8月も早10日を迎えた。間もなくお盆を迎える。
迎え火、送り火を焚く習慣のないこの地域はあるが、お盆を前にしたこの時期に、やっておかないと気が済まないことがある。
それが、お墓の掃除である。家からクルマで約15分。国道から少し山側になるが、お墓の近くまでクルマが入れる場所にある。
地理的には決して不便でもないし、山道を歩くこともない。
ただ、昔からの共同墓地であるのに、水道の1本も引かれていない。先祖に捧げる水さえも家から持参しなくてならない不便さはある。
従って、お墓掃除用の水はバケツ3杯ほどクルマで運ぶという厄介はある。
地理的には便利であるにもかかわらず、足を運ぶ回数は限られている。墓掃除に行く頃には、墓石周辺には結構草が生えており、先ずは草取りから。
石塔を磨き、供物台、花立てなど、動かせる石は全て動かし、接触部に溜まった垢を取り除き、完璧に磨き上げる。相当のエネルギーを要する。
暑さを避け、日の暮れ時分の涼しさを狙って出かけるものの、半端でない汗は流れる。
今年は格別な暑さが続き、夕立も来ないせいかヤブ蚊が少ないのは有り難かった。
そんな墓掃除も今は私たち夫婦で出来ている。クルマも運転できるし、バケツも運べる。墓石もある程度動かせる。
もう少し年老いたら、さていったいどうなるのだろう。ましてや私たち夫婦がお墓に入った後は、誰がどのようにするのだろう。
幸い、女一人男一人の二人の子どもがいる。両方に孫もいるから血筋が途絶えることはないと安心はしている。
しかし、血筋を受け継ぐことと墓を守ることは、内容が少し異なると思う。単純に順番から行けばやはり長男夫婦が面倒見ることになるのだろう。
先祖代々続いてきた墓を守るという義務が、この頃では「一つの負の遺産」を背負わせることになるのではないか、と心配になるご時世である。
さてどうしたものだろう。我々が元気なうちに一度、具体的な話し合いをしてみる必要はありそうだ。