「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「涼を求めて、その極めつき」

2013年08月11日 | 旅行・レジャー

             
                      幻想の洞窟、巨大な口を開いた入口

正確には、山口県美祢市秋芳町秋吉にあるカルスト台地秋吉台の地下100m、その南側の麓に入口を持つ、日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞(あきよしどう)」。入口近くの入場券売り場あたりまで行くと、この炎天下でさえ、ひんやりと肌をさす冷気が漂う。
ぽっかり大きな口を開けた秋芳洞の入口。洞内から音を立てて流れ出る水は三段の滝となり、霧状となって、まさしく天然の水冷式クーラーを想い起す。その水の色は、空と森の色を吸収してコバルトブルー。

洞内の観光コースは約1km(総延長8.9km)、温度は四季を通じて17℃で一定し、夏涼しく冬は温かいのだという。
涼を求めて色々試したこの夏の数日。まさにこれ以上ない極上の「極めつきの涼」に出会えた。
しかも、時間が止まったような自然の造形の数々は変化に富み、世の中の不思議はまだまだ多くが身近なところにあるものだ、と大きな感動を呼び起こさせてくれる。

    
沢山の並んだ皿に水をたたえた「百枚皿」              鍾乳石で盛り上げられた「洞内富士」   
    天井から滴る鍾乳石が床まで届いた「大黒柱」         巨大なかぼちゃを思わせる「南瓜岩」
        
   洞内最大の呼び物「黄金柱」その高さは40mに及ぶ  ひと回りした出口から、外の景色を望む

片道140kmの行程を、高速道路と普通道路を乗り分けておよそ2時間。秋芳洞に着いた。さて何年振りのことだろう。
連日連夜のこの暑さ。「なんとかスカッとした気分に浸りたい」そんな思いに駆られた、無計画レジャー。

最初に訪れて、その壮大な自然の威力に圧倒されたのが60年前の小学校修学旅行である。
それ以来何度か訪れた。何度だろう、指を折って見る。
修学旅行以外の秋芳洞は、何かしらその時その時のいわく因縁があったような記憶がある。定かではないが・・・。

22歳の時は確か・・・ まあいいか、あいまいな記憶でいいかっこしても仕方ない。
ただ言えるのは、あのヒンヤリした幻想的な空気と、暗くて足元もおぼつかない石段やでこぼこ道を散策するドキドキ感は、実際に秋芳洞を訪れて、その肌で、その感性で存分に味わって頂きたいものである。

そんな華やかな思い出の陰で、なんとも淋しい思いが胸に迫ったのも確かである。
駐車場から洞の入口までおよそ700mある商店街、つまり土産物店の活気のなさが、洞内観光の感動を一気にしぼませる。
華々しく並べてあるおみやげ品の数々。それはどこにもある風景と同じ。
問題はその店番をする人達の平均年齢が70代後半とみた。椅子に座りこんで「いらっしゃい」もなければ「これはどうですか」もない。品物を手にとっても「どうせ冷やかしでしょ」といった冷ややかな目つき、言葉のキャッチボールがない。

長年の観光客減少が、若い販売員さんの流出を余儀なくして、残ったのは世の中を達観したような人生の達人が主流。
ただ一軒、ソフトクリーム屋さんだけが若いお姉さんを揃え、黄色い声で勧誘してくる。
観光客誘致を旨とする山口県。ここ秋芳洞も含めた県内観光ルートマップ再編が望まれるようだ。

そんな理屈はまあ置いとくことにしよう。この身は極めつきの涼をさずかったいい一日になったのだから。

コメント (4)
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