韓国語学習目的で営利目的はありません。
著者 : キム・ホヨン
(6)
しかし、ドッコさんが一度にエッセチェンジ4ミリを摘まみ上げ、バーコードを写すではないか?クレーマーは勝負欲にかられるのか、今度はカードをぽんと投げた。ドッコさんはおとなしくカードを摘まみ上げ計算を進め、クレーマーにカードを渡した。
「袋は?」
奴が試験するように訊ねた。シヒョンは努めて我慢し何もしなかった。ドッコさんは商品と奴を交互に見てにやっと笑った。
「そ・・・そのまま持って行って。袋・・・ビニールで・・・環境によくないので。」
既に表情が固まったクレーマーがしてみようというように上体をドッコさんに突き出した。
「俺のうち、ここから遠い。袋なしでどうやってこれを持って行けと言うのだ?」
「で、でも・・・買う。」
「あらかじめ言ってくれなきゃ。それどれぐらい買うとカードに入れろと言うのだ?ただで一つくれ。」
「そ・・・それは・・・難しいから?」
「なに、お客に面倒をかけたら、解決してやらなければならにんじゃないか?ここコンビニじゃないか?そうかそうじゃないのか?」
クレーマーがくどくど言った。悪戯と脅迫が混じった口調に緊張感が漂った。ことが大きくなった。緊張したシヒョンが出ようとすると突然ドッコさんが手のひらを叩いた。
奴とシヒョンが手持無沙汰の間に彼は倉庫へ行って自分のエコバッグを持ってきた。何かボランティア団体のロゴ描かれている、みすぼらしくすり切れたエコバッグを持って来てから、レジの横で中身を叩いた。ボールペンとノート、廃棄サンドウィッチが全部だった。ドッコさんは空のエコバッグにクレーマーの菓子を詰め始めた。奴は舌打ちしてそんなドッコさんを非常に珍しい動物を見るように観察した。
「お前今何をしているのだ?」
「ここに詰めて・・・行けと・・・。」
「その汚いものに品物を詰めてどうする?」
「汚いもの・・・洗って使えば・・・いい。」
見るに堪えないシヒョンが乗り出した。
「すみません。この人は初めてで・・・ビニール袋に詰めて差し上げます。」
シヒョンが品物を詰めたドッコさんのエコバッグを掴んだ。しかし、ドッコさんは微動だにしなかった。慌てているシヒョンを後ろにして彼は手をさっと伸ばして奴の鼻先にエコバッグを突き付けた。クレーマーはドッコさんをしばらくにらみ、シヒョンは耐え難いままドッコさんを振り返った。
ドッコさんの小さい目はほとんど瞑っているようだったが、それで一層恐ろしく見えた。じっと閉じた唇に続く広い顎は強力な武器のように飛び出ていた。ドッコさんは無言のままエコバッグを突き出して立っていた。シヒョンはどうするべきかわからず、もう一度クレーマーを振り返った。奴はぷくっと飛び出した目でドッコさんを殺すようににらんだが、微動だにしないドッコさんの態度に困惑したようだった。たちまち奴が苛立った表情でドッコさんからエコバッグをひったくった。秤の重りが傾くようにクレーマーはエコバッグをぶら下げたままコンビニを出て行った。
瞬く間にがっちりした男の気力勝負にシヒョンはエビのように背と腰が曲がったようだった。今に何があったのかというようにドッコさんはノートにボールペンで「必ず袋を先に・・・」と記していた。シヒョンは戦雲が漂った彼の恐ろしい表情を努めて忘れようと声を整えた。
「ドッコさん。いずれにしても袋を上げなかったのは良かったです。」
「ご、ごめんなさい。僕が・・・忘れました。シヒョンさんが・・・はっきり教えてくれたのに・・・。」
「謝ることではなく、次からは忘れないでください。そして・・・いくらクレーマーでもお客はお客なので喧嘩はだめです。」
そうするとドッコさんがにやっと笑って見せた。
「二人までは・・・びくともしません。」
二人と喧嘩できるのか、お客2名を一度に接客できるのかわからなかったが、彼の笑う顔に少し前の恐ろしき目つきは見つけられなかった。彼女は一息ついて直前の気がかりを思い浮かべた。
「ところでタバコどうやってあのように簡単に見つけたのですか?」
「ゆ、昨夜タバコのお客が多くて・・・ざっと覚えました。エッセはエッセウォン、エッセスペシャル、ゴールド、エッセスペシャルゴールド1ミリ、エッセスペシャルゴールド0.5、エッセクラシック、エッセス0.5、エッセス0.1、エッセゴールドリーフ、エッセゴールドリーフ1ミリ・・・。」