「西の谷緑地公園」を美しく!

「公園都市水戸」の街造りを考える人達と協働したいと思っています。

静嘉堂文庫美術館

2009年05月02日 22時23分04秒 | 美術展
静嘉堂文庫美術館

静嘉堂は二子玉川駅近くの閑静な住宅地,世田谷区岡本に在る。
丘と言うより一山全部が静嘉堂の所有地。
裾野の丸子川の流れの際は、世田谷区が管理する緑地公園となっている。

案内の資料に拠れば
岩崎弥之助(1851~1908、三菱第二代社長)と小弥太(1879~1945、同第四代社長)の父子二代によって設立され、昭和15年に財団法人となった。現在国宝7点、重要文化財83点を含む凡そ20万冊の古典籍と5000点の東洋古美術を収蔵している。
図書を中心とする文庫は、明治25年の創立以来、和漢の古典籍の蒐集に努め、保存を主とした専門図書館として活動している。


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美術館は、文庫創立百周年の記念事業として建設され、平成4年4月に開館した。

弥之助の蒐集が絵画、彫刻、書籍、漆芸、茶道具、刀剣など広い分野にわたるに対して、小弥太は特に中国陶磁を系統的に集めているのが特徴。

ということだ。年間5本の企画展が春・夏・秋に開催される。
夏と冬は休館の時期も有る。

一度は訪れたいと思っていたが、場所や時期の関係で機会が無かった。
今回、やっと願いが叶った。

二子玉川駅から徒歩30分程度、バスもあるがどの様な町並みかも興味があったので歩いた。
高級住宅地で三階建位に規制されているのだろう。
落ち着いた町並みで緑も多い。
途中の道案内も良くできており、散策がしやすい。
これなど水戸市も見習うべきと、痛切に感じた。
道路改修で、つまらぬ柵や植え込みより、歴史の解説や道案内などに予算を振り向けるべきだろう。

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入り口の門らしきところから、欝蒼たる丘を登る感じで頂上部の文庫と美術館に到着する。

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文庫は大正期の建物で、一般に公開はされていない。

今回のテーマは「筆墨の美ー水墨画展」  4月4日~5月17日

中国絵画・日本絵画・文房具の3部で構成されている。
案内資料にもあるとおり、国宝7点をはじめ膨大な数を所有している。
展示は館蔵品のみで出来ると言うのは凄い事だ。
因みに茨城県内の国宝はたったの2点である。

今回の展覧会にも2点の国宝が紹介されていた。
風雨山水図 伝馬遠 南宋時代 13世紀
禅機図断簡 因陀羅 元時代   14世紀

展示数は57点だが展示空間とのバランスは丁度良い。

先週の出光美術館「水墨画の耀き展」に続き水墨画を鑑賞する事になった。
水墨画は地味な作品が多いから、勉強不足では作品との対話は成り立たない。
それと、水墨画鑑賞の用具、望遠鏡を忘れた。
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文庫と美術館に来れた。ということで満足した。

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敷地の一角に父子二代の霊廟が在ったが、これまた凄い。
明治期の三菱がいかに儲かっていたかが偲ばれる。
しかし、明治の人は利益を社会に還元する事は常に念頭に有った。
文化財の海外流失が盛んだった時期、日本に留めて置きたい。
が創設の動機だった。