佐藤 卓史 ピアノリサイタル@佐川文庫・コンサートホール
佐川文庫サロンコンサート
2017年8月26日 18:00~
水戸市河和田町の「佐川文庫」は、1984年から93年まで水戸市長をつとめた故佐川一信のメモリアル ホール。故人の姉の佐川千鶴さんが遺志を継ぎ、蔵書3万冊・CD1万枚を納め2000年11月に開館した。
オープンを祝し来館したピアニストの中村 紘子さんが「ホールでコンサートを開くのも良いかも」との発想から、翌2001年4.月21日に中村 紘子のピアノコンサートが開かれた。
それを皮切りに年に5~6回、中村さん推薦による演奏家のサロンコンサートを開催してきた。
有名演奏家のみならず若手を積極的に登用、ショパン国際コンクール優勝者チョ・ソンジンなど国際的に活躍する演奏家の初舞台も多く、若手演奏家の登竜門とも言われる様なった。
今では「佐川文庫・サロンコンサート」への登場は若手にとっての夢ともなっている。
出演者や常連の聴衆の希望もあってより本格的なサロンコンサートの場として、
2015年2月、本館の後ろにホールが開館した。
開館記念として「小菅 優ピアノコンサート」が2015年10.月25日に開催。
「木城館」と名付けられたが、那須に所有していた別荘「木城山荘」(こしろさんそう)に由来している。
外観は2回程拝見したが、8月26日18:00~「佐藤 卓史 ピアノリサイタル」で内部を拝見し、コンサートを聴くことが出来た。
客席は200席くらいはありそうだが、満席だった。
この日は「オール・シューベルト・プログラムとのことで。
楽興の時 D780 作品94 第1巻(第1〜3曲)
12のグラーツのワルツ D924 作品91
3つのピアノ曲 D946
=休憩=
即興曲 編ホ長調 D899-2 作品90-2
即興曲 変ィ長調 D899-4 作品90-4
ピアノ・ソナタ 第13番 ィ長調 D664 作品120
休憩時間にはコーヒーとチョコレート或いはグラスワインも提供された。
「サロンコンサート」ならでの雰囲気で、主催者の心意気が感じられた。
クラッシクに馴染のない僕だが、休憩後の即興曲は聞いたことがある曲で楽しめた。
佐藤 卓史さんはBSジャパン「おんがく交差点」にレギュラー出演中、とのことで、見てみようと思っている。
終了後は佐藤 卓史さんのCD販売とサイン会。
入り口の近くの壁面には佐川さん遺愛の品物や写真、吉田秀和さんの原稿などが展示され、故人の業績などを偲ぶことが出来る。
館長の佐川千鶴さん弟の佐川一信さんおメモリアルホールとして建設した「佐川文庫」附属「木城館」でのサロンコンサート。
毎回通う聴衆にとって佐川文庫育ちの演奏家の活躍は、我がことのように嬉しいだろう。
佐川文庫から多くの才能ある人材が生まれていることを共に喜びたい。
●佐川文庫サロンコンサート今後の予定は
2017年9月28日(木)18:30
■ 前橋汀子・久保田巧・川本嘉子・原田禎夫 カルテット
〇このチケットは、ほぼ完売で補助席が有りか?
2018年1月20日(土)18:00
■ 上村 文乃 チェロ・リサイタル
●佐藤卓史
1983年秋田市生まれ。
高校在学中の2001年、第70回日本音楽コンクールピアノ部門で優勝。
東京藝術大学を首席で卒業後渡欧、ハノーファー音楽演劇大学とウィーン国立音楽大学にて研鑽を積む。
その間国際舞台でめざましい活躍を遂げ、2007年第11回シューベルト国際ピアノコンクール第1位、
2013年にはデビュー10周年を記念してソロリサイタルツアー「ベートーヴェン 4大ピアノ・ソナタを弾く」を開催、全国16都市で演奏し好評を博した。2014年より「佐藤卓史シューベルトツィクルス」を始動。
ライフワークとしてシューベルトのピアノ曲全曲演奏に取り組んでいる。
佐藤俊介との共演によるCD「グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ集 全3曲」(ナミ・レコード)は平成19年度(第62回)文化庁芸術祭レコード部門《大賞》に輝いた。
現在はBSジャパン「おんがく交差点」にレギュラー出演中。
作編曲・レクチャーなど活動の場は幅広く、実力派ピアニストとして注目を集めている。国際フランツ・シューベルト協会会員。