽が萌えい出て「山笑う」と表現される通り、右も左も山の笑い声が聞こえてきそうな素晴らしい景色が歓迎してくれる。
夏は盆踊りで二重三重に輪ができるほどの賑わいもあった集落の鎮守様境内。拝殿、本殿を覆うように守っている広葉樹林。出来るならこのまま後世に残したい絵になる風景だが、鎮守様を守る総代さんや講も形骸化した今、それを望むのは難しい。
ウサギやヤマドリを追いかけた、ふるさとの山はありがたきかなと思われた故郷の山が、負の遺産などと言われかねないのが現実である。先祖から受け継いだ不動産であったはずなのに、固定資産税に悲鳴の声も聞こえてくる。
それにしても何にしても、ふるさとの山に向かひて言うことなし。気持ちを安らげ英気を養うには持ってこいの、ふさとの山はありがたきかな。である。