漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 第6章 その16

2009年04月04日 05時17分15秒 | 漫画家アシスタント
( この写真は、東京豊島区椎名町の商店街です。この辺りにあるスーパーでリョウさは自炊用の
  食材を仕入れていました。この風景は20年前とほとんど変わりません。今でもリョウさんが
  自転車に乗って通り過ぎて行く様です。《 2009年2月、撮影 》 )
  
  
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
 
 
 
              その16
 
 
14年間、無遅刻無欠勤だったアシスタントのリョウさん( 仮名:内海遼一、
岡山県出身、88年当時33歳、Jプロ勤続14年目 )が、早退した次の日から
プッツリと仕事場へ来なくなりました。
 
電話連絡をしてもつながりません。J先生は他のアシスタントたちに、リ
ョウさんの具合が悪いみたいなので様子を見てくる様に指示を出します。
 
Jプロの背景制作の大黒柱カンさん( 仮名:菅原 浩二、神戸市出身、88年
当時、35歳、Jプロ勤続19年目 )は、J先生の奥さんから連絡を受けます
・・・・・
 
 「 内海君のとことへ様子を見に行ってくれるゥ・・・ 」
 
カンさんは、取り急ぎ果物( リンゴとバナナ )などを手土産にして、リョ
ウさんの下宿を訪ねます・・・。
 
リョウさんの住む下宿は、椎名町駅から5分ほど歩いた所にある住宅街の狭
い路地の奥にあります。一般の住宅をアパート風に改造したもので、下の階
には大家さんが住み、2階部分をリョウさんが借りていました。
 
2階には、訪問者が直接外側から階段を上がって行く事ができます。カンさ
んは金属製の錆びた階段をカタンカタンと上がって、リョウさんの部屋のド
アをノックします・・・
 
 トントン・・・
 
しかし、返事がありません・・・・。もう一度ノックします・・・・。や
はり返事はありません。
 
 「 具合が悪いのに何処へ行っとんかなァ・・・? 」
 
そう、首をひねりながら帰りかけますが・・・手に持った果物の包みを見な
がら、再び振り返ってドアに向かい何気なくドアノブを回しました・・・
 
 ガチャリ・・・
 
ドアノブがすんなり回ります・・・。 

そして、鍵の掛かっていなかったドアが静かに開きます・・・・・
 
 「 リョウちゃん・・・リョウちゃん、いるか~い・・・・? 」
 
うす暗い部屋の中に声をかけますが、静まり返った部屋の中には人の気配
がありません・・・。
 
9月の残暑の中、部屋の空気が暑苦しく台所の油の臭いが鼻にからみます。
 
カンさんは、持ってきた果物を玄関わきにでも置いて立ち去ろうとしまし
たが・・・そのまま置いておいたのでは果物が傷んでしまうと思い、玄関
近くに置いてある冷蔵庫の中に入れておいてあげようと、玄関で靴を脱ぎ、
中へ入ります。
 
小さな台所の小さな冷蔵庫・・・その中に、そっと果物を置いて玄関のド
アを閉めて外に出ます。
 
 「 それにしても・・・鍵も掛けんと何処に行っとるんや・・・・ 」
 
カンさんが帰ってからリョウさんが下宿に戻った時には、もうリョウさん
の頭には仕事の事もJプロスタッフの事もありませんでした。
 
リョウさんは、この時・・・坂本龍馬が暗殺された謎を解き明かす事だけ
に没頭していたのでした・・・いや、すでにリョウさんの思考は現代と幕
末との時間の壁を越え、空間を突破し、龍馬の人格と同化さえしていたの
です。
 
リョウさんが早退した日から3日、4日と無断欠勤の状態がつづき、Jプロ
でもあわただしい動きが出てきます。
 
ちなみにカンさんが置いていったリンゴとバナナをリョウさんが見つける
のは2ヶ月後です。冷蔵庫の中で黒く干からびてミイラの様になっていたそ
うです・・・・・・
 
 
 
 
            「 漫画家アシスタント 第6章 その17 」 へつづく・・・



 ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第6章 その15」へ戻る 】

 
 
   

 
~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~
 
4月3日、T造形芸術大学マンガ科の教員説明会へ行って参りました。いよ
いよ今月8日よりマンガ背景を教える非常勤講師としての第一歩が踏み出
されるわけで・・・まさにマンガストーリーの様な人生です!
 
この、説明会の時の自己紹介で・・・
 
 「31年アシスタントをやっています。背景の事しか分かりません・・・」
 
ってな事を喋って終わったのですが・・・自分の名前を言い忘れていた事に
後で気付き、すっかり落ち込みます。 最初からドジを踏んでいる・・・!
 
私は・・・学生たちにモノを教えられる人間ではなく、私の様な者でも何とか
この業界で生きていけるのだ・・・と、希望を持っていただけたら・・・など
と考えております。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

      

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」





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19 コメント

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Unknown (sasasa)
2009-04-04 06:16:58
J先生の奥様も特徴的なしゃべり方なんですかね?

次回が楽しみです!
返信する
おぉ (幸多徹夜)
2009-04-04 08:36:34
講師就任おめでとうございます!

応援してます、頑張ってください!
返信する
sasasaさん、幸多徹夜さん、コメントありがとうございました! (yes)
2009-04-04 09:56:01
 >sasasaさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
私は事務的な事で話し合ったりした事はあっても、個人的に話し
合った事はまったくありませんでしたが・・・まるで、幼馴染の親
友にでも話しかけるように気さくに声をかけてくれる・・・そんな
方でした。
 
 
 >幸多徹夜さん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
人にモノを教えるのではなく、私の人生から何かをくみ取って
いただけたら・・・そんな気持ちでいます。
 
幸多徹夜さんに励まされたら勇気百倍です。 ありがとう!
 
返信する
祝 講師 (山本)
2009-04-04 14:41:51
ちょと嬉しい驚き?ですね。
主人公を活かすのは背景ですからね。
生徒の新しい才能を育ててください。
返信する
マンガの学校って、どう? (オレンジボーイ)
2009-04-04 19:11:29
「マンガの学校」と聞くと、複雑な思い出があります。
自分は、以前、マンガの専門学校へ、見学に行ったことがあります。

見学に行った時期がまずかったためか(1月下旬)、
授業は、いちおう「卒業制作へ向けての、自由制作活動(つまり“自習してろ!”ってこと)」だったのですが、
生徒さん達は、誰一人、作業せず、おしゃべりばかり。
「昨日見たアニメやドラマが、どうだった」とか
「アニメ雑誌の今月号に、こんなことが載ってた」とか、
「声優さんのラジオで、あんなこと言ってた」とかの話ばかりで、
「自分がどんな作品に取り組んでいる」とかの、自分の創作活動の話は、まるでなし。
せめて、世間話しながらでも、落書きとかしていれば、“マンガ家志望らしくて良い”と思えたのですが、「落書きすらやらないで、おしゃべりばかり」

先生も教室にいないで、どこにいるのか分からない状態で、生徒をほったらかし。

「高いお金とっておきながら、コレはないでしょ!」と頭にきて、入学を取りやめた経験があります。

「絵は、描かない限り、うまくならない」ので、yesどんが講師になったら、ドンドン課題を与えて描かせた方が良いですよ。最近の若い子は「言われないと、やらない」子が多いそうなので、ドシドシ課題を与えた方がええんじゃないでしょうか。
返信する
宝塚造形芸術大学のことでしょうか (しろちゃん)
2009-04-05 01:59:23
(宝塚造形芸術大学 東京新宿キャンパス)

2009-04-05 01:54:20

http://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/tokyo.pdf

110ぺーじの松本さん以外は、漫画家の勉強には、向かない講師陣かも。

ここは実戦向きのyesどんの登場が待たれます。
返信する
講師就任、おめでとうございます! (ふじもん)
2009-04-06 01:35:54
なかなか非常勤講師は大変だというのを聞きますが、漫画業界の最前線にいるyesさんから背景技術を直伝されるというのはアシスタントとして即戦力ですね!

卒業したら、すぐにアシスタントになれます。


ただここで、このブログでも繰り返し言われている、

「アシスタントになれる技術を持っても、必ずしも“漫画家”になれる訳ではない」

というジレンマも生まれる訳ですが。

講師のyesさんにも、受講生にも、幸多からん事を祈ります。
返信する
おめでとうございます! (通りすがりの女)
2009-04-06 17:41:19
YESさん、講師就任おめでとうございます!

きっと背景技術以外にも、漫画家を目指すにあたりの心構えとか、学生さんのためになることを沢山もっていると思います。

ところで私は関西人なのですが、宝塚造形・・・って東京にもキャンパスがあるのですね。
返信する
山本さん、オレンジボーイさん、しろちゃん、ふじもんさん、通りすがりの女さん、コメントありがとうございました! (yes)
2009-04-07 04:48:48
 >山本さん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
講師といっても非常勤講師ですので・・・! 大学院へ入ってマス
ターになって大学講師に成る本当の講師とは意味が全然違いま
す!
 
まあ・・・・・職人技をご披露する「お呼ばれさん」みたいなモノで
しょうか・・・・。
 
私が教えられる背景なんぞたいした事はないのですが・・・私の人
生から何かをくみ取っていただけたらありがたい事だと考えて
おります。
 
 
 >オレンジボーイさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 >以前、マンガの専門学校へ、見学に行ったことがあります・・・
 
貴重な体験談をどうもありがとうございます! とても興味深く
読ませていただきました!
 
確かにオレンジボーイさんの意見は、正しいと思います! その
「マンガの専門学校」には疑問がありますが・・・・しかし、「ドン
ドン課題を与え」るやり方にも限界がある様なのです・・・・・それは
・・・・・・
 
先日、教員説明会というのに出席させていただいたのですが・・・
「課題」についての話として・・・
 
 「全科目で各講師が宿題や課題を出していたら学生が全ての
  課題をこなしきれるわけがない!」
 
と、いう意見に・・・なるほど・・・そうなのか・・・・・・と、納得させら
れたのです。(実際にはノルマの達成に学生も忙しい?)
 
・・・実は、もっといろいろと学校の事を書きたいのですが・・・学生
などのプライバシーやら守秘義務やら・・・・・ありまして・・・・・書く
ことが出来ません。
 
当たり障りのないチョウチン記事の様な事をダラダラ書く気もあ
りませんので・・・困っております。
 
この位で、ご勘弁を!
 
 
 >しろちゃん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 >宝塚造形芸術大学のことでしょうか
 
オイオイ! 答えられませんぜ! この質問ッ! 
 
 
 >ふじもんさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
ふじもんさんの指摘の通り、アシスタントの技術を高める事が漫
画家に成る事につながるわけではなく・・・技術を教える事が漫画家
に直結しない・・・この矛盾から逃れられない・・・!
 
「漫画家に成る方法」といったナメた教え方よりも、漫画家スレ
スレの人生や漫画家に成れない上手な人生もある事を感じ取って
いただけたら・・・・などと考えております。
 
上にも書きましたが・・・ホント、色んな事を書きたいんですが・・・
結構、「お約束」事があって詳しく書けません。
 
授業では、ふじもんさんの「祈り」を背に受けながら最善を尽く
してまいります!
 
 
 >通りすがりの女さん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
コメント、ありがとうございました!
 
 >私は関西人なのですが、宝塚造形・・・って東京にもキャン
 >パスがあるのですね。
 
・・・って、その質問にもうっかり答えられないのです!(上記の通
り、学校の事や学生の事など守秘義務がある様で・・・)でも、答え
てしまう愚かな私・・・。
 
私が勤める学校は新宿にあります。駅西口からしょんべん横丁
(現、思い出横丁)を歩いて・・・・(以下省略、もうダメ!)
  
返信する
それでも・・役には必ず立つ技術だと思います。 (ラティ)
2009-04-07 23:29:40
>アシスタントになれる技術を持っても、
>必ずしも“漫画家”になれる訳ではない

これはよくアシスタントしていても言われる
話なんですけど・・
でも、、アシスタントの技術とマンガ家の
技術はちょっと違うので・・
やっぱり漫画の世界でしがみついて生きていきたい
というならば・・
アシスタント技術は必須だと思うんですよねー
マンガ家としてすごく売れててもその方は
アシスタントとして有能かどうかは別なので・・

アシスタントはマンガ家の作風にあった
背景、仕上げができるかどうかという話で
あって・・マンガ家は売れる漫画をかけるか
どうかという話なので、似てるけど違うもの
だと思います。でも、マンガ家としていつでも
仕事があればいいですが・・なかなか仕事が
ないときなど、アシスタントとしての技術があれば
それで食いつなぐことができますしね。
あっても邪魔にならない技能だと思います。

だから、トーンなんて自分の漫画にあんまり
使わないからトーンなんか張れなくてもいいもんとか
自分の漫画では、ビルなんか出てこないから
ビルがかけなくてもいいもんとか
いう生徒に、上の言葉を送ります(笑)

なんでもできたほうが・・楽ですよ。
そして、なんでもチャレンジできるのは今しか
ないんですよともね。
返信する
ラティさん、コメントどうもありがとうございました! (yes)
2009-04-08 01:08:59
アシスタントの技術とその経験の重要性についてのお話を、ど
うもありがとうございました! 
 
それに関連しての事ですが・・・・
 
マンガ科の先生たちの話を聞いていて思ったのは、「漫画家ア
シスタント」が漫画家への通過点にすぎないという考えよりも、
就職先としての有力な位置付けがなされている・・・と、いう事へ
の意外性です。
 
私が若い頃には想像も出来ない時代になったものだ・・・と、かな
り複雑な心境です。
 
ちなみに、こうした状況があってこそ私の様な者に講師のお呼
びがかかったのだとは思いますが・・・。
   
返信する
はじめまして ((´・ω・`))
2009-04-09 07:40:32
はじめまして、いつも楽しく読ませて頂いております。
ようやく全部読み終わってリョウさんの話に追いつきました。
蟹工船の漫画、友人と読みはまってこちらにたどり着きました。
私も漫画を描くのですが背景のことがイマイチ分からずyesさんが背景しか分からないといわれたことが凄くうらやましく思います。
背景ってどのように巧くなるものなのでしょうか?
やはり描き続けなくてはいけないのでしょうか?

漫画家アシスタントはいまでは立派な職種となっていると研究所の先生がおっしゃっておりましたよ。


返信する
Unknown (ふじもん)
2009-04-09 17:50:55
>漫画家アシスタントはいまでは立派な職種となっていると
>研究所の先生がおっしゃっておりましたよ。

一体、何の研究所なんでしょう?

漫画の研究?
漫画家の研究?
漫画家アシスタントの研究?

それとも、全く漫画と関係のない研究所でも認められているという事?


気になる…。
返信する
(´・ω・`)さん、ふじもんさん、コメントありがとうございました! (yes)
2009-04-10 03:07:10
 >(´・ω・`)さん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
はじめまして!
 
ここまでたどり着くのは大変だったと思います・・・どうも、あり
がとうございます!
 
 >背景ってどのように巧くなるものなのでしょうか?
 
簡単に言えば、上手な人のマネをして巧くなります。自立的に
自分の発想だけで上手に成れる人はいません。(練習でコピー
する様にマネし、その背景センスを習得する)みんな・・・
 
 「この作品の背景、カッコ良いなァ・・・」
 
ってな感じで、それをマネしているうちに上手になります。しか
しこの時に、ただ「カッコ良い」と思うだけでそれを取り入れる
ために手を動かす(作画する)ことをしないでいるとまったく成
長はしません。
 
・・・以上が一般的な話。特殊な才能を持った人は奇抜で独創的な
背景を描くことがありますが、それは、ごく稀な例外です。
 
とにかく、好きな背景にどんどん影響されて自分の作品の絵柄が
変化していくことが大切です。・・・その変化こそ、貴重な「成長」
です。(注:デビューする時には、マネした或いはコピーした背
景はダメ! マネした『青い』背景に赤や黄色を混ぜて自分らし
いカラーにして出す事)
 
 >やはり描き続けなくてはいけないのでしょうか?
 
もちろん、「描き続け」る事が前提の話です。ただし、同じ絵を
繰り返しているだけだと成長が止まり「浦島太郎化」するので、
注意が必要です。
 
この事に気づいた時には手遅れで、まさに玉手箱を開けて髪の毛
が真っ白に成ってしまうのと同じ事で取り返しがつきません。
 
私の様に成らないためにも常に「より優れた」背景に影響を受け
続ける事が大切です。
 
・・・私の髪の毛にも随分と白髪が増えてまいりました・・・(涙)
 
 
 >ふじもんさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 >何の研究所なんでしょう?
 
私も同じ様に興味があります・・・・・!
  
返信する
マンガ業界ニュース (オレンジボーイ)
2009-04-10 07:20:25
本日は、マンガ業界に関するニュースをお知らせしまつ

●「ガッシュ」作者の雷句誠さん、裁判終了
原稿紛失の件は、結局、おおかたの予想どおり、出版社がお金払って解決。
なくなった原稿は、出てこなかった。(探せば、必ずあるのに、めんどくさい?)
詳細は、以下。
http://www.j-cast.com/2008/11/12030216.html
個人的な意見、「マンガ家なんだから、練習のつもりで、もう一回描けばいいじゃん」
ダメですかね?

●手塚治虫さんの仕事机、一般公開!
江戸東京博物館「手塚治虫展」で今月(4月)18日から初公開。
この机で「ブラック・ジャック」「ブッダ」「火の鳥」など後期の名作が描かれた
画像を見ると、スチール製のごくふつうの事務机。(学校の職員室とかで、先生が使うヤツですね)
詳細は、以下
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/843/ym_090409_8431387634.html
手塚先生は若い頃、ミカン箱でマンガ描いてたって話、本当でしょうか?…。

●夫解雇の恨み…人気漫画家を脅迫、女逮捕!
「ONE PIECE(ワンピース)」の作者・尾田栄一郎さんの事務所を解雇された人の奥さんが、尾田さんに「死ね死ね」などと書いたメールを約100通送りつけたとして、東京・町田市の福重智子容疑者(27)が脅迫の疑いで逮捕された。
奥さん曰く「ダンナがクビになったので、腹が立った」とのこと。
詳細は、以下(動画もありますが、CMが長いです)
http://news.biglobe.ne.jp/social/082/ntv_090409_0822214817.html
返信する
Unknown (まーくん)
2009-04-10 07:55:21
J-csastニュースにこんな記事が

「海猿」「ブラックジャックによろしく」などの大ヒット作を持つ漫画家の佐藤秀峰さんが、ブログで原稿料は1枚3万5千円、月収は70万円ほどだと公表した。原稿料収入だけでは毎月赤字続き。単行本の印税は赤字の補填などで消えてしまう。そこへ、出版不況で原稿料の値下げ。「漫画家のなり手がいなくなり、10年後、漫画はあるのでしょうか」と憂いている。

1600万円稼いでもスタッフの人件費などで大幅赤字
佐藤さんは2009年3月28日から09年4月6日まで、出版社に原稿料と印税の見直しを求めた「漫画貧乏」というブログを5本書いた。漫画業界には「連載貧乏」という言葉があり、新人が連載を始めても雑誌社が支払う原稿料だけでは生活できないのだそうだ。佐藤さんも「海猿」の連載を始めた頃には月に80万円の収入があったが、アシスタントへの給与の支払いや7万円の家賃を差し引くと月に20万円の赤字になった。「海猿」は単行本化され大ヒットしたが、単行本が売れなかった漫画家の場合は借金だけが残る。

現在連載中の「ブラックジャック」だと、年間約450ページ書き、原稿料が1600万円。そのほか、1話につき15万円の企画料をもらっているが、支出はスタッフ6人の人件費や保険料で1800万円。取材費や画材費などを計算に入れると大幅な赤字。単行本が1000万部以上売れていて、1部につき50円の印税が入ったが、その半分近くは税金で引かれた。連載の赤字補填などにも印税を使い、

「(今後)仮に単行本が出なかったり、出たとしても全く売れなかったりしたら、5年で(佐藤さんの漫画製作所は)潰れるでしょう」
と暗い予測をする。

それもこれも、出版社が支払う原稿料が低いことにつきるというのだ。
返信する
金だけじゃないのよ (ハヤブサ)
2009-04-10 09:10:46
先に金の計算ばかりしてちゃ漫画家にはなれませんな。
現に漫画家で裕福な暮らししてる人だってたくさんいるけど
漫画家になりたい人は金だけじゃないのよね。

返信する
Unknown (ふじもん)
2009-04-10 19:28:18
>オレンジボーイさん
>個人的な意見、「マンガ家なんだから、練習のつもりで、もう一回描けばいいじゃん」
>ダメですかね?

ダメというか、根本的に漫画の「原稿」という存在を理解されていないです。
原稿は、黒い線の引かれているただの「紙切れ」ではありません。

原稿は金銭的価値のある「商品」であり、かつ代替の利かない「芸術品」でもあります。

大人の世界で、芸術的価値のある商品を借りたけど無くしました、で済むと思われますか?

出版社だけはそれが許されてきた(というより明らかなパワーハラスメント)訳ですが、私はそれが大人として許されてきた事自体が理解できない事です。

漫画の原稿は、ただの「紙切れ」ではないのですから。
返信する
オレンジボーイさん、まーくんさん、ハヤブサさん、ふじもんさん、コメントありがとうございました! (yes)
2009-04-11 04:18:07
 >オレンジボーイさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
「マンガ業界に関するニュース」、ありがとうございました!
 
 >手塚先生は若い頃、ミカン箱で・・・
 
昔の漫画家の少年時代には、そうした話が多くあったみたいで
すが・・・確か、Cてつや先生もミカン箱で漫画を描いていた頃が
あったのではないでしょうか。
 
ちなみに、手塚先生の出身は中流以上の家庭ですから「ミカン
箱」の体験は無かったのではないかと・・・・。
 
 
 >まーくんさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
「佐藤秀峰」先生の話題をどうもありがとうございました!
 
 >1600万円稼いでもスタッフの人件費などで大幅赤字・・・
 
月に税込100万円未満の収入で、雇える専属アシスタントは2人
が限界だと思います。
 
つまり、月に200万円未満なら4人が限界・・・それなのに「6人」
も雇うというのは・・・・・・薄給のサラリーマンが行き帰りにハイ
ヤーを使っているのと同じ様なもの。無理があると思います。
 
常識的に考えて収入と支出のバランスをまったく無視している
と言わざる得ません。
 
漫画家の稿料が安いのは40年前から言われている事。今でも1
ページ、6千円、7千円で孤軍奮闘している作家は沢山いると思
います。 
 
やはり、基本は自分で描く事。どうしても間に合わないから助
っ人を頼む・・・・それがアシスタントなのだと思いますが・・・・・。
 
 参考:Jプロの月間予想稿料収入は300万(税込)。アシス
  ト3人分の経費は140万(税金、保険、年金支出を含む)。
    
   
 >ハヤブサさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
お金の話がダラダラと続いていくのを見ると・・・シラケてくる
ものがあるのは確かな様で・・・・・
 
 >漫画家になりたい人は金だけじゃないのよね。
 
しかし・・・ダメな私は・・・つい・・・こんな愚痴が・・・
 
 『漫画家になれない人は金だけはないのよね。』
 
 
 >ふじもんさん、へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
ふじもんさんの書かれている事は正論だと思います。私は補足
を加える事もないのですが・・・・
 
一言だけ・・・・
 
多くの編集員は原稿を大切にしてくれます。私自身が自分の原
稿を扱う以上に慎重に、大切に扱ってくれる編集員もたくさん
・・・・・・。 しかし、中には・・・・・でない人がいるとか・・・・・・!
  
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